横浜ゴム 2013年新商品試乗会レポート・/日下部保雄(2/2)

横浜ゴム 2013年新商品試乗会レポート・/日下部保雄
「ADVAN Sport V105」/「BluEarth 1 EF20」/「ECOS ES31」 「ECOS ES31」 「ADVAN Sport V105」 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 従来品DNA ECOSと、新商品ECOS ES31をWET円比較している様子 画像ギャラリーはこちら

「ECOS ES31」高いバランス感覚を持ち、長く付き合えそうな性格

「ADVAN Sport V105」/「BluEarth 1 EF20」/「ECOS ES31」

DNA ECOSはヨコハマのヒット商品でもある。乗り心地とドライ/ウェットのバランス、さらにいち早く低燃費に取り組んだ成果の表れで、隠れた人気を誇り、12年間で累計3300万本ものタイヤが販売された。

そのECOSがECOS ES31に進化した。ポイントは従来のDNA ECOSが培ってきた転がり抵抗の低減とウェットの向上。もちろん、乗り心地やハンドリングなどのバランスを高いレベルで性能維持した上でということになる。タイヤラベリング制度では転がり抵抗A、ウェット性能cとなり、価格の安い量販タイヤではかなり良心的な性能である。

低燃費とウェット、そして摩耗に貢献するのはナノブレンドゴムと呼ばれる基幹ゴム技術で、それに加えてサイズごとに構造がチューニングされており、タイヤサイズより想定される荷重から最適車種とのマッチングを図っている。

転がり実験の様子転がり実験の様子

ECOS ES31のデータではDNA ECOSから転がり抵抗で11.5%、ウェット制動は14.1%向上となっているが、公開実験で発射台から車を惰性で転がす方式で図ったところDNA ECOSが67.2mに対しECOS ES31は83.7mまで距離を伸ばした。また80キロからのウェット作動(ABS作動)でDNA ECOSが34mに対してECOS ES31は30.7mの距離で停止した。これはかなり短い。

テストした車両はルノー・カングー(195/65R15)、ホンダN-ONE(155/65R14)、デミオ(175/65R14)の3機種。

乗り心地をチェックする特殊路ではダンピングの効いたスッキリとした乗り味で、段差の乗り上げ、下げでも収束は良い。

ハンドリングや高速の直進性では重心高が高いカングー、N-ONEはグリップと自然なタイヤロールとのバランスがポイントとなる。この点、ECOS ES31は適度なロールと無理のないグリップと踏ん張り感でない、破たんのない性格を持っている。また高速直進性も安定感が高く、ツーリングシーンでもリラックスしたドライブが出来そうだ。ちなみにパターンノイズも小さい。

軽快なハンドリングを持つデミオでも素直なライントレース性が印象的で、ストレスのないドライブが出来る。

ECOS ES31は量販グレードのタイヤだが、高いバランス感覚を持ったタイヤで、長く付き合えそうな性格だ。

転がり実験の様子転がり実験の様子転がり実験の様子(WET)転がり実験の様子(WET)転がり実験の様子(WET)

「ADVAN Sport V105」レーシングタイヤでも使われる技術“マトリックス・ボディ・プライ”を採用

「ADVAN Sport V105」

ADVANと聞くとハイパフォーマンスのスポーツタイヤを連想するが、実はヨコハマのグローバル・フラッグシップとしてADVANは世界に展開している。ここで紹介するのはプレミアム・フラッグシップとしてのADVAN Sportだ。ADVAN Sportの誕生は2005年のV103からだったが、今年第二世代のV105が加わり、順次切り替えられることになる。すでにメルセデスやアウディ、ポルシェなどのメーカー標準装着として採用されて欧州メーカーから高い信頼を得ている。

V105はヨコハマのプレミアム・フラッグシップだけに生産技術も含めて高い技術が投入されている。開発は日本はもちろん、欧州でも行われ、ニュルブルクリンクでもテストが繰り返され、完成度を高めていった。

AUDI RS5AUDI RS5

V105はいわゆるスポーツタイヤではない。セダンやスポーツカーが日常履く高性能タイヤであり、ドライでのグリップ、ウェットグリップだけでなく、快適な乗り心地、静粛性、そして摩耗性などの髙い次元でのバランスが要求される。

その為にV105は構造、パターン、コンパウンド、生産技術のすべてにおいて新しい技術が使われた。

ユニークなのは構造で、マトリックス・ボディ・プライと呼ばれるレーシングタイヤでも使われる技術を採用していることだ。これによって剛性を上げると同時に軽量化も図られている。サイズによってはV103に対して4.6%も軽量化することに成功している。これは当然転がり抵抗の改善に貢献する。

トレッドのコンパウンドには大量のマイクロシリカを使うことが新技術によって成功しており、温度依存性が最少になっている。

パターンはV103に対して力強さが加わった左右非対称パターンとなる。 試乗ではフラッグシップらしい、高い高速安定性を持ちながら、フットワークの良いステアリングレスポンスを実現しており、さらに足元が軽い。そしてスッキリしていながら安定性の髙さはストレスのないドライブにつながり、信頼感の髙さにつながる。実は長期にわたってV105を履いているが、燃費の向上も確実にみられている。

ウェットの低ミュウ路でのV103との比較テストでは限界速度が明らかに違い、ハンドル応答性と舵の効き、それにリアスライドの収束の良さは特筆もので、欧州メーカーからの髙い評価もこのウェットグリップの髙さもポイントになっている。

V105の実力の髙さは走る度に感じるが、今回の評価テストでも期待を裏切らなかった。

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日下部 保雄
筆者日下部 保雄

大学卒業後、モータージャーナリズムの世界へ入り、自動車専門誌をはじめ各媒体に新車の試乗レポートやコラムを寄稿。最近では、雑誌媒体のほかにFMラジオやインターネット自動車情報サイトでも活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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