俳優の哀川翔氏が参戦するAXCR2018の模様を現地カンボジアからお届け! 【Day.4】
- 筆者: 松田 タクヤ
- カメラマン:古閑 章郎
合計430キロを走り、ついにカンボジア入り!
競技開始から3日目は陸路で国境を越える日だ。ホテルを出て100km走った後にタイ国内で最後のSSが行われ、80kmのリエゾンを経てカンボジア国境へ到達。出入国の手続きを行って160km先のシェムリアップ、つまりアンコールワットのある町へと向かうのだ。
この日の総走行距離は430kmと長いこともあって、SSの距離は80kmと比較的短い設定。いつもの通り二十数台の二輪勢が先行してスタートしたのちに四輪がスタートするかと思いきや、ここで「四輪は競技キャンセル」の知らせが。コース内の橋が壊れたということで、この日哀川翔選手がチャレンジする予定のSSそのものがなくなってしまった。
とはいえ、SSキャンセルはチームにとって決して悪い話だったわけでもない。哀川翔選手をはじめ、ナビゲーターにとってもちょっとした休息日になるし、メカニックにとってもラリーマシンをより完璧な状態に整備できるからだ。
競技中止の知らせはチームの良い休憩となる結果に
というわけでFLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMの一行はラリーマシンのランドクルーザープラドを筆頭にサービスクルーのクルマも含め全車が一旦集合し、そのままカンボジア国境へと向かったのだ。我々島国の人間にとって陸路による国境越えは何度味わっても面白い。
ボーダーのラインを越えた途端に景色や空気感、匂いまでが変わっていく感覚はなんともエキゾチック。日本では決して味わえない経験だ。
その後のスケジュールも自由になったので、一行は世界遺産のアンコールワット遺跡を訪れ、哀川選手を中心にみんなで記念写真を撮ったりして、楽しい時間を過ごすことができた。
突然のトラブルにも中央自動車大学校の生徒が的確に対応
また、ホテルではピットクルーが翌日のSS4に向けて修理や整備を行った。実は2日目のSSで右フロントサスのハブベアリングを壊してしまい、その修理を朝までかけて行い、無事終わらせていたのだが、細かい調整や整備がまだ残っていたのだ。
整備を担当するのは中央自動車大学校(CTS)の学生たち。同学校の「ステップアッププログラム」によって、4年生の中でもやる気のある学生が選抜され、春先から FLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMのランドクルーザープラドを全てバラして整備して組み立てるところから体験してきた。そして彼らがチームとともにアジアクロスカントリーラリーの現場に飛び、実際のラリーの現場でメカニックとして活躍している。
明日からは後半戦!果たしてどんなドラマが待ち受けているのか
ラリーという厳しい現場では、毎日のように整備していても、日々思いもよらないマイナートラブルが発生したり、時にはマシンが大きく故障して帰ってくることだってある。それを翌朝のスタートまでに現場にあるものだけで直していく、という作業は過酷ではあるものの、普段学校の中にいるだけでは決して学ぶことのできない経験だ。
こうした経験を通じて彼らは成長し、そしてFLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMのランドクルーザープラドは彼らの責任のもとに走り、彼らの夢を一緒に背負ってゴールへ向かっていく。だからこそ「完走」せねばならないのだ。さあ、明日からはいよいよ後半戦。哀川翔選手の活躍に乞うご期待!
■Day.1のレポートはコチラ
■Day.2のレポートはコチラ
■Day.3のレポートはコチラ
[Text:オートックワン編集部 Photo:古閑 章郎]
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