日本にない日本車 「アキュラ」 ~2012年登場、第2世代『RDX』~/桃田健史(2/2)

日本にない日本車 「アキュラ」 ~2012年登場、第2世代『RDX』~/桃田健史
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新型「NSX」登場へのお膳立て?

アキュラ MDX

2012年9月21日(金)、東京・青山のホンダ本社で開催された社長会見。その席で公表された中期経営計画で「今後3年間でアキュラの全モデルを一新する予定」と、伊東社長は明言した。

そして、2012年11月28日(水)、米LAオートショーのプレスデー初日。アキュラの最上級セダン「RLX」の量産車が世界初公開された。

アキュラ MDX

ライバルBMW7シリーズを意識した上級なロングボディ。前後ライトにLEDを配した、斬新な顔つき。後席はフラットな座面でクラス最大のスペースを実現。パワートレインはFFで改良された3.5リッター・V6(310hp)だ。

そして同車最大のウリが、2013年後半発売予定のスポーツハイブリッドSH-AWDだ。これはフロントの3.7リッター・V6+モーターのほかに、後輪それぞれをモーター駆動させ、合計3つのモーターを積むハイブリッドだ。

アキュラ TL

このユニットが車体の前後で入れ替わって搭載されるのが、2015年までに量産予定の 新型「NSX」である。

アキュラは2012年3月の米ニューヨークモーターショーの際、「今年は変化が始まる年」と発表していた。その通り、春に「ILX」、5月に新型「RDX」、そして今回のLAで「RLX」が登場したのだ。

さて、2012年12月現在、アキュラの全モデルは次の通りだ。

アキュラ TSX

「ILX」「TL」「RLX」「TSX」「RDX」「MDX」「ZDX」の7車種。

これらを個別に見ていくと「IRL」とは、シビックのシャーシをベースにした4ドアセダン。パワーユニットは2.0リッター(150hp)、2.4リッター(201hp)、そして1.5リッターハイブリッド。

「TL」はDセグメントセダン。直線的なカットラインの風貌で、近未来的なイメージを受けた。ライバルBMW3・5シリーズから多くの顧客が現行TL登場を機にアキュラに流れた。ラインナップは、3.5リッター・V6(280hp)のFFと、SH-AWD搭載の3.7リッター・V6(305hp)。 登場時期は2009年。それから6年周期、フルモデルチェンジは2013年~2014年が妥当だ。

アキュラ ZDX

「TSX」はCセグメントセダン/ワゴン。日本の「アコード」がベースで、パワーユニットは2.4リッター(201hp)。セダンのみ3.5リッター・V6(280hp)がチョイスできる。 こちらも「TL」同様に2009年誕生であり、2013年~2014年のフルモデルチェンジが期待される。

SUVでは、今回試乗した「RDX」の上に、「MDX」。3.7リッター・V6(300hp)。さらにその上、同ユニット搭載のクロスオーバーモデルとして、BMWX6をライバルとする「ZDX」がいる。この衝撃的なデザインフォルムに一目惚れしてしまい、衝動買いするアメリカ人も少なくない。「MDX」は2006年登場のため、2013年頃にフルモデルチェンジか。「ZDX」は2009年登場でフルモデルチェンジは2013~2014年が予想される。

こうして全モデルの動向を再チェックしてみると、2012~2014年にかけてフルモデルチェンジが続く。そして、モデル一新の締めくくりのタイミングで、新型「NSX」登場というシナリオである。

アキュラ、日本登場は本当にあるのか?

アキュラ RDXアキュラ RDX

5年程前、ホンダの国内市場担当役員は「アキュラ日本導入」を公言していた。 ところが・・・。

あのリーマンショックは、ホンダの世界戦略を一変させた。

さらに、リーマンショック後の新興国各地で、市場の風向きが少しずつ変わっていった。

中国では日米欧韓、そして中国地場メーカーとの間で競争が熾烈に。ロシアを含めた欧州では、ホンダ四輪事業全体が伸び悩んだ。

日本ではミニバン&軽自動車、そして日本特有のハイブリッド車市場への特化が進んだ。

こうした変化のなかで、アキュラのポジショニングが模索され続けてきた。

アキュラは1986年、北米生まれだ。北米で絶大なる人気を誇るホンダブランド、その拡張路線として登場。80年代~90年代、アキュララインナップはけっして、「ホンダの高級車」ではなかった。ラグジュアリー路線ではなく、あくまでもスポーティ性を前面に押し出していた。エントリーモデル「RSX(インテグラ)」が若者層にも受けた。

だが、アキュラの成功を追うように登場した、レクサス、インフィ二ティ。さらには、メルセデス、BMWが北米特化のSUV攻勢をしかけてきた。また、キャデラックはFRの走りの良さを強調、リンカーンがアメリカン・ ヘリテージ路線のラグジュアリーで押し迫ってきた。

アキュラ RLXアキュラ RLX

アキュラ登場以来の歴史、そして主力市場のアメリカでの競争激化、さらにリーマンショックを経て変動が加速する世界市場。

そうしたなかで、ホンダ経営陣としては「日本へのアキュラブランド投入の封印」を余儀なくされた。

だが、再び時代が変わり始めている。

その新たなるトレンドのなか、2015年新型「NSX」を目指した、ラグジュアリー路線でのアキュラ・フルラインアップ化が進行しているのだ。

最近、日本の経済メディアでは「アキュラ日本導入か」という記事が見受けられるようになった。

新型「NSX」の日本導入は決定している。同車は全数アメリカ・オハイオ生産になり、日本に輸入される。このタイミングで、アキュラ日本導入があるのだろうか・・・。

ちなみに、今回の「RLX」記者発表の際、ホンダ関係者は「日本ではレジェンド後継の登場を公言しているが、RLXがそのまま日本に導入されるかどうかは、分からない」という。

やはり、新型「NSX」をキッカケとして、「RLX」を含むアキュラブランドが日本に登場するのだろうか?

日本を含め、世界市場でいま、アキュラ大改革が進行している。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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