ボルボV90クロスカントリーで東京から試される大地”北海道”へ。1400km、グランドツーリングの旅:前編(2/3)

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:佐藤正巳,茂呂幸正
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下調べせずに気の向くまま。そんな旅もまた楽しい

郡山、二本松、福島と、東北道は比較的にアールのきついコーナーが続く。しかしV90クロスカントリーは安定の2文字。ボルボ・カー・ジャパンが用意してくれたオリジナルのCDが耳に心地よく、男二人ということを除けば、何の不満もない至極快適なドライブが続く。ちなみにこの試乗車にはオプションとなるBowers&Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステムが装着されていた。19個ものスピーカーと1400Wに及ぶパワーアンプにより、圧倒的な臨場感で聴かせることもできれば、耳に心地いい空間を作ることも可能なシステムだ。長旅のお供としては最高の環境と言えよう。

しかしさすがに暇なので、再び休憩することにした。高速道路上のサービスエリアやパーキングだけでは味気ないので、2回目の休憩は菅生サーキットのある村田ICから出てすぐの道の駅村田へ。途中で降りても距離割引は継続できるETC2.0の恩恵がうれしい。のんびりとした空気感が漂うなか、地元の農家の方たちが持ち寄った野菜などを眺めつつ小休止。

再び東北道へと戻り、仙台を目指す。村田インターから仙台インターまでは上り下りも多く積極的に操る必要が出てきた。V90クロスカントリーは、長いホイールベースで直進性は強い。しかし決して回頭性が鈍いわけではなく、ナチュラルなハンドリングで走り続けることができた。コーナーやアップダウンでリズムが崩れないから、ロングドライブでも疲労が少なくてすむ。ドライブモードも東京からずっとコンフォートに入れっぱなしだが、とくに不満はない。やがて無事に到着した仙台だったが、実は肝心の牛タン屋は早くても午前11時の開店の模様。またしても下調べしていない行き当たりばったりが露呈した。開店まではまだしばし時間がある。どうするか…。

ふと頭によぎったのは、青森・八戸のお店。カメラマン氏にこんなのもありますよと「ヒラメ漬け丼」の写真を見せたところ、「牛タンは別の時でもチャンスはある。コッチだっ!」と即決、進路変更と相成った。あと30分もすれば開店しそうな牛タン屋を捨てて、なんと八戸まで行くことになったのだ。半年ほど前ボルボXC60で金沢~東京間を旅をした飯田裕子さんは、『気ままな旅は腹時計に支配されているのである(苦笑)』との名言を残したが、この時点ではまだ我々の腹時計に余裕があった。仙台から八戸までは310km。八戸から青森港までは90km。つまり現在11時前で、残り時間は5時間半、距離にして約400kmを残している。ちなみに直接青森港へ行くとすると、360km。わずか40kmの遠回りなら全然問題はない。と、この時点までは思っていた。

長い長いドライブの末にたどり着いた感動の昼ご飯

そうと決まれば、東北道に戻ってさらに北へ向かおう。北上を続けると制限速度が110km/hに引き上げられた試験区間がやってきた。花巻南インターから盛岡南インターまでの約27km、アダプティブクルーズコントロールを引き上げ、流れに合わせて走っていく。わずか10km/hのプラス、速度域の高い欧州生まれのボルボにとってはまるで影響がなく、むしろ快適。単調な風景が続くなか、左手には南部富士とも呼ばれる岩手山が姿を現した。二つの火山が繋がって成立した岩手山だが、まだその活動は続いているという。

岩手山から連なる奥羽山脈を横目に見ながら、安代ジャンクションで八戸自動車道へ乗り換える。道は太平洋に向かって山あいを抜けていくワインディングで、とても楽しい。まず二戸(にのへ)が現れる。続いて一戸(いちのへ)。青森はいったい何戸まであるのだろう? なんてことを考えながら走っていたら、急に視界が開け八戸市に到着した。

我々が目指す「みなと食堂」は八戸線陸奥湊駅のそばということで、八戸の市内を抜けていく。営業時間は朝6時から午後3時までという朝型のお店。時計を見れば、もう午後2時になるところ。可及的速やかに到着してヒラメ漬け丼にありつかなければ!

ちなみに八戸線は、青森県八戸駅から岩手県久慈駅を結ぶ、三陸海岸の風景を楽しめる営業距離64.9kmの路線。鉄分多めのロケ地マニアであるT編集長ならば、ヒラメ漬け丼を食べたあとに、八戸線に乗って朝の連ドラ『あまちゃん』の舞台である久慈へと向かうだろう。そんなルートもアリだが、我々は青森港17時05分発の函館行きフェリーに乗らなければならない。というわけで、みなと食堂に滞在できる時間はわずか20分程度。大急ぎでヒラメ漬け丼とせんべい汁セット(1350円・税込み)を掻き込んだ。

ここでちょっとだけ食レポしようと思う。ヒラメ漬け丼は、タレに漬け込むことでうま味と艶の増したヒラメの切り身がギッシリと並び、中央にはぷっくりとした卵黄が載せられている。「下のほうにタレが溜まっているから、よく混ぜて食べてね」という店員さんのアドバイスに従って、美しく並ぶヒラメの切り身を崩すのはもったいないけれど、ワシワシと混ぜてから口へ。ヒラメの甘さとねっとりとした舌ざわりがなんとも絶妙。アクセントにワサビを添えてあり、甘さのなかにちょっとピリッとした感覚もあり、至福この上ない。

いっぽうのせんべい汁はというと、シンプルで素材の味が前面に出ており、野菜の滋味が広がる感じ。ふやけた南部せんべいの触感も楽しい。これまた至福。時間がないということもあったが、あっという間に完食してしまった。ああ、仙台の牛タンをパスしてまで来た甲斐があった。

壁には、4種の素材を使った四合せ丼(しあわせ丼)や、平目えんがわ半々漬け丼、いちご煮(ウニの吸い物)などなど、気になるメニューがずらり。でも時間が…。また何らかの理由をつけて必ず再訪しようと誓い、後ろ髪を引かれながらみなと食堂を後にした。

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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