フォルクスワーゲン 新型「up!」の魅力は”優しい一体感”にあり

フォルクスワーゲン 新型「up!」の魅力は”優しい一体感”にあり
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VW up! 5年ぶりのマイナーチェンジ

フォルクスワーゲン(VW)の最小モデル「up!」(アップ!)が、2012年の登場以来5年ぶりのマイナーチェンジを実施した。内外装のリフレッシュもポイントだが、それよりも驚かされたのは・・・モータージャーナリストの今井優杏さんに、より高まった新型up!の魅力についてじっくり語ってもらった。

>>[フォトギャラリー]VW 新型 up! ”high up!”の詳細を画像でもチェック!

そうそう、クルマの楽しさってこうだったよね

あれ?こんな楽しかったっけ? なんて素直におもった!久しぶりに乗ったフォルクスワーゲンの末っ子、up!(アップ!)だ。ぐに~、する~っ、ぴょこぴょこ。ハンドルを切る、アクセルを踏む、そうすれば訪れるややラグを生みながらのシフトアップ/ダウン。up!はひとつひとつの操作にいちいちきっちり反応する。まるでよく躾けられた子犬にコマンド(命令)を出した時みたいな、優しい一体感を味わえるのだ。過給ダウンサイジングエンジンに慣れまくった身体が、ともすれば小排気量NAエンジンに原点回帰を訴えているのかもしれない。や、ダウンサイジングターボが悪いってんじゃなくて、温故知新的なイメージ。そうそう、クルマってこういう、メカっぽさがあるから楽しいって思わせてくれるモンだったよね! って。懐古趣味? いや、それでも構わない。すこしノスタルジックな味付けを、今とても新鮮に感じることができる。

外観の変化はごくわずかな新型up!、変わったのは・・・

<フォルクスワーゲン 新型 up! ”High up!”/ボディカラー:ハニーイエローメタリック(新色)>フォルクスワーゲン 新型 up! 試乗レポート/今井優杏

というわけで、VW up!が5年ぶりにマイナーチェンジを果たした。

エクステリアでは全長のみ65mm延長するのみにとどめ、輸入コンパクトでは絶滅危惧種となりつつある5ナンバーを死守したほか、フロントではボンネット形状、ヘッドライトにはLEDのポジションランプを備え、ドアミラーもウインカーを内蔵。リア部分ではリアバンパーやランプ類とディフューザーに変更が加えられている。

・・・って長々書いて言うのもアレだが、そう、外観の変更はごく最小限なんである。多分そのへんをしれっと走ってても、その変更に一目で気づくのはオーナー以外至難のワザかもしれない。

じゃ、何がすごいのよと言われれば、もう、断然インテリア!なのだ。

かわいらしくてアーティスティックな内装が得られる、新型up!オススメのグレードとは!?

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もともとup!はインテリアが超カワイイ。ボディカラーに合わせてコーディネートされていて、きゅんと響くポップな世界観を作り出していた。で、今回はこうだ。

見て下さいよ! ドライバーが運転席に乗り込んだ瞬間にワオ!とサプライズを提供するコックピットじゃないですか。特に乗り込んですぐに目に入るダッシュボードあたりの作り込みはユニーク。パネル模様のツブツブ感は微妙に立体感を持っていて、触るのもまた楽しいし、草間彌生氏のアート作品にも似て(試乗車がイエローだったから余計に・・・)、どこか宇宙を感じさせるジオメトリック柄が前衛的ですらある。ただカワイイだけでなくアーティーなイメージで、これまでにない層のニーズを取り込めそうだ。

新型up!では2ドアと4ドアが用意され、このダッシュパネルが全車標準で用意されるのはその上級バージョン”high up!”のみとはなるんだけど、2ドアでベースグレードの”move up!”が1,587,000円、4ドアで最上級のhigh up!が1,938,000円、んで価格的にはその真ん中の4ドアでシンプル装備のmove up!が1,787,000円・・・とくれば、いや、悩む。悩みます。15万円~20万円ずつという、なんとも心揺れる価格でグレードが上がって行くという値付けの妙。

でも私が買うなら、絶対にベースグレードから35万円足してhigh up!だなと思わせられるくらいに質感が高かった。だってそもそも輸入コンパクトであって、最上級グレードが200万円を切るっていうんだから! この辺、世界中で超引っ張りダコのルノー・トゥインゴなんかをギンギンに意識したプライスタグだと思う。

>>VW 新型 up! の新しくなったインテリア、フォトギャラリーで詳細をチェック!

スマホと車載小型ディスプレイが連携した”Composition Phone”にも注目

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で、つい興奮のあまり話が逸れたので(←コラ)、新型up!のグレードの話に戻すと、ほかにもhigh up!はさすがに装備が充実していて、15インチアルミホイールやクルーズコントロール、前席シートヒーター、フルオートエアコン(アレルゲン除去機能付きエアフィルター)なんてものも装備されるから、見た目以外にも是非ご検討いただきたい。

さて、今回のモデルチェンジでの大きな注目点は、ほかに二つある。

うち一つがスマートフォンとの連携だ。

自身のスマホをBluetoothでペアリングし、専用クレードル(USB接続装置付き)にてスマホをセットすれば、5インチのはめ込み式カラーディスプレイで基本的な操作(マップの呼び出しとかタコメーターや水温計などのサブメーター表示とか、燃費とか、駐車場の空き情報検索とか)を専用アプリ内で行える”Composition Phone”(コンポジション フォン)が採用された。いわば簡易版Apple CarPlayみたいな感じなんだけど、シンプルに操作できて使い勝手は悪くない。ただ、地図の表示はスマホの中にされるので、フォントが小さく見づらいという点は否めなかった。この辺はユーザー側の割り切りも必要なのではないかとも思う。

そしてもう一つは安全装備が拡充されたこと。こちらは全車標準装備となる。低速域追突回避・軽減ブレーキのシティエマージェンシーブレーキのほか、ハイトコントロール付きのハロゲンヘッドライト、オートライト、レインセンサー、タイヤ空気圧警告灯などが盛り込まれている。

新型up!の”ええ塩梅”な走りの持ち味とは

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さて、冒頭にも少しお話ししたけれど、「ぐに~、する~っ、ぴょこぴょこ。」だけだとあまりにアレなので、走りの方にも触れておきたいと思う。

いいな!と、乗ってすぐに感じたのは、もっちりしたサスペンションのしなりだ。

試乗ではかなり荒れた路面を走ったのだが、それぞれのバネがしっかり動いて悪路をいなしてくれるイメージで、良い意味でフォルクスワーゲンらしさを感じさせない仕上がりになっている。コーナリングではとくにその性格が顕著で、ねぱ~っとスイングするようにコーナーを舐め、その粘る感じがまるでフランス車のように優しいフィールを演出している。

また、ステアフィールもほかのフォルクスワーゲンに比べややルーズめ。もともと、ゴルフ以上の同社モデルはドキっとするほどに切れ味鋭いステアフィールが特徴なのだが、これはやや遊びを持たせてあり、キレキレ!というよりはやんわりと癒し系なのだ。しかし、さすがフォルクスワーゲン、と思わせるのは、それだけユル味でもきっちりラインをトレースさせてくれると言う点。帳尻を合わせてくれるというか、それはこのクルマのボディサイズから来る小回りの賜物でもあるとは思うのだけど、狙った走行ラインを大幅に外さない”ええ塩梅”のユルさをキープしている。

小さくても、パワーなくても、意のままにスイスイとイケちゃう不思議

<フォルクスワーゲン 新型 up! ”High up!”/ボディカラー:ハニーイエローメタリック(新色)>フォルクスワーゲン 新型 up! 試乗レポート/今井優杏

また、1リッターNAエンジンにセミオートマチックの5ASG(ドイツ語でAutomatisiertes Schaltgetriebe:オートメーテッド マニュアル トランスミッション)という組み合わせのパワートレーンは、これまた先述の通り、今乗ったら本当に楽しいものだ。

セミオートマだから、シフトチェンジの際にピョコピョコしたピッチング挙動が生まれるのだけど、ある程度アクセルを煽り気味にしていけばそんなに酷いモノじゃない。それよりも意外なほどに賢いことに感心した。特に登坂路なんかでは圧倒的にエンジンのパワー不足を感じたとしても、高速道路では低速から高速までの引っ張り方が絶妙で意外に伸びるし、平地ではレーンチェンジや合流など、加速力が欲しい際にもそれほど非力を感じさせないほどにちゃんと回転数と速度をマネジメントしてくれていた。この熟成のほうに天晴れ!と言いたい。

難点をいうならば、この価格帯のクルマにソレを求めるのは酷な話だとは思うけど、静粛性に関してはイマイチだということ。試乗日は雨が降っていたのだが、屋根に当たる雨滴やロードノイズは派手に車内に入って来るから、その辺は覚悟しておいてほしい。

しかし、ネガもポジも、それら全部をひっくるめて、きちんとクルマの方向性を“走りたい”と思わせる演出に繋げていることこそが、輸入コンパクトの強みではないかな、と強く感じた。ただ便利で小さいだけでなくて、ドライバーの呼吸を汲んでくれるような一体感ある走りができるということ。例外なくup!も、ただカワイイだけではない走りの良さを見せつけてくれたのだもの。

[レポート:今井優杏/Photo:茂呂幸正]

フォルクスワーゲン 新型 up! ”high up!”[4ドア/FF] 主要諸元

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全長x全幅x全高:3610x1650x1495mm/ホイールベース:2420mm/乗車定員:4名/車両重量:950kg/エンジン種類:直列3気筒 DOHC ガソリンエンジン/総排気量:999cc/最高出力:75ps(55kW)/6200rpm/最大トルク:9.7kg-m(95Nm)/3000-4300rpm/トランスミッション:5速ASG(Automatisiertes Schaltgetriebe:オートメーテッド マニュアル トランスミッション)/燃料消費率:22.0km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:185/55R15/メーカー希望小売価格:1,938,000円(消費税込)

※試乗・撮影車はメーカーオプション「インフォテイメントパッケージ・オートエアコン付」(86,400円)装着

>>VW 新型 up! ”high up!”を48枚の詳細画像でチェック![フォトギャラリー]

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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