トヨタ 新型スープラを完成間もない“日本版”ニュルで試乗【動画アリ!】(1/2)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:トヨタ自動車
日本版“ニュル”で新型スープラを試乗!
ついにトヨタ GRスープラを“ニュル”で試乗することができた!
アップダウンが激しく、路面もコーナーで逆カントがついているので、あらぬ方向に横Gやヨーが発生する。しかも時速200km/hからのフルブレーキングからいきなりキツいRのコーナーが連続するほか、ジャンピングスポットも存在するなど、かなりハードなコース。
そんな厳しいコースを走らせると、今回のGRスープラが世界中の道で鍛え抜かれたからこその、ヒタッと路面に優しく張り付くポテンシャルの高さを痛感する…
と書いたものの、実は国内での話。
というのもこれ、トヨタが本社にほど近い豊田市と岡崎市の中間にまたがる山間部の「下山村」に建設を進めてきたToyota Technical Center Shimoyama(アルファベットが正式名称で通称TTCS)の中にある、ニュルブルクリンクを模した全長約5.3kmのカントリー路を走る機会を得て、実際に走行した印象なのだ。
>>日本の“ニュル”を疾走する新型スープラを画像で見る[30枚]
“原点回帰”でクルマを鍛え、さらにクルマを鍛えられる人材を育成することこそが重要
今回の“下山ニュル”は、TTCSの一部運用としてスタートしたばかりで真新しく、それこそ前日に豊田章男社長が試走したばかりのタイヤ痕がハッキリと分かるほど誰も走っていない状態。
実際、我々が招かれた段階でも、まだ社内の人間でもほとんど走っていないと聞き驚いた。しかも今回の取材ではコース内は全面撮影OKという、テストコースにあるまじきルールをあえて適用してくれた。
今回の取材にあたり、トヨタ自動車副社長で「GAZOO Racing Company(ガズーレーシングカンパニー)」の友山茂樹氏が冒頭のあいさつを行い、「CASEの時代にこんな大きなテストコースを作ってどういうことか? と聞かれますが、我々はCASEの時代だからこそ、『走る・曲がる・止まる』という原点に帰って、クルマを鍛え、またクルマを鍛えられる人材を育成することこそが重要と考えています。そこが自動車メーカーの強みとなる確信をもって、今回のプロジェクトを進めています」と語った。
下山ニュルでは3グレードごとのキャラクターの違いがハッキリ分かった
今回ここで試したのは、2019年5月1日より発表されたばかりのGRスープラ3グレード全てと、GRのラインナップ群。
GRスープラのRZとSZ-Rは袖ヶ浦フォレストレースウェイで徹底的に試しているし、今回このTTCSまでの道のりでもスープラSZとSZ-Rを「公道初試乗」してきた。そこでGRスープラのスポーツカーとしての出来の良さは存分に感じていたが、このテストコースで走らせるとさらに、その良さを痛感した。
というのもGRスープラをこの下山ニュルで走らせると、ステアリングフィールの実にしっかりした感覚とクリアな情報伝達があることがよくわかり、安心して操舵していくことができる。
また荒れた路面を高速で走っていくシーンでは、相当に荒れている路面にも関わらず接地感がしっかりと生まれており、これも安心を感じる要素となった。また評価用のテストコースとなるため、実に様々なRのコーナーが用意されているため、RZとSZ-RとSZのハンドリングや味付け、そこから生まれるキャラクターの違いをハッキリと知ることができた。
実際3リッターターボ(340ps)版の「RZ」はかなりアグレッシブで、タイトコーナーではステアリングのわずかなきっかけだけで旋回していく。一方で高速コーナーでは空力がしっかりと効くためボディがしっかり路面に押さえつけられて想像以上の安定感がある。
SZ-R(2リッターターボ/258psハイパワー版)は乗り心地とハンドリングの良さがバランスされており、コーナーの大小に関わらず非常に素直なハンドリングが魅力だった。
またSZ(2リッターターボ/197ps)は唯一ランフラットタイヤを履き、サスペンションもAVSなしのベーシックなものだが、意外にしなやかに路面をいなしていく様を感じることができた。
>>消滅が惜しいマークXのGRMN にも試乗[次ページへ続く]
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