森脇基恭/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」(3/3)

森脇基恭/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」
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テレビで話すときにいつも困るのが「F1の凄さ」を伝えること

―海外のお話が出ましたが、森脇さんと言えばF1の解説としてもすっかりお馴染みですね。何かF1に関して思われることがあるとか。

日本でのF1の評価は、とても低いと感じますね。NHKや3大新聞で取り扱ってくれるようになれば、F1ももっと普通のスポーツとして認識されるようになると思うんですけどね。

競技の性格上なかなか人間のスポーツだって感じもないし、メーカーは自分たちのクルマがいいから速いんだ、という間違った認識をしてる。そこら辺が改まるともう少し評価も上がると思うけどね。

―先程お話された問題点が、F1にも当てはまるわけですね。

ゴルフで例えれば、石川遼くんとオジさんたちは、同じ場所でプレイすることが出来るわけです。だから遼君の凄さが普通のおじさんでもわかるでしょう?『このバンカーからチップインバーディか、すごいな』と。だけどF1ドライバー、F1のすごさはなかなか分かってもらえない、だから僕はいつもテレビでお話するときに困ってるんですよ。

なぜならばクルマに乗る99%の人がタイヤを軋ませて走ったことも、カウンター切ったこともないんです。だからF1の世界でドライバーが運転している最中、3Gも4Gも受けながら走っている中でクルマにどういう現象が起こっているのかが理解してもらえないんです。

―また上手な人のオンボード映像は、一見いとも簡単に操作しているかのように見えてしまうんですよね。

そう、昔シューマッハがどうして速いのか、と聞かれて「彼は未来が予知出来るからです」と答えたことがあるんです。シューマッハはハンドルを切って、テールが流れる1000分の1秒前くらいに、それが分かるんですよね。だから彼は速かったんですよ。

―とはいえその昔、日本でもF1のチケットが定価の42倍で取引されたような時代があったじゃないですか。

そう、それはセナというスターによってね。だからって当時F1を観ていた人がクルマを分かっていたかっていうと、そうではなく、単に一人のスターの存在が人気をそこまで押し上げたんです。

―では、手っ取り早くF1に、またモータースポーツにスポットライトを当てるには、スターの誕生があれば可能性は高まる、ということにもなるでしょうか。その“スター”に、小林可夢偉選手はなれますか?

うん、彼はこれまでの日本人選手にないものを持ってるね。それはすごくいいと思います。彼はチームやエンジニアが考えた、『今はこのラップタイムで走らないとピットアウトしたときに間に合わないぞ』というタイムレースのときにでも、言われたとおりにきっちり出来る。

それは彼の精神力の高さですよね。そういうのを評価されてルーキーオブザイヤーを獲得したんでしょうね。彼は頭がいいです。スポーツマンはやっぱり、頭がよくないとだめですね。自分をいつでも俯瞰で見られる冷静さがあるということは、頭の良さに繋がりますから。

―ご自身のチームのドライバーも、そういう目線で選んでらっしゃるんでしょうか。

というより、そういうことを一生懸命に教えてるんだけど、出来るか出来ないかは本人次第なんですよね。実際僕が18歳のときのことを考えたら、やんちゃだったし無茶だったし、人の話なんてなんにも聞かなかったから、コイツらも聞いてないんだろうな、とは思うんだけれどもね(笑)

天才アスリートっていうのはお爺さんの頭脳に若者の身体を持っているものだと思うんです。そうすれば賢いプレイヤーになれると思うんですよ。アロンソが素晴らしいプレイヤーなんだけど、彼はそれが出来るんだよね。そういう選手を育てたいな、とも思いますね。

今井優杏の「取材後記」

ノバエンジニアリング取締役 森脇基恭氏

メルセデスからF1まで、たくさんのお話を聞かせて下さった森脇さん。その豊かな知識と話題の豊富さに、時間を忘れての取材となってしまいました。

そんな森脇さんへの印象はズバリ、“粋”!お洋服のセンスもすごく素敵で、美声と笑顔に癒されてしまいました。きっとどのオープンカーに乗られても、ビシっとキマってらっしゃるんでしょうね。私的には206CCに乗られた森脇さんのお姿を拝見したかったです。

また、取材後にはノバエンジニアリングの工場内も解説していただきました。CADを使っての設計やカーボンの成型など、興味深いものばかり!ノバエンジニアリングの皆さん、ありがとうございました!

ノバエンジニアリング

http://www.nova-eng.co.jp/

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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