三菱自“エコカー専用”第三工場・自動車専用船 積み込み見学レポート/松下宏(3/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:三菱自動車工業株式会社
第三工場の後は、ラムチャバン港に停泊している自動車専用船の見学へ
三菱の第三工場を見学した後、すぐ近くのラムチャバン港に停泊している自動車専用船を見学するために埠頭に移動した。この日はちょうど、日本郵船の子会社が運行するビクトリー・リーダーが車両の積み込みのために停泊していて、その中を見学させてもらうことができた。
輸出埠頭や自動車専用船を見る機会は何度かあったが、船内に入り中から積み込みの様子を見られる機会は少ない。これは私にとっても初めての経験で、今回はその機会へと恵まれた。
ビクトリー・リーダーには4,900台ものクルマを積み込むことができるが、なんとこの台数を1日で積み込んでしまうという。この船はアジアから中近東を中心に運行されていて、途中の港でクルマを陸揚げしたり場合によっては追い積みしたりしながら各地の港を回っているという。
この日はちょうどトライトンの積み込みの様子を見ることができた。ストックヤードに置かれたトライトンは、6名1組のチーム(ギャングと呼ぶ)によって船内に運び込まれ、船内で受け渡しをして6名がクルマでストックヤードに戻っていく。
積み込みには、熟練ドライバーの技が見事な技が光る
船内ではたくさんのクルマを積めるように左右10cm、前後30cmまで間隔を詰めて積載していく。陸揚げ港でクルマを降ろしやすいように、積み込むときはバックで積む。ドライバーが一人でこの間隔にまで詰めていくのではなく、指示者が手振りと笛で合図してきっちりと駐車していく。
ミラーもたたんだ状態でクルマを動かすのは熟練ドライバーのなせる技であり、それは見事なものだった。
駐車したクルマはベルトで床のフックに固定されるが、しっかり固定されるので海が大荒れになっても左右10cmの間隔でぶつかるようなことはないという。左右間隔に比べて前後間隔が30cmと広めにとってあるのは、フックを外すときに大柄な人でも体が入るようにという配慮からだそうだ。
ちなみに船内は天井が低く抑えられているが、大型トラックなどを積み込むときには天井というか、床というかを動かして高さ調整することもできるという。いろいろな意味で、徹底した効率化が図られていた。
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