学生カーソムリエによるジュネーブモーターショー2014&VW アウトシュタット見学ツアー レポート総評(2/3)
- 筆者:
- カメラマン:茂呂幸正
学生カーソムリエ特派員 磯田薫(日本大学)
ヨーロッパで走るクルマ達を実際に見てきて、ひとつ気づいたことがある。それは、私は今まで外国車に対してある種の「偏見」を持っていたということだ。それに気づいたのは、ジュネーブモーターショー2014&VW アウトシュタット見学ツアーが終わり、成田に着いた後である。
成田空港に無事着いた後、私達学生カーソムリエ特派員はレンタカーに乗って東京駅に向かった。時間だけを優先するならレンタカーよりも優秀な移動手段は他にもあるが、そこはクルマ好きな3人なので、あえてレンタカーで移動することについて私達に迷いは無かった。某国産車を借りた私達は、その国産車についての感想を言いあった。
「クルマの動きが軽い印象がするね」「良く言えば軽快、悪く言えばヒョコヒョコしてる感じかな」
私達の脳裏に焼き付いているのは、アウトバーンでも不安を感じさせなかったゴルフの重厚な乗り心地である。車内での話題は、ゴルフとその国産車を比べた感想でもちきりだった。そんな会話を楽しみながら、私は窓の外のクルマに目を向けた。そして、ヨーロッパの地でも見かけたVW車を見つけ、あることに違和感を覚えた。
決して統計を取った訳ではないが、日本では外国車に乗ることは、伝統的にステータスと見なされていることが多いと思われる。それは恐らく、私が生まれるよりずっと前から続く意識であるだろう。あくまで推測だが、その意識から派生して生まれる「外国車(高級車)は良いに違いない」または「国産車だからこのレベルでもしょうがない」という固定観念を持つ日本人も多いのではないだろうか。そのようなイメージを持っている人は、クルマに対して正しい評価を下すことができないと思われる。
ヨーロッパでは欧州車に混じって日本車も沢山走っていたが、そのクルマ達から欧州車に対する遠慮や甘えを感じることは、全く無かった。むしろ日本メーカーのエンブレムを堂々と掲げて走っているように見えた。サッカー日本代表の姿を「世界と戦うサムライ達」と例えることがあるが、ヨーロッパを走る日本車はまさにそれだった。欧州車と真正面から戦っていた。
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