日産、こども自動車「ダットサン・ベビイ」を再生

「ダットサン・ベビイ」

日産は、1964年から翌年にかけて、神奈川県・横浜市にある「こどもの国」へ100台を寄贈した、こども自動車「ダットサン・ベビイ」の現存車1台を、2015年の「こどもの国」開園50周年を機に再生し、同園の50周年記念イベント等への活用を開始する。併せて、「こどもの国」と協力し、同園の開園50周年にちなんだ写真展と、同車の展示イベントを日産グローバル本社ギャラリーにて3月28日より開催する。

今回再生した「ダットサン・ベビイ」は、1965年にオープンした「こどもの国」のために日産が専用に設計・開発し、100台寄贈した車両のうちの100号車にあたるクルマで、同園内に長年保存されていた車両。当時日産は、車両の寄贈のみならず、自動車交通教育の教材提供、こども自動車専用走行コースの監修も併せて実施した。

「こどもの国」は、皇太子明仁親王殿下(現在の天皇陛下)・美智子妃殿下のご成婚に併せ、「次世代を担うこどもの健全育成のための、児童福祉法に基づく児童厚生施設」というコンセプトの下で1965年5月5日に横浜市郊外の広大な敷地にオープンした、こどもたちのための画期的な施設。こども自動車の寄贈は、日産が同園の設立意義と社会的使命に強く共感して実現したもの。

「ダットサン・ベビイ」は、「こどもの国」のグランドコンセプトの中で「こどもたちに本物の自動車交通教育を提供する」という役割を担った。当時、愛知機械工業から市販されていた200cc・2人乗りのユーティリティトラック「コニー・グッピー」をベースに専用設計し、こども用の自動車として、当時類をみない本格的な構造を持つ車両として誕生した。

「ダットサン・ベビイ」

「ダットサン・ベビイ」の主な特徴

・フロントにダブルウィッシュボーン形式を採用した、レーシングカーのような4輪独立サスペンション

・日本初の国産トルクコンバーター(トルコン)を実用化したメーカー(岡村製作所)製のトルコン付トランスミッション

・時速30km/hでカットオフするスピードリミッター

・当時の現実の交通法規要件に適合したランプ類

・スプリングを利用したハンドルのセルフリターン機構

・スポーツカーのデザイントレンドを巧みに取り入れた魅力的なスタイリング

日産テクニカルセンターの社員が9ヶ月以上かけて再生!

今回、同車の再生を手掛けたのは、日産テクニカルセンター(NTC)に勤める研究開発部門の現役社員を中心に活動するボランティア組織「日産名車再生クラブ」。

同クラブは、かつての名車に採用した技術の伝承や自動車文化の継承・発信を目的に2006年の発足以来、毎年1~2台の歴史的車両を再生し続けており、この「ダットサン・ベビイ」は10台目の再生車両となる。「ダットサン・ベビイ」の再生にあたって同クラブは、他の車両再生と同様に当時の仕様を綿密に調査し、劣化した部分を丁寧に再現した。更に、各サプライヤーの協力も得ながら、休日での作業を9ヶ月以上続けて完成に至った。

今回再生した車両は、今後1年間の予定で「こどもの国」の50周年イベントなどで展示・活用される。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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