メルセデス・ベンツ Mクラス 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本株式会社
新型のデザインは極力、旧型のイメージを踏襲する。それがメルセデスの方針
エクステリアの第一印象は現行Mクラスからのキープコンセプト。これはメルセデス・ベンツの方針なのだ。
新型のデザインは、極力、旧型のイメージを踏襲する。そうすることにより、旧型オー ナーは古いクルマに乗っている、という気持ちにならない。安心して乗っていられる=信頼感につながる。また、ひと目では旧型と分からないので中古車価格の下落も防ぐことができる=信頼感。という図式を重視している。そういえば、Aクラスも同じ手法だ。
新型Mクラスは全体にスポーティになったものの、フロントマスクからリアサイドウィンドのデザインまで、確かに現行Mクラスのイメージを踏襲している。わずかにルーフの形状が、後半部をなだらかに傾斜させ、ワゴン風にしているのが目につく程度だ。
ただし、新旧のMクラスを並べてみると、新型のほうが、軽快でラグジュアリーな感じがする。
ボディサイズは現行Mクラスよりも大きい。全長で150mm、全幅は71mm、ホイールベースも95mm拡大された。全高は5mm低くなっている。しかし、見た目にはあまり大きくなったという印象はない。
インテリアは大きくイメージチェンジしている。とくにインパネのデザインは新しい。メーターパネルや、丸型で立体的になったエアコン吹き出し口のデザインは、現行Eクラスや新型CLSのようなデザイン。新世代のメルセデスベンツの乗用車と同じコンセプトになっている。インテリアの居住空間は旧型と比較してもものすごく広くなったという印象はない。もちろん狭いということもない。リアシートは背もたれが前に倒れる方式。クッションは取り外しできる方式がオプションで設定される。
ラゲッジスペースは奥行、左右幅ともに1m以上あり、広い。内張りはモケットで、上級感がある。
エンジンは4種類用意された。この内、3機種はMクラスに初採用のタイプになる。V型8気筒の5Lは従来からのもの。残りの3機種はV6、3.5Lのガソリンエンジンと、2.8Lと3.2Lのディーゼルになる。とくにガソリン3.5Lは旧型の3.7Lエンジンを馬力、トルクともに大きく上回る性能。最高出力は272馬力、最大トルクは36.0kgmになる。ミッションはマニュアルシフトモード付の7速AT。ハンドルスポーク裏側にマニュアルシフト用のスイッチが付く。
サスペンションは3段階切り替えモード付のエアマチックとメカニカルサスが用意された。駆動方式はフルタイム4WDになる。4WD技術は4ETSトラクションシステムに降坂速度制御や2速トランスファー、デフロックなどを備え、オフロード走破性も高めている。
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