エンジンブレーキの多用はエンジンに悪い?
- 筆者: 清水 草一
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
通常の範囲であれば、エンジンブレーキがエンジンの負担になるということはないので、気にせず使用して大丈夫です。
ただ、MT車でのサーキット走行時、エンジンが回転の上限(レッドゾーンの境目)を超えてしまったとしますね。その場合は、アクセルONで超えた時より、シフトダウンで超えてしまった時の方が、エンジンの負担は大きいと言われています。
アクセルを踏んでいる時は、エンジン全体が回ろう、回ろうとしていますが、アクセルOFFでは、回りたがっていないものを急に高い回転でムリヤリ回すことになるからです。
と言っても、現代の乗用車のATには安全装置がついているので、エンジンの回転数は決してレッドゾーンを超えることはありません。その点は心配無用です。また、通常の範囲ならば、エンジンブレーキがエンジンの負担になったりもしません。
ただ私は、日常的にエンジンブレーキを多用する運転は、同乗者にとって心理的なストレスになると考えています。
ATをDからSにすると、多少はショックが来ますし、エンジン音も「ブイ~~ン」と大きくなりますよね。しかもドライバーは、まだブレーキを踏んでいなかったりする。同乗者は、ちゃんと止まれるのかな、大丈夫かなと、少し心配になります。
それよりも、通常はシフトダウンによるエンジンブレーキは使わず、前車の動きをよく見ていて、アクセルOFFだけの軽いエンジンブレーキで速度を調整した方が、ずっとジェントルな運転になります。
そして、フットブレーキを踏む時は、高速エレベーターが徐々に減速するように、減速Gの変化が出ないようスムーズに止まる。魔法の絨毯を運転しているような気分で!これが一番エレガントです。
極力フットブレーキを使わない理由は、恐らく、「よりスムーズな運転をしたい」「運転が上手に見られたい」あるいは「ブレーキパッドを減らしたくない」かと思います。しかし現実には、そういう運転は、同乗者にとってはあまりスムーズではありません。
ブレーキパッドは……。うーん、エンジンブレーキの多用よりも、無駄な加速を抑えた方が、パッドだけでなくガソリンの節約にもなります(笑)。
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