ボルボ 新型V60海外試乗レポート|デザイン良し、走り良し、安全良しの北欧ワゴンに”辛口評論家”納得!
- 筆者: 国沢 光宏
- カメラマン:ボルボ・カー・ジャパン/国沢 光宏
ドイツ勢と正面切って戦える新世代ボルボの魅力
クルマ選びの基準は人によって大きく違うと思うけれど、
傾向として
1)カッコ良いこと
2)安全性能
3)走りは、絶対的な性能というより、上質であること
4)当然ながら価格
といったあたりの総合評価になってくるんじゃなかろうか。
燃費は車両価格が低いほど重要で、高額車になればおおらかになる。
といった総合性能で高い点数を取っているのが最近のボルボだと思う。中でもXC90から始まった新世代モデルは、メルセデス・ベンツやBMWに代表される老舗ブランドと真正面から戦っても勝てるほど。XC90より安価なXC60が出るや、日本カー・オブ・ザ・イヤーまで獲ってしまった。さらにフレンドリーな価格設定のXC40は、すでに年内納車が難しいという状況。
グローバルでも注目の価格帯になりそう
そんな状況の中、ヨーロッパで新型V60を発表した。日本にも今秋入ってくるという。価格はまだアナウンスされていないけれど、389万円スタートのXC40と、599万円スタートとなるXC60の中間だと思う。
この価格帯、輸入車の中では最も注目されている。ボルボV40やVWゴルフからのアップグレードや、メルセデス・ベンツ Cクラス、BMW 3シリーズだと狭いというようなユーザー層からすれば、ピッタリの存在。
何より事故防止性能を含めた安全性からすれば間違いなく世界一だという点も魅力になる。
ボルボ 新型V60とは
長い前置きになった。新型V60を紹介しよう。デザインは写真を見ていただきたい。一回り大きいV90と見分けられないと思う。
厳密に言えばリアのハッチドアの傾斜がV90より大きいけれど、それだって前方から見ると解らないレベル。V90もカッコ良いので、似ててもOKということか?
そしてスタイリッシュだ。
XC90から採用を開始したフロントの意匠と、ワイド&ローな車体フォルムのバランスが良い。人類の「美」は頭の大きさと身体の大きさの関係や、目鼻立ちに代表される基本スペックで決まってくる。V60の身体は八頭身で、目鼻立ち良し。それでいて個性持つから上手だと思う。
V60にさっそく乗ってみた
ハンドリングが格段に良くなっている
ボルボ車の走りは新型XC90以後、急速に良くなってきた。XC90が出た当初は、良く曲がる副作用なのか硬くてゴツゴツした乗り心地で「う~ん」だった。
その後、新型V90になって大幅に向上し、XC60出た2017年モデルからXC90を含めイッキに乗り心地が穏やか&上質になった。新型XC40は上質でいながら、シャープなハンドリングを実現。
新型V60もXC40と同じ方向になっており、スポーティでいながら硬さを感じさせない。
驚いたのは直進時のステアリングフィールがドイツ車のようにドッシリしていること。
切り始めの感覚が良いため、直進安定性からして文句なし。ロンドドライブ快適だし、横風に対する修正舵も容易。
パワーも問題なし
試乗車は『T6』と呼ばれるグレードでターボ+スーパーチャージャー付2リッターの320馬力/400Nm。アクセル踏めばグイグイ加速、完全なるストレスフリーだった。日本仕様のエンジンナインナップは発表していないけれど、2リッターターボの『T5』(245馬力/350Nm)は入るらしい。日本の道路環境ならT5で十分以上かと。
安全装備はさすがのボルボ、むしろ事故るほうが難しそう
ボルボの得意分野である安全装備についちゃテンコ盛りである。追突や歩行者に対しては自動ブレーキ。車線変更時、側方に車両居たらハンドル切っても車線変更出来ず。バック時に左右方向から接近してくる車両あれば、警報鳴らした上で自動停止。低速域は車両全周の様子をナビ画面に表示。
V60に乗っていて事故に遭うのは難しいかもしれない。
さらに居眠りなどで、対向車線にはみ出し対向車と衝突しそうになったら自動で避けてくれるし、枝道や交差点で他車が飛び出してきた際、ハンドル切るだけでF1ドライバーのようなスーパー回避操作してくれるデバイスも付く。
新機能・正面衝突被害低減ブレーキ搭載
また、新型V60から、正面衝突被害低減ブレーキまで加わった。
このデバイス、未だに事故死者の30%を占める正面衝突時の、生存確率を高めるというからタイしたもん。車速60km/hから急激に死亡率が高まるデータがある。そのデータだと、60~90km/hの車速域だと、正面衝突被害低減ブレーキ付いていれば生存率が2倍になるらしい。
安全装備に関しては、ボルボ選んでおけば相当安心だと思う。
[Text:国沢 光宏 Photo:ボルボ・カー・ジャパン/国沢 光宏]
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