トヨタ ハイエース歴代モデル徹底解説|初代10系から最新200系まで、50周年の歴史を振り返る(1/2)
- 筆者: 小鮒 康一
- カメラマン:トヨタ自動車
目次
- デビュー50周年を迎えるハイエースの歴史を初代10系から現行200系まで振り返る
- 初代ハイエース(10系)|洗練されたデザインが特長
- 2代目ハイエース(20系/30系/40系)|貨物のみならずレジャー用途にも使われ出した
- 3代目ハイエース(50系)|高級路線のワゴンはアルファードのご先祖
- トヨタ ハイエース 関連コンテンツ
- 4代目ハイエース(100系)|これはもはや“高級車”だ
- 5代目ハイエース(200系)|基本に立ち戻り商用バンの機能性を極める
- 2017年11月22日に200系ハイエースが一部改良
- その他のハイエース|ハイエースレジアス/グランドハイエース/ツーリングハイエース
- トヨタ ハイエース 関連コンテンツ
デビュー50周年を迎えるハイエースの歴史を初代10系から現行200系まで振り返る
キャブオーバータイプのワンボックスとして高い人気を誇るトヨタ ハイエース。現行モデルは5代目となるが、その歴史は長く、今年でなんと50周年となる。
そもそもハイエースは商用トラックのトヨエースの小型版として登場したのが始まりで、そのボディバリエーションのひとつとしてワンボックスタイプも用意された形であった。そのため、2代目まではトラックと共にモデルチェンジを行っていたが、3代目からはダイナ/トヨエースの兄弟車となり別の道を歩むこととなっている(その後、2001年にハイエーストラックは生産終了)。
また、ハイエースは働くクルマとしても知られるが、その特徴を生かしてジャンボタクシーやマイクロバス、救急車や福祉車両などの特装車のベースとしても需要が高い。一般ユーザー向けにも、キャンピングカーやバイク・自転車・カート等のトランポなど、さまざまな用途で使われているのもご存知の通り。
なお、よくハイエースは「〇〇系」と呼ばれるが(例:200系ハイエース)これは車両型式から付けられた通称名であり、歴代ハイエースのどの代のことを指しているのかが分かりやすいため使われている。厳密に言うと車両の仕様によって型式は異なるため、あくまで通称程度の認識で構わないだろう。また、4代目モデルの途中から兄弟車として「レジアスエース」が登場しているが、これはあくまで販売チャネルの違いで設定されたもので、車名のエンブレム以外はハイエースと同一である(ただしレジアスエースにはワゴンやコミューターの設定はされない)。
初代ハイエース(10系)|洗練されたデザインが特長
1967年に登場した初代ハイエース。ボディサイズは全長4305mm×全幅1690mm全高1890mm(数値はデリバリーバン6人乗り)と、全高を除けばシエンタにほど近いサイズであった。デザインは直線基調が常だった当時の商用車とは異なり、流れるような曲面を多用したボディパネルは、都会美に溶け込む洗練されたデザインと称されていた。
モデル構成は、デリバリーバン、ワゴン、コミューター、トラックの4系列となっており、デリバリーバンが3種、ワゴンが1種、コミューター2種、トラックは5種の全11種というワイドバリエーションを誇っている。なお、デビュー当初はスライドドア式のサイドドアは存在しておらず、68年に遅れて追加されている。
搭載されていたエンジンは当初は同時期のコロナにも搭載されていた1.3リッターと1.5リッターのガソリンエンジンで、車両のキャラクターに合わせて低速トルクを重視したセッティングに変更されていた。1971年にはコロナと同じく1.5リッターエンジンが1.6リッターエンジンに置き換えられ、1975年には非力な1.3リッターエンジンがラインナップから外れて1.8リッターエンジンが新たに追加された。
また、1971年には救急車のベースに採用され、今のハイメディックの元祖となる「トヨタ・救急車」が誕生している。それまでの救急車はクラウンのステーションワゴンがベースだったため室内スペースに制限があった(ただしシャシーやエンジンなどは別物)が、ワンボックスのハイエースになったことで室内スペースも大きく改善され、これ以降はワンボックスタイプの救急車が主流となっているのはご存知の通りだ。
1973年には現在もライバル関係となっている日産・キャラバンが登場。後発ということもあり、モデル末期となりつつあったハイエースに比べて近代的な車両に仕上がっており、販売面でも大きな壁となった。
2代目ハイエース(20系/30系/40系)|貨物のみならずレジャー用途にも使われ出した
初代の登場から約10年が経過した1977年に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたハイエース。初代に比べると一気に近代化がなされ、基本的なディメンションはこの代である程度確立された感すらある。2代目前期型の丸型ヘッドライトを持つタイプは0系新幹線に似たフロントマスクであったことから、「新幹線ハイエース」という愛称でも知られている。
ラインナップは先代と同じく、バン、ワゴン、コミューター、トラックの4種類。バンとコミューターでは標準、ロング、スーパーロングの3種類、トラックはシングルキャブ、ダブルキャブ、オープンバン、パネルバンの4種類で、さらにロングバンには両側にスライドドアを備えた5ドアや、スーパーロング系にはハイルーフ仕様も用意されるなど、初代よりもさらにバリエーションが豊富になっている。
搭載されるエンジンは、先代よりも排気量が大きなものが当初から用意され、1.6リッター、1.8リッター、2リッターのガソリンエンジンでスタートし、1979年7月には2.2リッターディーゼルエンジンも追加された。これはオイルショックによる省エネルギーへの取り組みが影響していると言われているが、ライバル車種のキャラバンが一足先に(1978年5月)ディーゼルエンジンを設定したことへの対抗策の意味もあったと思われる。
また、1980年8月にはライバルのキャラバンが2代目へとフルモデルチェンジ。この際に回転対座シートや大型サンルーフなどを用意してレクリエーションビークルとしてのキャラクターを強めており、ハイエースもこれに追従する形でよりパーソナルユースに向けた仕様を投入していくことになる。
3代目ハイエース(50系)|高級路線のワゴンはアルファードのご先祖
商用車としては高い評価を受けていたものの、パーソナルユースとしてはキャラバンに先を越された形となったハイエースは、1982年のフルモデルチェンジの時に高級RV車として大きく舵を切ることとなった。特にワゴンは、リアサスペンションを板バネからラテラルロッド付4リンク式コイルスプリングへ変更し、乗り心地の改善を果たしたほか、日本初となるオールフラットシートや電動サンルーフ、デジタルメーターなど、当時の高級乗用車に匹敵するほどの装備が用意されていた。また、ワゴンの上級グレードには高級感のあるツートーンのボディカラーを設定したり、大型のバンパーを装備したりして、高級車志向の高いユーザーが増えていることを感じさせていた。
一方のバンも、日本初の乗員と荷物の量に応じてシートを動かせる3ウェイシートを持つ3/6/9人乗りを設定し、スライドドアやバックドアの開口部を拡大してより一層荷物の乗せ降ろしがしやすくなるなど、バンとしての仕様向上もキッチリ果たしている。また、市場の要望に応える形でバンにもAT車(ガソリンエンジン車のみ)が用意されていた。
搭載エンジンも3代目は大幅に整理され、新開発となる2リッターのガソリンエンジンと2.2リッターのディーゼルエンジンの2種類となっている(1985年にはディーゼルターボエンジンが追加)。1987年8月のマイナーチェンジでは、さらなるRV車としての需要に応える形でパートタイム4WD車を新設。同様のタイミングでワゴンの上級グレードに異形ヘッドライトを採用し、より近代的なルックスへと変貌を遂げている。
なお、3代目ハイエースは南アフリカ共和国で2007年まで生産が続けられており、旧型を愛用するマニアは南アフリカ仕様のパーツなどを流用して楽しんでいるようだ。
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