トヨタ 新型 ヴィッツ ハイブリッドは、”先輩”アクアに比べどこが勝ってる!?[試乗レポート](2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
同じように見えても、ヴィッツのハイブリッドはアクアから大きく進化を遂げている
まずは新型ヴィッツ ハイブリッド Uを試乗した。
ヴィッツ ハイブリッドのシステムは、基本的にはアクアやカローラ ハイブリッドと同じだ。直列4気筒1.5リッターのアトキンソンサイクルによるガソリンエンジンに、駆動用モーター/発電機/ニッケル水素の駆動用電池/制御機能などを組み合わせる。エンジンとモーターを合計したシステム最高出力は100馬力だ。
ハイブリッド Uの車両重量は1110kgだから、アクアのSやGを30kgほど上まわるが、動力性能には余裕がある。コンパクトなハイブリッド車としては、モーターの駆動力が強いためだ。巡航時にエンジン回転が下がった状態では、モーターの駆動力が素早く立ち上がって加速力を支援する。変速も無段階に行われ、コンパクトカーでは滑らかな加速を味わえた。このあたりはアクアに近い。
エンジンのノイズは、登坂路などでアクセルペダルを深く踏み込むと相応に高まるが、通常の走行では静かだ。ハイブリッドシステムは満足できる。
JC08モード燃費は34.4km/L。アクアの37km/Lに比べると9~10%悪化するが、開発者は「エンジンやトランスミッションに改善を加えて、ボディ形状や車両重量の違いに基づく燃費の落ち込みを抑えた」という。
トヨタの新しい車両開発となるTNGA(Toyota New Global Architecture)の技術を先取りして、エンジン内部では燃焼時のタンブル流(縦方向の渦)を垂直に入れるようにした。エンジンやトランスミッションの抵抗低減、パワーコントロールユニットの電流変換時における損失低減なども図られ、アクアなどのハイブリッドシステムをベースに改善を加えている。現行プリウスで採用された新技術も取り込んだ。
2度に渡る改良で、デビュー当時からは格段に進化を遂げたボディ剛性
過去を振り返ると、現行ヴィッツの足まわりとボディは、2回にわたり大きな改善を受けている。1回目は2014年4月で、スポット溶接箇所の増加、床下に配置した補強材の大型化、ショックアブソーバーなどを見直して、吸音と遮音の性能、制振性能も高めた。
2回目が今回のマイナーチェンジ(2017年1月)で、ドアの開口部を中心にスポット溶接箇所をさらに増やし、インパネ周辺の骨格も強化。フロントウインドーの接着を見直して剛性を高めている。ショックアブソーバーは新構造のバルブを採用して、車線変更などを行った時の減衰力を向上させて安定性を高めた。このほか前後のフェンダー形状を工夫して、走行時における空気の流れも整えている。
操舵感や乗り心地に対するユーザーの反応を見て、ショックアブソーバーの減衰力などを一部改良時に設定変更するのは理解できるが、ボディの溶接は基本設計の領域だ。最初から入念に造り込んで欲しいところではあった。現行ヴィッツは2008年末のリーマンショックから2年後に発売されたが、当時は相当のコスト低減を行ったようだ。その結果、以降2回にわたり溶接箇所を増やしたと思われる。
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