トヨタ カムリハイブリッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(5/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
同等の満足感を備えたコンパクトセダンの登場にも期待したい
豪華指向ではなく、スポーツ指向でもない、大人4名がリラックスして移動できることを特徴としたクルマ造り。この価値観は、カムリに限らず、今後のセダン全体に当てはまる方向性だと思う。
今では日本のクルマ選びの主力は、背の高いボディを持った空間効率の優れた車種。「低重心のセダンには操る楽しさがある」と訴求しても、説得力を持たない。
しかし、高重心のミニバンでは左右に振られやすい乗り心地が、セダンであれば横揺れが少なく快適と表現すれば、メリットを見い出すユーザーも少なくないだろう。
また、低重心に基づく優れた走りを「操る楽しさ」ではなく、「事故を未然に防げる危険回避能力」と置き換えれば、注目すべきセールスポイントになる。
いうまでもなく交通事故は、クルマにとって最大の欠点であるからだ。
特に長距離ドライブでは、危険に遭遇する機会が多い。子供は不快な横揺れでクルマ酔いを起こすこともある。安全と乗り心地に優れたリラックス感覚のカムリは、長距離移動用のクルマとしてピッタリだ。
そして長距離を走ればガソリンの消費量も増えるが、ハイブリッドであれば最小限度に抑えられる。
選ぶ時に注意すべき点として、まずは大柄なボディがある。
新型ではサイドウインドーの下端の後方が少し高まったので、先代型以上に斜め後ろの視界が悪化した。加えてボディ後端のピラー(ルーフを支える柱)も太めだ。
車庫入れや縦列駐車を行って、取りまわし性に不満がないかを確認したい。
今後の展開としては、適度なボディサイズのSAIに新型カムリの良さを取り込んで欲しい。我々が住んでいるのは、北米ではなく日本。カムリと同等の満足感を備えたコンパクトなセダンが求められる。
カムリの流れが変わり、それがSAIなど幅広い車種に波及すれば、セダン全体の魅力が増すことに繋がるだろう。セダンを豊富にそろえるトヨタなら、そしてセダンのユーザーを手厚く守り続けるトヨタ系ディーラーの販売力があれば、日本のセダンを再び輝かせることができると思う。
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