輸入車メーカーは日本での販売台数で商売になっているの?

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輸入車メーカーは日本での販売台数で商売になっているの?

以前から疑問に思っていたことなのですが、輸入車の日本法人やディーラーというのは輸入車のあの販売台数で商売になっているのでしょうか?

特に、シトロエンやルノー、フィアットなどは根性と老舗メーカーの意地で、一部のファンのために日本にとどまってくれている気さえします。

日本ではマニアックな欧州フォードを2台乗り継いでいる私としては、こういった日本ではマイナーなメーカーがこれからも日本撤退をせず頑張ってくれるよう、個人レベルでできることはしていきたいのですが、隣の中国市場が大きくなる一方なのを受け、これらのメーカーが利益の出ない日本市場から撤退してしまう恐怖が現実味を帯びているような気がしますが…。

清水さんはどうお考えでしょうか?(トリプルたろう)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

トリプルたろうさんはスバラシイですね!欧州フォード車は、乗ると実にいいクルマが多かったです。しかも「個人レベルでできることはしていきたい」という心意気、マニアとして目頭が熱くなります!

で、果たして日本で、マイナー系輸入車がビジネスとして成立しているのか?ということですが、それは誰しも疑問に思うことでしょう(笑)。

ただ、たとえばフィアットオートやルノージャポンなどの日本法人に関しては、万年赤字を覚悟で意地と根性だけでやっている……ということはありません。

日本市場では、輸入車は最初から一部マニアのためのものなので、日本車と価格競争をする必要はなく、ある程度お値段を高めにできる。そのおかげで、販売台数は少なくても、なんとか採算ラインに乗せることが可能なのです。

ディーラーの方はもっと利益が出にくいですが、しかしディーラーの親会社というのはたいてい地場の老舗会社で、ディーラー業の他にたとえば中古車販売とか不動産業とかを手広くやっていて、正規ディーラーの経営は一種の看板、みたいなケースも多いですよね。正規ディーラーを経営している、というのは、そういう会社にとっては勲章なんですよ。

わからないのは、たとえばフィアットやルノーの本社サイドは、日本向けの商売で利益が出ているのか!?ということです。これについて正確な判定は不可能ですが、メーカーにとっては「日本でも売っている」というのは、ある種のステイタスだそうです。

たとえばアルファロメオ156の発売で日本で好調な頃、「わが社は日本でも躍進している」というのは、対外的な宣伝材料になったというんですね。東洋のハイテク国(ある種得体の知れない国)でも、我々の製品が受け入れられている、意外と人気がある!というのは、彼らにとって誇りなんです。

また、日本市場というのは、我々が思う以上にフトコロが深く、マニアックでもあります。

たとえばルノーのカングー・ビボップは本来フランス国内専用で、輸出しているのはなんと日本だけ!それもルノージャポンの強烈なリクエストで、右ハンドル仕様は日本向けのためだけに作ったというのですからスゴイ!!

ご心配の中国ですが、中国市場は国内に合弁工場を作らないと関税が高すぎてどうにもならず、基本的に全量現地生産なので、日本市場とはまったく環境が違います。

ま、GMは日本市場は放置で好調な中国に全力投球の方針のようですが、なにせ日本市場は輸入関税がゼロなので、完成車を持ってくるだけでイイ。これも、マイナー系輸入車がバラエティ豊かに売られていることの理由のひとつです。

MJブロンディの「ひとりごと」

あの自動車大国アメリカでは、20年間以上もフランス車・イタリア車(スーパーカー系を除く)の正規販売がありませんでした。それに比べると日本のクルママニアは、本当にシアワセです。

アメリカ市場は、あまりにも競争が激しいんです。たとえばプジョー308は、アメリカで売るとなったらホンダ・シビックあたりとガチンコで価格や信頼性で競争をしないといけない。それはムリ、ということで、撤退して幾星霜です。

前述のように、日本では輸入車は特別扱いしてもらえるので、生きながらえているのです。特別扱いバンザイ!です。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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