ノート・アクア・フィットハイブリッド 徹底比較 -エコカー減税で免税対象となるコンパクトカーに注目!-(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
3気筒の1.2リッターエンジンとスーパーチャージャーの併用でハイブリッドに迫る低燃費を達成
「どうして日産にはフィットのように実用的なコンパクトカーがないの?」という声に応え、ノートの初代(先代)モデルは2005年に登場した。直線基調のボディに広い室内、価格は安く抑えられて堅調に売れた。
2代目の新型ノートも、基本路線は初代を踏襲している。全高は立体駐車場が使える1525mmで、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2600mmと長い。クルマの居住空間は前後輪の間に位置するから、ホイールベースを長く伸ばすことで広い室内を得た。
エンジンはマーチと同じ直列3気筒の1.2リッター。ノーマルエンジンの「X」グレードは車両価格130万円弱と、低価格に抑えられた。
ただし、車重の軽いマーチよりもノートは90kgほど重いから、ノーマルエンジンでは登り坂などで力不足が心配される。そこでスーパーチャージャー装着車も用意されている。
1.2リッタースーパーチャージャー仕様は、最高出力が19馬力アップした98馬力(5600回転)に、最大トルクは3.7kg-m上乗せされて14.5kg-m(4400回転)と、1.4リッター並の動力性能を持っている。しかも、直噴式のミラーサイクルエンジンで燃費性能も向上。スーパーチャージャー仕様のX・DIG-Sの燃費は、24km/L(JC08モード)。ノーマルエンジン仕様を1.4km/L上まわっている。
X・DIG-Sの装備を見ると、電動格納式ドアミラーなどのほかに、キーを携帯していればロック操作やエンジン始動が行えるインテリジェントキー、プライバシーガラスなどが備わる。
グレードを選ぶ時には、スーパーチャージャーの装着で車両価格が約20万円高まるのは辛い。10万円程度の上昇に抑えて欲しいが、149万9400円の価格自体は決して割高ではない。つまり、ノーマルエンジン搭載のXがかなり安いのだ。
プリウスを上回る燃費性能を実現させた人気絶頂のハイブリッドコンパクトカー
アクアは2011年12月に登場したハイブリッドカー。全長3995mm、全幅1695mmのコンパクトボディに、1.5リッターエンジンをベースにしたハイブリッドを搭載している。メカニズムの基本構成はプリウスと同じで、駆動用モーターのほかに発電機も併用。フィットハイブリッドと違って、発電とモーター駆動を同時に行うことができる。
ボディサイズの割に凝った機能を持ち、JC08モード燃費は35.4km/L。世界一の低燃費を誇る。長距離を移動する機会が多ければ、燃料代の節約効果も増すだろう。エンジンとモーターの駆動力を合算したシステム最高出力は100馬力。運転感覚としては1.8リッタークラスに相当する。
グレードの内訳はシンプルに3種類のみを設定。横滑り防止装置、サイドターンランプ付きの電動格納式ドアミラーなどは全車に標準装備されるが、スマートエントリーやアルミホイールはオプション設定。試乗したグレードは売れ筋の「S」で、最廉価の「L」に対してリアワイパー、シートリフターが加えられるなど実用装備を充実させている。「S」の車両価格は179万円。プリウスがスマートエントリーからサイド&カーテンエアバッグまで全車に標準装備されるのに比べると、アクアは装備の充実度としては低い。プリウスで売れ筋の「S」は232万円だからアクア「S」よりも50万円以上高いが、プリウスと同等の装備をアクアに与えたとすれば、車両価格は205万円くらい。アクアとプリウス価格差は、実質的には27万円前後に縮まる。
従って、装備と価格のバランスではプリウスが買い得だが、日本の道路環境ではコンパクトカーのメリットは大きい。価格自体の安さと優れた取りまわし性で、アクアの売れ行きがプリウスシリーズを上まわった。
合理的で買い得なコンパクトカーのフィットをベースにした、低価格で求めやすいハイブリッドカー
フィットの初代(先代)モデルは2001年に登場。フロントシートの下に燃料タンクを設置して荷室の床を低く抑えて、積載性を向上させた。燃費性能にも優れており、価格も割安に抑えられて大ヒット。初代フィットが登場して、ライバルのコンパクトカーは一斉に値下げしたほどだ。
現行フィットは、初代モデルの特徴を受け継いで2007年に登場。さらに、フィットハイブリッドは2010年にモデル追加された。フィットハイブリッドのハイブリッドシステムは、基本的に2009年に登場したインサイトと同じタイプ。1.3リッターエンジンに薄型ブラシレスモーターを組み合わせ、メカニズムはアクアよりもシンプルだ。エンジンとモーター駆動を合算したシステム最高出力は98馬力になる。
JC08モード燃費は26.4km/L。ノーマルタイプの1.3リッターでも21km/Lだから、ハイブリッド化による燃費の向上率は126%。燃費の向上は少なめだが、動力性能が1.6リッター並に高まるメリットもある。
また、機能がシンプルだから価格が安く、標準仕様はクルーズコントロールやエアコンのフルオート機能を備えて159万円。最廉価のハイブリッドカーだ。
2012年には1.5リッターエンジンをベースにした高出力のハイブリッドRSも加えられた。試乗車は、1.3リッターエンジンが搭載されている女性向けのグレード「ハイブリッドシーズ」。スマートキー本体、エアコン吹き出し口のメッキパーツ、本革巻きハンドルのステッチなどがピンク色となっている。ボディカラーも、ホワイトやブラックのほか、専用色のピンクゴールドが設定された。スーパーUVカットガラス、プラズマクラスターの機能を備えたフルオートエアコンなども装着される。
ハイブリッドシーズの車両価格は172万8000円だ。
デザイン・スペックの総評
価格が最も安いのは「ノート」。X・DIG-Sはスーパーチャージャーとアイドリングストップを装着し、快適装備ではインリジェントキーなどを加えて150万円弱だ。ただし横滑り防止装置とフルオートエアコンはオプションで、これらを加えると10万5000円高の160万円少々となる。
「フィット ハイブリッドシーズ」は、スマートキーなどの装備を充実させて172万8000円。「アクアS」は179万円だが、スマートエントリーを加えると184万円少々に価格がアップする。
以上のように、価格はノートが160万円少々、フィットハイブリッドが173万円弱、アクアが184万円少々だ。
性能面で最も大きく異なるのは燃費。JC08モードの数値はノートが「24km/L」、フィットハイブリッドが「26.4km/L」、アクアが「35.4km/L」。アクアの燃費がダントツだが、フィットは燃料タンクをフロントシートの下に設置することで荷室が広い。「ハイブリッド車であること」を存在価値の中核に据えるアクアに対し、フィットはあくまで魅力の一つとして位置付けられている。そしてノートはモーター駆動を使わず、価格を抑えながら優れた燃費性能を達成したことに注目したい。
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