トヨタ カムリハイブリッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
9代目で実現した「カムリの世界観」
そして乗り心地以上に変化を感じたのが、操舵に対する正確性だ。
微小舵角における曖昧な動きが払拭され、ハンドル操作に対して忠実に向きを変える。
微妙な味付けだと感心したのは、BMWやメルセデスベンツといった欧州車ほど、操舵に対するクルマの動きを突き詰めていないこと。
カムリのような4気筒セダンの良さは、リラックスできる運転感覚にも置かれる。
鈍いルーズな操舵感では気分を害して運転の仕方もぞんざいになるが、正確性が高すぎても、安楽さを削いでしまう。このあたりのサジ加減を入念に煮詰めた。
操舵に対する正確性が高まり、乗り心地も向上させたとなれば、難しくなるのが走行安定性の確保だ。
新型カムリでは、ボディ剛性の向上を図り、快適性と安定性の両方をバランス良く向上させた。 コーナーでは4輪がしっかりと接地して、挙動の乱れは少ない。
峠道などをスポーティに走れば旋回軌跡を拡大させやすいが、許容範囲に収まる。
危険を回避する時も同様だ。
操舵に対する反応が適度に正確だからドライバーに不安を感じさせにくく、前輪以上に後輪が踏ん張るからコントロールの難しい状態には陥りにくい。横滑り防止装置のVSCは、作動するタイミングが比較的早めで、挙動の乱れが拡大する前に横滑りを抑え込む。
以上のような操作を行う時は、運転姿勢を安定させることも大切。
新型のシートは、体が適度に座面に沈み、しっかりと支える。
北米市場を重視した車種とあって、座面の奥行、バックレストの高さとも十分に確保されている。長距離ドライブに出かけても疲労は少ない。
メーターは自発光式で視認性は良好だ。 ただし、日本ではLサイズの上級セダンに位置付けられており、質感はもう少し高めたいところだ。ATレバーが収まるセンターコンソール付近の造りも同様。先代型のユーザーが現行型に代替えする時は、見栄えの面で少し落胆するかも知れない。試乗してから結論を出すべきだろう。
リヤシートは先代型でも十分な広さがあったが、新型はさらに拡大している。
ペダルを含めてフロントシートの位置を7mm前進させ、リヤシートは背面形状を工夫して8mm後退させた。その結果、リヤシートの足元空間が15mm広がっている。
身長170cmの大人4名が乗車して、リヤシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ3つ分。センチュリーと同等になり、セダンでは最大級の広さだ。頭上の空間も不足しておらず、大人4名が長時間にわたり乗車できる。
リヤシートの座り心地も改善された。
座面を柔軟に仕上げ、前側は少し大きく持ち上げて、体のサポート性を高めた。前方の持ち上がったシート形状だと小柄な乗員が座った時に大腿部を押された印象になりやすいが、座面の前端を柔らかく仕上げ、違和感が生じないように配慮されている。
以上のような前後席の優れた居住性、上質な乗り心地、適度に正確性を高めた操舵感は、今まで明確に実現し得なかった「カムリの世界観」といえるだろう。
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