ボルボV90クロスカントリーで東京から試される大地”北海道”へ。1400km、グランドツーリングの旅:前編(1/3)

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:佐藤正巳,茂呂幸正

編集部新規加入のための通過儀礼? ボルボでのロングドライブが始まる

ボルボは、生活をともにするクルマという印象がある。ライフスタイルの中に取り入れて使い込んでいくことで、パートナーや家族の一員という位置づけになるブランドなのだと思う。そんなボルボから、「北海道まで走りませんか?」というオファーがきた。

ちなみに旅程はというと、初日は東京から青森港まで走り、フェリーで函館へと渡って1泊。2日目は函館をスタートして北海道内を自由に走り、最終的には夜に新千歳空港でゴールというもの。最短ルートで計算しても1100kmを越えるロングドライブ。飛んでしまえばわずか2時間程度の東京→北海道・新千歳空港間を、1泊2日で走り切ろうというこの企画。ボルボの真価が問われるとともに、ドライバーの資質も問われる旅だ。今回ステアリングを握るのは、編集部に新たに加わった副編K。T編集長から「北海道行ってきて、ボルボで」と極めて簡単な説明だけを受け取った僕は、このロングドライブをオートックワン編集部員になるためのイニシエーション(通過儀礼)だと認識して、走り出すことにした。

借り出したのは、ボルボのフルサイズステーションワゴン、V90クロスカントリー D4 AWD Summum。XCシリーズのラインアップが充実したおかげで、すっかりSUVブランド的な立ち位置になっているボルボだが、850やV70といったステーションワゴンで一世を風靡した時代を見てきた世代(つまりはオッサン)である副編Kにとっては、ボルボ=ワゴンのイメージが強い。ついでにいうと、過去には日産 セフィーロ ワゴン(『お元気ですか?』の次のFFベース)、アウディ オールロードクワトロ(初代)、VW パサートR36と乗り継いだこともあり、ステーションワゴンは個人的にも大好物。

まずは青森港までの中間地点である仙台を目指した。とくに目的があるわけではないが、なんとなくお昼に牛タンでも食べようか、と思ったのがその主たる理由。行き当たりばったり感は否めない。ちなみに試乗車は、以前編集部でテストした車両と同じ個体。当時よりも走行距離が伸び、いわゆるアタリがついて各部が馴染んだようで、乗り心地はとても滑らかな印象だ。

ゆったりとした走りと包み込まれるような安心感

首都高速を駆け上がって、継ぎ目だらけの5号線から大橋ジャンクションのループを抜け、C2へ。程よく遮音が効いていて、アイドリング時にはそれなりに聞こえてきていたD4の直噴ディーゼルターボエンジンが発するガラガラとした音があまり耳に届いてこない。長距離を走るとさまざまなノイズを長時間に渡って聞き続けることになる。そしてその音で疲れてしまうことがあるが、風切り音も含めてV90クロスカントリーは心地いい空間音の作り方をしているようだ。V90よりも車高が55ミリ上がっていることもあって、たっぷりとしたストロークでサスペンションがよく動く。ドライブモードは「コンフォート」を選択し、ステアリングを東北道へと向けた。

D4に搭載される直列4気筒2リッター直噴クリーンディーゼルターボエンジンは、190PS/400N・mを発揮する。1870kgの車重に対して絶対的なパワー感はないが、低回転域からの十分なトルクで遅いと感じることはない。もう少しパンチがあってもいいとも思うが、V90クロスカントリーのどこかしら優しく包みこむような乗り味にはこの特性がマッチしているだろう。100km/hでわずか1500rpm+アルファというエンジン回転数だから、車内は平和そのもの。フラットで凪いだ水面を進んでいく船のように滑らかに走っていく。トルクを発揮する回転域に入れておけば、ストレスはほぼ皆無だ。

今回のロングドライブでは、東北地方や北海道内で雪道を走ることが想定されていたため、タイヤはコンチネンタルのスタッドレス(バイキングコンタクト6)に交換されていた。そのこともあり、路面とのコンタクトはサマータイヤよりも柔らかめ。しかし腰砕け感はなく、高速性能に優れた欧州スタッドレスの剛性感と、V90クロスカントリーのサスペンションがよくマッチングしているように思う。

先行する車両を追従して速度を保つアダプティブクルーズコントロールに加えて、車線にあわせてステアリング操作をサポートしてくれるパイロットアシストを機能させれば、ドライバーの負担は圧倒的に軽減される。走りなれない高速道路は、いつも以上の気遣いが必要になる。だからこそ、クルマに任せることができることは任せてしまうのがいい。朝焼けのなか北上するクルマの流れに乗って、V90クロスカントリーは仙台へと滑るように走っていく。

筆者は、普段でもあまり高速道路では休憩を挟まず、行けるところまでノンストップで走って行ってしまうタイプなのだが、今回はV90クロスカントリーの性格もあって、まさに仙台まで一気に走り切ってしまいそうだった。しかし同行するカメラマンの要望もあり、パーキングで適当に休憩を挟むことにした。何の気なしに入ったのは阿武隈PA。松尾芭蕉の旅から300年を記念した石碑があり、『是よりみちのく』の文字に旅情を覚える。酪王カフェオレもお約束だ。

ボルボ/V90クロスカントリー
ボルボ V90クロスカントリーカタログを見る
新車価格:
924万円924万円
中古価格:
257.1万円836.4万円
ボルボ/V90
ボルボ V90カタログを見る
新車価格:
924万円1,109万円
中古価格:
170.1万円786.5万円
1 2 3 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ボルボ V90クロスカントリーの最新自動車ニュース/記事

ボルボのカタログ情報 ボルボ V90クロスカントリーのカタログ情報 ボルボの中古車検索 ボルボ V90クロスカントリーの中古車検索 ボルボの記事一覧 ボルボ V90クロスカントリーの記事一覧 ボルボのニュース一覧 ボルボ V90クロスカントリーのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる