ホンダ、新たなパーソナルモビリティ技術を開発
前後左右に移動可能な世界初の駆動機構を採用
ホンダは、人との調和を目指し、人の歩行のような前後左右や斜めへの自由自在な動きと、人の両足の間に収まるコンパクトなサイズを両立したパーソナルモビリティ技術を新開発し、試作機「U3-X」を公開した。今後は、実際の使用環境における実用性の検証を含め、研究開発を継続していく。
新開発のパーソナルモビリティ技術は、二足歩行ロボット「ASIMO」のロボティクス研究で培ったバランス制御技術と、前後移動に加えて、真横や斜めにも移動できる世界初の全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System 以下、HOT Drive System)により、身体を傾け体重移動するだけで速度や方向の調整が可能で、様々な方向に動き/曲がり/止まれるものである。また、U3-Xは乗車時の足着き性が良く、目線の高さを歩行者同等とするなど、乗る人と周囲の人に優しい、コンパクトなサイズの一輪モビリティとした。
このU3-Xは、10月24日より幕張メッセで開催される「第41回東京モーターショー2009」に出展する予定となっている。
■主な特長
「人が歩くような自由な動き」
1)「ASIMO」の研究で培った、バランス制御技術を応用した車体制御
体重移動による車体の傾きを傾斜センサーで検知し、どの方向にどの程度の速度で移動したいのかを判別。そのデータに基づき、傾きを回復させる緻密な制御を行い、なめらかで機敏な動きと、体重移動だけの簡便な操作性を実現した。
2)HOT Drive System(全方位駆動車輪機構)
複数の小径車輪を一列につなぎ合わせて構成した大径車輪を、前後左右や斜めに駆動できる独自の車輪機構を世界で初めて開発。車輪をモーターで制御し、大径車輪を動かすことで前後移動、小径車輪を動かすことで左右移動、2つそれぞれの動きを組み合わせることで斜め移動が可能な車輪機構を新開発した。
「人の両足の間に収まるサイズ」
3)コンパクトで革新的なパッケージ
上記の技術を組み合わせることで、一輪スタイルのコンパクトで革新的なパッケージを実現。さらに、本体に収納できる折りたたみ式のシートやステップ、ボディカバーがフレームの機能を兼ねる軽量なモノコックボディの採用により、持ち運び時の利便性を高めている。
■試作機主要諸元
全長×全幅×全高:315×160×650(mm)
重量:10kg以下
バッテリー形式:リチウムイオン電池
走行可能時間(フル充電時):1時間
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