BMW 4シリーズ カブリオレ(435i Cabriolet) 国内試乗レポート／岡本幸一郎(3/3)

クローズ時にはクーペなみの静粛性の高さ

オープンエアドライブを心行くまで楽しんだのち、ひとたびクローズにすると、4シリーズカブリオレはまったく雰囲気の違うクルマへと変わる。

外見はクーペと遜色ない流麗なシルエットを披露しつつ、車内にいてもクーペと同じように外界と遮断されたキャビンを得ることができるのだ。

吸音性に優れたルーフライニングの採用により、クローズ時の遮音性は非常に高く保たれている。BMWがカブリオレでリトラクタブルハードトップの採用にこだわるのは、これらクーペと遜色ないルックスと静粛性を実現するためなのだろう。

トランクルームはクローズ時で370リットルという十分な容量を確保。オープン時にはそこにハードトップが格納されるが、下に220リットルのスペースがあり、リッドのボタンを押すとトップが持ち上がって一時的に開口部を拡げることができる「電動式コンフォート・ローディング機能」を備える。

リアシートは可倒式で、トランクスルーが可能。万一の際に瞬時に展開するロールオーバーバーの構造が改良されたことで、従来より開口部が大幅に拡大している。こうした実用性への配慮もありがたい。

爽快なオープンエアドライブを快適かつ安全に味わえる贅沢な1台

安全面では、カメラが前方を監視し、衝突の危険性が高いときにドライバーに警告を発する機能や、衝突回避・被害軽減ブレーキ、車線逸脱の警告という3つの機能を持つ「ドライビング・アシスト」を標準装備。車速やカーナビゲーションのルート案内、オーディオの情報などをフロントウインドウに直接表示して視線の移動を少なくするヘッドアップ・ディスプレイも標準で付き、車載の通信モジュールを利用した「BMW SOS コール」や「BMW テレサービス」なども標準装備される。

新しい4シリーズ カブリオレは、このように爽快なオープンエアドライブを、BMWならではの走りとともに、快適かつ安全に味わわせてくれるクルマ。いろいろな要求にそれぞれベストな形で応えてくれる、非常に欲張りな1台である。

[レポート：岡本幸一郎／Photo：島村栄二]

BMW 435i Cabriolet Luxury[FR･8AT] 主要諸元

全長x全幅x全高：4640x1825x1385mm／ホイールベース：2810mm／車両重量：1840kg／乗車定員：4名／ステアリング位置：右/左選択可／駆動方式：エンジン種類：直6 DOHC ツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジン／総排気量：2979cc／最高出力：306ps(225kW)/5800rpm／最大トルク：40.8kg･m(400N･m)/1200-5000rpm／トランスミッション：8速スポーツ・オートマチック・トランスミッション／燃料消費率：12.5km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：(フロント)225/40R19(リア)255/35R19[ランフラットタイヤ]／ホイール：(フロント)8J×19(リア)8.5J×19[マルチスポーク・スタイリング・399アロイホイール]／車両本体価格：8,710,000円[消費税込]

※試乗撮影車はオプション装備を含む