トヨタ自動車 製品企画本部 センチュリー 開発主査 清水 勉 インタビュー(3/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
V12エンジンを搭載する国内唯一のクルマ
次に、走行性能について、センチュリーは日本車で唯一のV型12気筒エンジンを搭載する。世界的に見ても、今日、V12エンジンを搭載するのは他に、メルセデス・ベンツAMGやフェラーリ、ランボルギーニくらいのことであろう(ベントレーは、W12気筒である)。
【清水勉】2代目のセンチュリーを開発するに際して、核をどうするか?といったとき、V型12気筒エンジンを日本初として、そこに据えました。当時の制約の中で、最高280馬力で、低回転・高トルクにより、低速でゆったり走れて、ショックもない走りにしようというわけです。この開発は楽しかった!
最初はスポーツカー向けのようなV12エンジンを作って、当時のセルシオに載せて走ってみましたが、音はいいけれど、ちょっとテイストは違うなと(笑)。また、生産性も考えて、直列6気筒エンジンのボアとかコンロッドという諸元を活かしながら、コロコロと滑らかに回るV12エンジンを作りました。
とはいえ、その昔、あんなに音のいいV12エンジンがトヨタにあったのを知っているのは、私くらいじゃないですか?
最初はスポーツカーエンジンのようなV12だったと話す清水勉の目は、キラキラ輝いていた。
【清水勉】サスペンションは、エアサスペンションを前提に開発がはじまっています。NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス=クルマの騒音振動といった不快な要素:筆者注)対策と、フラットライド(揺れなど、上下の動きが少ない:筆者注)の乗り心地を作りあげる観点からです。
ロードノイズについて申し上げれば、トヨタの中で最高の静粛性の水準を求めています。内山田竹志副社長の言葉によれば、「トヨタの中で一番フラットな乗り心地で、静粛性に優れるクルマ」と評価されています。
シートは、座ってご覧になると、その座り心地の違いにお気付きになるはずです。コイルバネ/Sバネ(S字形に連なるバネで、へたりを抑える:筆者注)/ウレタンの3層構造は、トヨタのなかでセンチュリーだけです。コイルバネで、座った瞬間のふかふかしたストローク感をあたえ、Sバネとウレタンで、腰を落ち着けたあとの体の支えをもたらしています。昔からの構造と言えばそれまでですが、ふかふかした座り心地に豪華さが生まれます。
シート表皮については、本革またはウール100%の素材を用い、耐久性を確保しながら、お客様がお召しになるスーツの生地を傷めない材料を厳選しているのです。
まったく、センチュリーの一つひとつの作りには感嘆させられる。ウール100%というシート表皮は、なんとも言えず柔らかな手触りであり、頬でなでたくなるほどだ。それでいながら、何万キロメートルも走行したシートの表面でも、やや色が変わるくらいでまったくといっていいいほど傷んではいない。驚くべき品質である。
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