アルファロメオ MiTo 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:柴田 康年(編集部)
注目は“D.N.Aシステム”による走行性能
足まわりでは、乗り心地を悪化させることなくロールを抑えるリバウンドスプリング内蔵ダンパーを採用する点が特徴。また、215/45R17という、クルマのわりにキャパシティの大きなタイヤを標準で履く。これらにより、コーナリング中の内輪の浮き上がりを抑え、4輪を的確に接地させて曲がっていく感覚を得ている。
ノーマルの市販車としてはコーナリングスピードが相当に速いことも印象的。しかも、ベタッとしすぎることもなく、軽快なハンドリングを楽しめるところもいい。
また、操作したとおりに素直にクルマが反応する印象で、アンダーステアも出れば、タックイン、オーバーステアも起こる。そこには最近のクルマの多くが抑え込んでしまっている、ちょっと古典的なドライビングプレジャーがある。そこがまた、運転して「楽しさ」を実感する部分である。
MiToのもうひとつの特徴である「D.N.A.」システムは、「D」=ダイナミック、「N」=ノーマル、「A」=オールウェザーと3つの走りのモードを持つこと。 スポーツ走行では本命の「D」に設定すると、エンジンレスポンスがよりシャープになり、通常1バール程度の過給圧が、1.3バールへとアップし、ピークトルクも201Nmから230Nmへと向上する。また、電動パワステのアシストが減って、適度にドッシリとしてくる。
さらに、旋回内輪にブレーキをかけLSD効果を得る「Q2」がフルに作動する。反対にASRやVDCの介入が限りなくOFFに近くなるという。 もちろんエンジンが速くなるのは体感できるし、ハンドリング特性もかなり変化する。
「N」ではやや大きく出たアンダーステアが、「D」ではだいぶ抑えられる。 こうした統合的な電子デバイスが、このクラスながら標準装備される点も、MiToの特徴といえる。
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