トヨタの展示テーマは「プリウス生誕20周年」【オートモビルカウンシル2017】

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“日本に自動車文化の創生を図る”オートモビルカウンシル、今年も盛大に開催

2017年8月4日(金)~8月6日(日)、千葉県千葉市の幕張メッセで「AUTOMOBILE COUNCIL(オートモビルカウンシル)2017」が開催された。今年で2回目となるオートモビルカウンシルは「CLASSIC MEETS MODERN」をメインテーマにとし、ヘリテージカーの魅力を紹介するとともに自動車文化を語る日本では新しいタイプのクルマイベントだ。

日本は世界有数の自動車大国なのはご存知の通りだが、自動車を「文化」として捉える視点はまだ浸透していないように思う。海外では、長い歴史を誇る各自動車メーカーが自らの歴史および生んできたクルマたちを大切にする精神が昔からあり、またユーザーも現在発売されているクルマが過去に発売されたクルマのヘリテージの延長にあることを理解していることもあって、フランスの「レトロモビル」のような大規模なヘリテージカーを展示(と即売)するクラシックカーイベントがいくつか開催されている。

オートモビルカウンシルが目指すのは、まさにこのようなクラシックカーイベントで、各メーカー固有のフィロソフィー(哲学)と魅力を伝え、そしてヘリテージカーに対する理解を深めることで「日本における自動車文化の新たな創生」を図る。オートモビルカウンシルではその目的を果たすべく、国内および海外の往年の名車、そして名車があるからこそ存在する“ヘリテージの後継車”である現行車など合計100台以上が展示されることが大きな特徴だ。

国内主要メーカー各社も「ヘリテージ」を軸に出展

オートモービルカウンシル2017

「レトロモビル」はクラシックカーイベントだが大手自動車メーカーも正式に出展を行っている。例えば2015年のプジョーは、「プジョー204生誕50周年&604生誕40周年」などのテーマを決めていた。

レトロモビルにメーカーが参加することと同様に、オートモビルカウンシルでは国内主要自動車メーカーも出展する。今年はトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルの5社が自社の歴史と伝統をより深めるテーマで展示を行った。トヨタは今年2017年で発売20周年を迎えるプリウスをフィーチャーし、今やトヨタを代表する技術とクルマとなったハイブリッド車の歴史について実車を交えて紹介していた。

トヨタは「プリウス生誕20周年」を軸にハイブリッド車の歴史も紐解く

オートモービルカウンシル2017
オートモービルカウンシル2017

トヨタの展示ブースでまず目に入ったのが1997年に登場した初代プリウスだ。

また、プリウスが発売される遥か昔の自動車黎明期におけるクルマのパワーソース(蒸気や電気自動車、初期のガソリン車)やプリウスが登場するまでの歴史をパネルで説明。そのほか1977年の東京モーターショーに出展された「トヨタスポーツ800 ガスタービンハイブリッド」とそのパワーユニットを展示した。

プリウスが環境にもたらした影響やハイブリッドのテクノロジーでレースに挑んだ取り組みの歴史、ル・マン24時間で活躍した「TS050 Hybrid」の実車展示も注目を集めた。

プリウスの誕生で「環境性能」がクルマを購入する動機に

オートモービルカウンシル2017

プレスカンファレンスでは初代プリウスの開発責任者だったトヨタ自動車取締役会長・内山田竹志氏とモータージャーナリストの山口京一氏による対談が行われ、内山田氏はハイブリッド車が理解されなかった開発当時の苦労話などを話した。

その中で、発売後アメリカの高名なエグゼクティブが「プリウスに乗るやつはGeek(オタク)だ」と言ったことに対し、とあるプリウスユーザーが「私はオタクだ。プリウスに乗ることを誇りに思う」とwebサイトを作ったというエピソードを例えに、ハイブリッド車が普及したのはこのようにユーザーの応援があったから、という話を紹介した。

また、環境性能という新しい価値を提供したこと、エコカーというジャンルを確立したこと、世界の自動車メーカーのエコカー開発と燃費向上に影響を与えたこと、社会の環境意識を高めたこと、電気自動車の復活を助けることなど、プリウスが与えた影響を語った。

ハイブリッド車に続く次世代車の開発も示唆

内山田氏はトヨタのハイブリッド車が2017年1月に累計1000万台を達成したことに触れたのち、「電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車などのクルマが出ている。これらはいずれも電動化に通じるものだが、ハイブリッド技術は電動化技術のすべての要素を持っているため、これをコア技術にしてハイブリッド車、プリウスを乗り越えていくクルマの開発を若い人に託したい」と語り、トヨタがハイブリッド車だけでない、電気自動車などの次世代のクルマを考えていることを示唆した。

「ハイブリッド20周年」という“文化遺産”

オートモービルカウンシル2017

長い自動車の歴史の中で20年という歳月は短い方に属するのかもしれないが、プリウスが登場した時、まさか20年後にハイブリッド車がこれほどまで普及すると想像出来た人はいただろうか。

トヨタが強調していたように、確かにハイブリッド車はクルマに新しい価値をもたらし、各メーカーとユーザーの環境意識を大きく変えたことは間違いない。この20年は自動車史に残る大きな変革の時期だったと言えるだろう。

そう考えると、「CLASSIC MEETS MODERN」がテーマとしてメーカーの哲学を発表する場でヘリテージカーの展示がメインのオートモビルカウンシルに、トヨタが「ハイブリッド20周年」をテーマに選んだことに大きな意味があるように思う。1937年に創業した歴史あるメーカーのトヨタならば、他にヘリテージはあるのだから。

ハイブリッド技術はトヨタの中ですでに「ヘリテージ=先祖から受け継ぐ文化遺産」となっている証なのではないか、と思わせる展示だった。

[レポート:遠藤イヅル/Photo:小林岳夫]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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