アウディ 新型TTS試乗|日本導入20周年を迎えた熟成のコンパクトスポーツ(3/4)
- 筆者: まるも 亜希子
- カメラマン:ウィズ・フォト
クワトロの絶対的な安心感と2リッターターボの爽快な加速
そして街中へと走り出すと、重厚感とともに押し出されるような低速域の加速フィールは、まだまだ底知らずの余裕を感じさせるもの。2.0LTFSIエンジンのスペックは従来同様の286ps/380Nmで、デュアルクラッチの6速Sトロニックであることも、フルタイム4WDのクワトロであることも変わりない。TTSクーペの標準タイヤは18インチだが、試乗車にはオプションの19インチタイヤとアルミホイールが装着されており、時折ズシリとした重たさを感じる場面もあったが、車速度域が上がるにつれてそれはガッシリとした剛性感へと昇華した。
アクセルペダルを踏み込むと、身体がフワッと浮くかと思うほどの軽やかさと鋭い加速が一瞬で手に入り、聴こえてくるサウンドも吠えるように猛々しくなって気持ちを高揚させてくれる。そんな爽快感がどこまでも続くかのようで、これは高回転型エンジンならではの愉しみだ。
そして浮ついてばかりではなく、足元では路面をしっかり捉えて食らいつくクワトロが、とてつもない安心感をもたらしてくれる。とくに、TTSクーペには走行状況に応じてダンパーの減衰力を制御する「アウディマグネティックライド」が標準装備。高速道路のジャンクションに多いヘアピンカーブや、大きく弧を描く高速カーブを走った時のピタリと張り付く感覚は、まるで自分がレーシングドライバーになったかのようにスカッとするものだ。
>>果たして次期モデルはあるのか?[次ページへ続く]
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