日産、2年ぶり営業黒字に転換
日産は12日、2009年度(2010年3月期)決算を発表した。2009年度の連結決算は以下の通りとなった。
2009年度連結決算
・売上高は、円高が販売台数増を相殺したことにより、前年同期比10.9%減の7兆5,173億円(809億2千万USドル、573億ユーロ)となった。
・営業利益は3,116億円(33億5千万USドル、23億8千万ユーロ)となった。
・経常利益は2,077億円(22億4千万USドル、15億8千万ユーロ)となった。
・当期純利益は424億円(4億6千万USドル、3億2千万ユーロ)となり、2008年度の当期純損失2,337億円から大幅に改善した。
2009年度決算は、第3四半期決算の際に発表された予想より増益となった。2008年度に対する業績改善の貢献要因としては、特に中国などの新興市場での販売台数増、世界的な金融・経済危機に対処するためのリカバリー・プランの効果的な実施が挙げられる。
社長のカルロス ゴーンは、「2009年度は極めて厳しい年であった。我々は、リカバリー・プランに基づき、業績回復に集中的に取り組んできた。危機対応の体制は依然として継続しているものの、完全回復に向けて、順調に活動を推進しており、重点戦略を犠牲にすることはない」と述べた。
2009年度のグローバル販売台数は、前年同期比3%増の351万5千台 となった。北米の販売台数は、同5.8%減の106万7千台となり、米国の販売台数は同3.8%減の82万4千台となった。日本の販売台数は同2.9%増の63万台となり、欧州の販売台数は同2.4%減の51万7千台となった。中国の販売台数は、同38.7%増の75万6千台に達した。その他地域の合計販売台数は同7.8%減の54万5千台となった。
日産は2009年度に、「インフィニティG37コンバーチブル」、「370Zロードスター」、「NV200バネット」、「フーガ」、「ルークス」、「ピクソ」、「パトロール」、「マーチ」を投入した。
2010年度の見通し
社長のゴーンは、「当社は2010年度も引き続き不安定で不確実要素の多い環境でビジネスを行っていく。しかしながら、本年度は手頃な価格でゼロ・エミッションの量産電気自動車を投入するとともに、新興市場でのプレゼンスを強化し、ルノー・日産アライアンスでのシナジーをさらに拡大していく重要な年となるだろう」と述べた。
2010年度のグローバル販売台数は、前年同期比8.1%増の380万台になる見込みである。同社は、2010年度にグローバルで10車種の新型車を投入する。今年度は、米国、日本および欧州向け「日産リーフ」、米国、湾岸アラブ諸国およびロシア向け「インフィニティQX」、米国向け商用車NVシリーズおよびコンバーチブルクロスオーバー、米国およびカナダ向け「クエスト」、日本向け「ジューク」、「エルグランド」、新型ミニバン、新型軽乗用車のほか、グローバルコンパクトカーの第2弾である手頃な価格のセダンの投入が予定されている。
日産は今年度も引き続き、売上の増大、徹底したコスト管理、フリーキャッシュフローの創出という3つの柱を軸としたリカバリー・プランを遂行していく。同社は、このリカバリー・プランを2010年度に完遂することを目指している。
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