トヨタ GRMN iQスーパーチャージャー 試乗レポート/松田秀士(2/3)

  • 筆者: 松田 秀士
  • カメラマン:オートックワン編集部
トヨタ GRMN iQスーパーチャージャー 試乗レポート/松田秀士
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トヨタというメーカーが見せる、究極の“マニア心”

GRMN iQスーパーチャージャーと松田秀士氏

GRMNには、「トヨタグループならではの技術・情熱を生かしてモノ造りにチャレンジし、GAZOO Racingならではの商品を作り上げること」という開発コンセプトがある。

ベースのiQに対し、「GRMN iQスーパーチャージャー」のサイズは全長が「+140mm」の3,140mm、全幅は「+25mm」の1,705mm、全高は「-30mm」の1,470mm。ホイールベースは変わらず2,000mmのままだ。

全高の「-30mm」は、車高がそのままローダウンされた数値だと考えれば良い。だからそのフォルムは、トールボーイなのに地を這うような、ちょっと愛嬌のあるシルエット。

「+25mm」の全幅は迫力あるブリスターフェンダーによるものだが、このフェンダーを含めたフードとルーフ以外のほとんどのエアロパーツは、カーボンやファイバーといった繊維ではなく、“スチール製”で作られている。これが、トヨタ“モノ造りへのチャレンジ”第1弾だ。

スチールの場合は専用金型を作り、プレスで加工する必要があるためにコストがバカにならない。しかもショップレベルではできない技である。さらに100台限定販売なのだから、利益は度外視だろう。

それでもやってしまう理由は、「誰にも真似されないオリジナルデザインを作りたかったからだ」とは、開発代表・森氏の言。森氏は趣味でカートレーシングをたしなむ、根っからのスポーツマニア。つまり、メーカーの遊び心を見せているのだ。しかも、それがトヨタなのだからスゴイ!

GRMN iQスーパーチャージャー フロントGRMN iQスーパーチャージャー リアGRMN iQスーパーチャージャー フロントGRMN iQスーパーチャージャー リアGRMN iQスーパーチャージャー サイド
GRMN iQスーパーチャージャー エンジンルーム

このメカニズム編は、トヨタ“モノ造りへのチャレンジ”第2弾だ。

「GRMN iQスーパーチャージャー」のベースとなるのは「iQ 130G MT→(ゴー)」。94psを発生する1.3リッター直列4気筒DOHCエンジンに6速MTがドッキングされ、駆動方式はFFである。

車重は950kgで最大トルクは118Nm、ホイールベースは2,000mmというスペックからも、キビキビとした俊敏な走りが想像できるだろう。

しかし、「GRMN iQスーパーチャージャー」は0.45barの最大過給圧で130ps/180Nmとパワーアップ(エンジン本体はノーマル)。

車重は+40kgの990kg。この重量増はスーパーチャージャー系の補器類とスチール製エアロによる表面積増によるものだろう。

ところで、iQに採用されているスーパーチャージャーはいわゆるルーツ式などとは異なる。ロトレックス製(オランダ)で遠心タイプの構造を持っている。

ギヤやベルトによって駆動するルーツブロア式に比べ、遊星式ドライブにプーリー等を使うため全域でパワーとトルクが持続し、特に高回転域での機械損失が小さいメリットがある。

GRMN iQスーパーチャージャー 試乗走行イメージ8
GRMN iQスーパーチャージャー ENKEI PF01アルミホイールGRMN iQスーパーチャージャー POTENZA RE050A タイヤ()

どちらかというと高回転で効くタイプなので、フィーリングはターボに近いという印象。

しかし、ターボと違って熱処理の自由度が高いので、狭くコンパクトなiQのエンジンルームには打ってつけのアイテムなのだ。逆にいうと、ターボというチョイスは冒険だったのかもしれない。

サスペンションはオリジナルを踏襲し、フロントダンパーがショウワ、リアはカヤバ製。もちろん減衰力は高められている。前後でサプライヤーが違うのはナックルアームが上部に付いているダンパーは今のところショウワ製になるためだ。

またMAZDAのCX-5など、前後で異なるメーカーのダンパーを使用するケースが最近増えてきている。スプリングもレートが上げられているが、ブッシュ類はノーマルを採用。

タイヤは、超扁平タイヤは採用せず195/55/16のポテンザRE050。ホイールも控えめなデザインで、タイヤと同化させてあえてレトロっぽいイメージを出したかったとのこと。

試乗車にはまだ採用されていなかったが、市販車にはヤマハ製のパフォーマンスダンパーが採用される予定だ。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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