日本にない日本車 「アキュラ」 ~2012年登場、第2世代『RDX』~/桃田健史(1/2)

日本にない日本車 「アキュラ」 ~2012年登場、第2世代『RDX』~/桃田健史
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驚くほど、ラグジュアリー路線へ進化したアキュラ 新型「RDX」

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アキュラ新型「RDX」を米LA周辺で流した。

まず、筆者が以前住んでいたレドンドビーチを目指す。

パシフィック・コースト・ハイウエイ、地元ではPCHと呼ぶ海岸線の一般路。60年代~70年代の古き良きアメリカを感じられる街並みが続く。走行中のお供には、サテライトラジオ・シラスXmのチャンネル015/「スタジオ54」をチョイス。70年代ダンスミュージックの特徴、管楽器とシンセサイザーの連奏が心地良い。

トラフィックライトがグリーンになる度、アクセルをほんの少し、踏み込んでいる量は1cmほどか。それでアクセルホールドするだけで、車体全体に3.5リッター・V6(273hp)のズシーンとしたトルク感が充満。周りの車の流れを飛び越えるように、グングンと加速する。ステアリングフィールは、しっとりと重め。さらにブレーキフィールも、減速加速度の発生が穏やかだ。そして、SH-AWDはさらに熟成され、クルマの動きに違和感がない。

こうして上質なインテリアのなかに、身を置いていること自体が快感になる。

“いやぁ~、ここまでラグジュアリーになっているとは”

久しぶりに乗った「RDX」の変化に、心底驚かされた。

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思い切ったスポーティ路線からラグジュアリー路線へ

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その後、ホンダ・アキュラの北米営業本部があるトーランスを経て、フリーウエイ405で南下。乗り心地のチェックで、同110号線でエルセグンドを抜ける。そしてパロスバーデスのワインディング路へ。これが、筆者がLA周辺で試乗インプレするお決まりのルート。

実はこのルート、数十年前に、某日系自動車メーカーの実験部関係者に教えてもらったものだ。いまでも、日系、米系、そして欧州系メーカーの多くがこのルートの一部で走行実験をしている。今回もミシガン州ナンバーのコンパクトクーペ覆面車に遭遇した。

こうした一連の走行のなか「RDX」は終始、ラグジュアリーだった。

“初代RDXの、あの走りを考えると、本当に驚くべき変化だな”そう思った。

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アキュラは2000年代初頭、ミッドサイズSUV「MDX」をヒットさせた。その弟分として2006年登場したコンパクトSUVの「RDX」。その商品方向性は、『思い切ったスポーティ』だった。初代「RDX」発売当時、筆者は今回と同じルートでテストした。

その時の感想を、いまでもシッカリと覚えている。

それは『史上空前のレーシー感覚のSUV』

2.3リッターターボ(最大出力243hp)のタービン音、アクセルオフ時の排圧音が車内にこだました。サスはがっしりと締め上げられ、ステアリングギア比はかなりクイック。 ガッシリした車体をSH-AWDが積極的に動かす、なんとも尖ったセッティングだった。

こうした「RDX」のラグジュアリー化は、1モデルだけに止まる話ではない。 アキュラブランド全体が2012年を起点に、大きく変わろうとしているのだ。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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