トヨタ ハイエース歴代モデル徹底解説|初代10系から最新200系まで、50周年の歴史を振り返る(2/2)
- 筆者: 小鮒 康一
- カメラマン:トヨタ自動車
4代目ハイエース(100系)|これはもはや“高級車”だ
すでに高級ワンボックスとしての地位を確かなものにしていたハイエースは1989年に4代目へと進化を果たした。カタログにも「トヨタの、もう一つの最高級車」と書かれていたように(ここのもう一つは言うまでもなくクラウンだ)、高級車に恥じない世界初の装備が数多く盛り込まれていた。
例えば、パワーイージーアクセスシステム。これはキーをオフにするとシートが後ろへスライドし、キーを抜くとステアリングがチルトして乗降性が向上するシステムで、近年の高級車にはほぼ装着されているものだが、なんとこれは4代目ハイエースが世界初搭載であった。また、現代のミニバンではマストアイテムともいえる電動スライドドアもハイエースが初であり、ハイエースの先進性を垣間見ることができるだろう。
当初搭載されたエンジンは、新開発の2リッターガソリンの他に、3ナンバー登録となる2.4リッターガソリンも初採用。また、ディーゼルエンジンも2.4リッターのNAとターボ、そして2.8リッターが用意されるワイドバリエーションとなった。また、4代目は15年にも渡る長期間販売されていたこともあり、モデルライフ途中でエンジンラインナップが何度か変更されているが、ここでは割愛させていただきたい。
96年にはマイナーチェンジによってワゴンは大きくフロントマスクが変更され、当時のセルシオ(2代目)風の堂々とした顔つきになって再び人気が盛り返したが、2002年に新たな高級ミニバンのアルファードが登場すると、移行を促すかのようにハイエースワゴンからガソリンエンジン仕様が消えている。
なお、初代からトヨタ救急車のベースとなっていたハイエースだが、この代から新たに登場した高規格救急車のハイメディックのベースとなり(それとは別にトヨタ救急車も継続設定)、ベース車には存在しないセルシオと同じV8 4リッターエンジンが搭載されている。このV8ハイメディックは初代のみの設定であり、フロントグリルに燦然と輝く「V8」エンブレムで見分けることが可能である。
5代目ハイエース(200系)|基本に立ち戻り商用バンの機能性を極める
実に15年ぶりのフルモデルチェンジとなった5代目ハイエース。すでに高級ワンボックスの市場は高級ミニバンへと移行し、そのポジションはアルファード/ヴェルファイアにバトンタッチを果たしたため、5代目は再び商用車としてのポテンシャルに磨きをかけたモデルとなった。そのため、乗用車登録のワゴン(コミューター)は残るものの、こちらもあくまで人員輸送車としてのポジショニングとなっている。
ボディ形状はボディ長がロングとスーパーロング、ボディ幅は標準とワイド、ルーフ形状は標準、ミドルルーフ、ハイルーフが用意され(組み合わせ不可のものもあり)、バンには5ドアと4ドア、標準フロアとジャルトローの設定も存在していた。
搭載エンジンは2リッターと2.7リッターのガソリンエンジンと3リッターのディーゼルエンジン(のちに2.5リッターディーゼルターボに変更)となり、全車ATが基本で一部グレードでは5速MTが選べるといった仕様。当初ATは4速だったが、2014年12月のマイナーチェンジで一気に6速ATとなり、燃費やスムーズな走りが可能となっている。
2017年11月22日に200系ハイエースが一部改良
2017年11月22日に実施されたマイナーチェンジ(一部改良)では、衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense P」を標準装備したほか、車両の安定性を確保するVSC&TRC、坂道発進時に車両のずり落ちを防止するヒルスタートアシストコントロールなども全車標準装備し、より安全性を高めている。さらに2.8リッター「1GD-FTV」新型クリーンディーゼル搭載と6速AT採用で燃費や環境性能も向上している。
また盗難被害の多いハイエースだけに、オートアラームも全車標準装備となったことも嬉しいところだ。
その他のハイエース|ハイエースレジアス/グランドハイエース/ツーリングハイエース
本流のハイエースの他にもその名前が付けられた車両が存在するのはご存知だろうか? それは1997年に登場したハイエースレジアスと1999年に登場したグランドハイエース、そしてツーリングハイエースだ。
実はこのクルマ、1997年にトヨタの最上級ミニバンとして登場したグランビアとコンポーネンツを共有する兄弟車であり、グランビアが欧州の新しい衝突安全基準を充たすためにセミキャブオーバー化されたハイエースの欧州仕様の兄弟車であることから、ハイエースの名前が付けられているという大変ややこしい関係なのだ。
つまり日本国内ではグランビア4兄弟といった位置づけであり、グランビアとグランドハイエースが3ナンバーボディ、ハイエースレジアスが5ナンバーボディであり、ハイエースレジアスのボディにエアロパーツを装着し、スポーティに仕上げたのがツーリングハイエース(エアロパーツのせいで3ナンバー登録)となる。
キャブオーバーのハイエースとは異なりフロントエンジンとなるため、直接の関連性は薄いが、広義の上ではハイエースファミリーとなるため参考までにご紹介した次第である。
これもハイエースの兄弟・親戚!? 関連カタログをチェック
[レポート:小鮒康一]
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