横浜ゴム 2013年新商品試乗会レポート・/日下部保雄(1/2)
- 筆者: 日下部 保雄
横浜ゴム 2013年新商品試乗会
3月21日、茨城にあるヨコハマのテストコース「D-PARC」で、横浜ゴムの2013年春 新商品試乗会が開催されました。
当日は、商品説明や、新商品装着車輌による実験見学や、高速周回路、WET円旋回路等での新旧比較試乗が行われました。
今回、試乗した新商品は、今年7月に発売予定の乗用車低燃費タイヤ「BluEarth 1 EF20」、3月から発売開始したスタンダード低燃費タイヤ 「ECOS ES31」、2月から発売開始しているグローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」の3種類。
レポートをお届けするのは、AJAJ会長のモータージャーナリスト、日下部保雄サン。
それでは、早速ご覧下さい!
「BluEarth 1 EF20」軽いスニーカーを履いたような印象
ヨコハマタイヤの低燃費タイヤのフラッグシップとなるのが「BluEarth 1 EF20」で、この5月に発表されたばかりの新商品だ。
タイヤラべリング評価では転がり抵抗AAA、ウェット性能aの最高峰グレードを獲得している。タイヤサイズはプリウスに適応する195/65R 15 91Hの1サイズのみに特化しているが、その高性能ぶりはテストコースで十分に堪能できた。
使われている技術はフラッグシップだけに満載で、コンパウンドは最新のナノ技術コンパウンドを改良して、大きくウェットグリップと転がり抵抗の低減に貢献している。パターンは左右非対称でドライでのグリップとウェットの排水性を考慮したパターンになっている。特徴的なのはサイドウォールのディンプルで、ゴルフボールでも分かるように空力効果があるとされる。
ドライではしっかりした保舵を確保していると同時に、ヨコハマタイヤに共通している転がり抵抗の少なさが特に感じられる。走り出しが軽いのと同時に、スーっとどこまでも転がる感じで、軽いスニーカーを履いたような印象だ。
ハンドリングも大きな横Gをジワリとかけても腰砕け感はなく、踏ん張ってくれる。さらにスラロームのように左右にハンドルを切るようなケースでも、ハンドルの応答遅れはなく軽いフットワークをみせる。
さらに感動したのがウェット性能。従来のAAAスペックでもウェット性能はCで安心感のあるウェット性能に感心したものだが、ウェットがaになり、さらにグリップ力が高くなった。安定性が大幅に向上してウェット円旋回では限界速度が3~4km/hほど上がっている。
たかがこれだけと思われるかもしれないが、実際にはこの差は大きい。ハンドルの保舵感がかなり違うのと同時にリアグリップが高くてライントレース性が向上している。さらに低ミュー路を走るチャンスもあったが、こちらでも差は顕著だった。
BluEarth 1 EF20はヨコハマ低燃費タイヤのフラッグシップに相応しい性能を発揮する。まだ1サイズで装着できる車両が少ないのが残念だが、さらに拡大されることも十分に期待できる。
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