【正面衝突】目の前に対向車が飛び出してきた!どうする?

  • 筆者: 清水 草一
  • カメラマン:本田技研工業株式会社
【正面衝突】目の前に対向車が飛び出してきた!どうする?
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【正面衝突】目の前に対向車が飛び出してきた!どうする?

ニュースでは「対向車線のクルマが飛び出してきて正面衝突」といった悲惨な事故がよく報道されていますが、こういった場合は、やっぱりどうしようもないんでしょうか?

その疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!

もちろん、避けようがない場合もあるだろう。でもドライバーたるもの、どんな状況でもベストは尽くしたい。できるだけ被害を軽くするために努力する方法はある。

対向車線のクルマがセンターラインをはみだして、こちらに向かってきた場合、最初にすべきことは「フルブレーキング」だ。なにはともあれ思い切り蹴飛ばすようにブレーキを踏んで、少しでも速度を落とそう。

これから起きるであろう事故は「正面衝突」だ。まず速度を落とすことが重要で、速度が落ちればそれだけ被害は軽くなる。仮に相手との相対速度が30%落ちれば、衝突エネルギーは半分くらいになる。可能な限り速度を落としたら、左右どっちかに逃げ場はないかを瞬時に判断する。そしてそっちの方を見て、少しブレーキをゆるめてハンドルを切る。

ブレーキをゆるめるのは、なるべくハンドルを効かせるため。フルブレーキングでABSが効いた状態だと、タイヤのグリップ力は大部分減速に使われているから、ハンドルを切っても少ししか向きは変わってくれない。

この時大事なのは、相手のクルマを見ないことだ。人間不思議なもので、見た方に進んでしまう。相手のクルマを見つめてしまうと、そっちへ行ってしまう可能性が高い。だから、避けられる方向を見て、そちらにハンドルを切るんだ。

あらゆる球技で言われる「ボールから目を離すな!」の原理と同じだね。できることは、基本的にはこれだけ。こういうのは練習できるものじゃないし、完璧にこなすのはとても難しいけれど、最初の「フルブレーキング」だけは、なんとしてもやり遂げたい。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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