共感できる?クルマ性能が大幅進化でも50年前から変わらない制限速度での取り締まり(1/2)

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  1. エコカー主流の今では高速道における最高速度違反の件数が減っている
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  3. 共感の得られない制限速度で取り締まっていては反感買うのは当たり前
  4. 制限速度の一部区間引き上げを切っ掛けに設定や表示方法の見直しを
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2017年11月1日に、新東名高速道路の新静岡から森掛川インターチェンジの約50km区間において、制限速度が従来の時速100kmから110kmに引き上げられた(大型貨物自動車などは従来と同じ時速80km)。1年間の試験的な措置だが、わずか時速10kmとはいえ、制限速度が時速100kmを超えたことが話題になっている。

高速道路に時速100kmの制限速度を最初に設けたのは名神高速道路で、1963年の開通時点からこの速度を設定していた。つまり日本の高速道路の最高制限速度は、54年間にわたり変更を受けていなかった。

>>制限速度を取り締まる警察/新東名110km/h区間

しかしクルマの動力性能や動力性能は、50年前と今では大幅に違う。1963年に発売された乗用車は、日産の2代目ブルーバード(410型)、日産と合併する前のプリンス2代目スカイライン(S50型)、いすゞ ベレットなどで、ブレーキは4輪にドラム式を装着するのが当たり前だった。

それが今の新型車には4輪ABS、さらに横滑り防止装置も装着されて義務化が進んだ。横滑り防止装置は新たに発売される新型乗用車には軽自動車を含めてすでに義務化され、継続生産車も小型/普通車は義務化された(軽自動車は2018年2月以降)。急ブレーキを掛けながら、ハンドルも操作して危険を回避する状態でも、挙動を乱しにくくなっている。

エコカー主流の今では高速道における最高速度違反の件数が減っている

かつて時速100kmで走る車両がブレーキをかけてから完全に停車するには、100mの距離が必要だといわれたが、自動車事故対策機構による自動車アセスメントのテスト結果では、フィットやデミオが42m前後で停車している。直進安定性も大幅に高まり、昔のクルマでは時速100kmで高速道路を走る時でも進路の微調節を行う場面があったが、今はその必要がほとんどない。クルマの安定性やブレーキ性能が大幅に進化したのに、高速道路の制限速度は置き去りにされている。

高速道路の制限速度は、設計速度を基準に決められる。設計速度とは、カーブの曲がり具合や勾配などから車両が安全で快適に走行できる速度のことだ。高速道路の規格は第1種と都市部を中心にした第2種に分類され、それぞれに等級を設けている。速度が最も高い第1種の第1級は設計速度が時速120kmで、この速度を基準にトンネルの数、交通量、交通事故の発生状況などを考えて、時速100kmの制限速度が実施されている。

これが制限速度の基本的な決め方だが、先に述べた車両の性能向上は考慮されていない。制限速度の設定方法に問題があるわけだ。

今はエコロジーが重視され、法定速度を大幅に超過したスピードで走るドライバーは減ってきた。特に燃費計を装着する車種では、速度を高めて走ると燃費の悪化が即座に分かる。これに伴って高速道路における最高速度違反の件数も減り、2016年は約40万件だった。時速40km以上の違反は、対前年比で10%以上減ることもある。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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