【正面衝突】目の前に対向車が飛び出してきた!どうする?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:本田技研工業株式会社
【正面衝突】目の前に対向車が飛び出してきた!どうする?
ニュースでは「対向車線のクルマが飛び出してきて正面衝突」といった悲惨な事故がよく報道されていますが、こういった場合は、やっぱりどうしようもないんでしょうか?
その疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!
もちろん、避けようがない場合もあるだろう。でもドライバーたるもの、どんな状況でもベストは尽くしたい。できるだけ被害を軽くするために努力する方法はある。
対向車線のクルマがセンターラインをはみだして、こちらに向かってきた場合、最初にすべきことは「フルブレーキング」だ。なにはともあれ思い切り蹴飛ばすようにブレーキを踏んで、少しでも速度を落とそう。
これから起きるであろう事故は「正面衝突」だ。まず速度を落とすことが重要で、速度が落ちればそれだけ被害は軽くなる。仮に相手との相対速度が30%落ちれば、衝突エネルギーは半分くらいになる。可能な限り速度を落としたら、左右どっちかに逃げ場はないかを瞬時に判断する。そしてそっちの方を見て、少しブレーキをゆるめてハンドルを切る。
ブレーキをゆるめるのは、なるべくハンドルを効かせるため。フルブレーキングでABSが効いた状態だと、タイヤのグリップ力は大部分減速に使われているから、ハンドルを切っても少ししか向きは変わってくれない。
この時大事なのは、相手のクルマを見ないことだ。人間不思議なもので、見た方に進んでしまう。相手のクルマを見つめてしまうと、そっちへ行ってしまう可能性が高い。だから、避けられる方向を見て、そちらにハンドルを切るんだ。
あらゆる球技で言われる「ボールから目を離すな!」の原理と同じだね。できることは、基本的にはこれだけ。こういうのは練習できるものじゃないし、完璧にこなすのはとても難しいけれど、最初の「フルブレーキング」だけは、なんとしてもやり遂げたい。
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