アウディ、「R8 e-tron」がニュルブルクリンクにて、電気自動車における世界記録を樹立
ニュルブルクリンクを8分09.099秒で周回
アウディが年末に発表する予定の電気自動車「アウディ R8 e-tron」が、全長20.8kmのニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)で、EVでは新記録のラップタイム8分09.099秒を樹立した。
ちなみに、内燃エンジン仕様の最速タイムは7分11.57秒。グンパートアポロスポーツのマシンで515kW(700PS)のアウディV8ガソリンエンジンが搭載されていた。
「アウディ R8 e-tron」に搭載される電気モーターの最高出力と最大トルクは、それぞれ280kW、820Nmであり、発進直後からリヤホイールに4,900Nmを超えるトルクを伝達する能力を持っている。
電気駆動システムは、年末に市場投入が予定される量産車と同一モデルで、100km/hをわずか4.6秒で加速する。通常は最高速度が200km/hに制限されているところ、今回の記録更新では250km/hまで許容されていたとのこと。
搭載されるリチウムイオンバッテリーは49KWhのエネルギーを蓄える能力を持っており、約215kmを走行することが可能。さらに、バッテリー形状を「T型」として、乗員コンパートメントとリアクスル間のセンタートンネルに搭載する。
コースティング(惰性走行時)および制動時には、エネルギー回生による充電が行われる。
超軽量ボディは、アルミニウムを主要素材として、一部にカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)が使われている。この超軽量コンセプトにより、大きなバッテリーを搭載しながらも、車両重量は1,780kgに抑えられている。
新記録を樹立したレーシングドライバーのマルクス ヴィンケルホック氏は、「今回のR8 e-tronはあくまで量産モデルであり、レーシングカーのような空力のアシストはありません。しかし、低重心化とリヤ寄りの重量配分により、非常にスポーティなキャラクターを発揮してくれました。電気モーター特有のトルク特性のおかげで、上りでは今まで体験したことのない加速フィールが感じられました。スタート時にも、ほとんどノイズが出ないのですから、まったく新しい経験でした。トラクションが必要なセクションでは、トルクベクタリング(駆動輪間でトルクを最適配分するシステム)の効果に大いに助けられました。」とコメントしている。
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