トヨタ 新型スープラを完成間もない“日本版”ニュルで試乗【動画アリ!】(2/2)

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消滅が惜しいマークXのGRMN にも試乗

GRスープラと同時に試乗したGRのラインナップ群の中でも、特に秀逸だったのがマークXのGRMNだった。

このモデルは、昨年のスープラプロトタイプの試乗会で袖ヶ浦で走らせたときにも感動を覚えたが、この下山ニュルで走らせるといかに優れたセッティングがなされているかがハッキリとわかった。

操舵に対して綺麗に姿勢が変わるものの、リアの安定性の高さが抜群に感じられるので、グリップとスライドの境目がハッキリとドライバーに伝わるよさがある。

またフロントタイヤの限界や滑り具合もステアリングからハッキリと手のひらに入力されるため、タイヤのキャパシティおよびクルマのキャパシティがどこまであるかを正確に感じ取れるものになっている。その鮮やかさに感心したのだった。

残念ながらマークXはモデルが消滅してしまう。是非このマークX・GRMNで実現した味付けも、今後のGRのモデルにしっかりと継承してほしいと思えたのだった。

なんと“下山ニュル”はTTCS のほんの一部に過ぎなかった!!

さて、下山ニュルを堪能して終わり、ではなく、その後にまだ建設中となる高速周回路がある「東工区」も視察させていただいた。

ここは見学に行くのに、カントリー路からシャトルに乗って一度コースの外へ出て、なんと15分も走行して周回路見学場所に到着した。そして約65mもの高さがあるのり面を階段で登って振り返ると…まだ完成してない高速周回路の2kmの直線の遥か向こうの、目視できない距離までだだっ広い敷地が現れたのだった。ここに6.5kmの外周路と先の2kmの直線を含む5.5kmの高速周回路が作られるという。

山間部の土を外に出すことなく、高いところを削って低いところにその土を入れて埋めて作るほか、自然の動物や植物も保全して環境との共存も考えたTTCSの、このだだっ広い山の上の周回路を含む敷地は、実に東京ドーム140個分(!)の広さをもち、トヨタの東富士研究所の約3倍ともいわれる総面積650.8haにも及ぶ。投資額も約3000億円という、実に巨大なプロジェクトで、全てが完成するのは実に2023年。そしてその頃には、ここで約3300人が働く計画とされているのだ。

もはや開いた口が塞がらないレベルの広さ。先に走ったカントリー路はまさに一部、だったのである。

下山ニュルで鍛え抜かれた「愛車」の登場に今から期待大!

それにしても、ここまでして「走る・曲がる・止まる」についてをこの時代に追求しようとするのだから、今後のトヨタとGAZOO Racingには期待。

個人的に気になったのは、2023年に完成する車両開発エリアで、ここに「愛車ビジネスを牽引する企画・設計拠点」と記されていたこと。つまりここから、今後の「愛車」が生み出されるわけで、それはつまりこの先も、クルマ好きが喜べるものを送り出す体制を持つことを示唆している。

果たしてこの下山ニュルで鍛え抜かれ、味づくりが徹底的に実施された新型車はどんなものに仕上がるのだろうか? それに触れる日が楽しみでならない。

[筆者:河口 まなぶ/撮影:トヨタ自動車]

【動画】トヨタが作った「ニュル」でGRスープラを走らせる!「LOVECARS!TV!」

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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