FRのハチロクで氷上走行をとことん楽しむ!「2017 iceGUARD5 PLUS & PROSPEC Winter Driving Park」試乗レポート(3/3)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:島村栄二
雪道ドライブに役立つトークショーも
イベントの合間の休憩時間には、日下部氏とモータージャーナリスト竹岡圭氏(今年は全日本ラリーにスポット参戦を計画)による、雪道ドライブに役立つ情報を中心としたトークショーが開かれた。
その内容を抜粋すると、
・走行路面を選べるときは、ミュー(=グリップ)の高い路面を選ぶこと。具体的には前述したようにツルツル、テカテカした氷は滑るのでなるべく避け、白くてザラザラした雪の上を極力走る
・駆動方式によるクルマの動きの違い。FFは比較的イージーだけれども、アンダーステアもオーバーステアも発生する。どちらかというと、全体的に速く走るには我慢が必要。FRはとにかくデリケートなアクセル操作が必要、その代わりコントロール幅は広い
・雪道の走り方について。ミューが低いのでオーバースピードは絶対NGで、ハンドルの切り過ぎもドライ以上に強いアンダーステアになるので厳禁。そういった、してはいけない操作もこのイベントなら安全なのでやってみて欲しい。
といった内容に、参加者は皆真剣に耳を傾けていた。
1回戦の相手はロードスター!
そして、仕上げはアクセルワークエリアを使ったカーチェイスと、ハンドリングエリアを使ったタイムアタックという気軽ではあるが真剣勝負のイベントが開かれた。
カーチェイスは定常円で間隔を半周開けた2台が同時にスタートし、3周程度の間に差を詰めた方が勝ちというルール。タイムアタックは言葉通りタイムを競う。
勝負は駆動方式で分けたグループごとに行われ、CグループのFRチームである私の1回戦の相手は先代ロードスター。1回戦は先方のタイムロスにも助けられて勝利。そして2回戦が決勝戦となったのだが、相手はなんと参加者が足りなくなって、急遽出場することになった竹岡圭さん(!)のミニが登場。
最終戦の相手はなんと・・・
低ミュー路では、サンタのソリのように前から引っ張るFFのトラクションの高さは絶対的に有利なだけに、勝負は絶望的・・。何とかテールスライドを維持する筆者であったが、ミラーを見るとあっという間に竹岡さんにロックオンされ案の定、敗北。しかし、有利なFFに乗る竹岡さんは章典外ということになった結果、カーチェイスでは筆者が優勝した。
雪道は、時間経過や車両通過によってフカフカの新雪が圧雪になり、気温によってシャーベット状になったり、中途半端に低い気温で多くのクルマが走れば水が浮いたアイスバーンになるなど、刻々とコンディションが変化する。
ハンドリングエリアも同じようにコンディションが悪い状況で、「これは無難にゴールしないと何も始まらないし、無難にゴールすれば結果につながるかも」と判断。
本番は作戦通りの走りに徹し、作戦通りの走りが出来ているように思えた。しかし、結果はトップの先代ロードスターに0.9秒及ばず2番手。悔いはないけれども、少し残念な結果となった。
ここで、氷上走行をサポートしてくれた2つのアイテムについてご紹介したい。
横浜ゴム スタッドレスタイヤ/iceGUARD5 PLUS
氷上、雪道走行に最大にして唯一必要なパーツであるスタッドレスタイヤは、横浜ゴムの乗用車用スタッドレスタイヤの最新作となるiceGUARD5 PLUSを装着。
筆者の86には昨シーズンからiceGUARD5 PLUSを履かせており、それなりに雪道も走ったが前後左右(ブレーキ、加速、コーナリング)のグリップがアイスバーンも含めバランスよく高い上に、雪でのドリフトコントロール性の高さが魅力だ。
また、スタッドレスタイヤがサマータイヤに劣る騒音や燃費もサマータイヤと同等に近い印象で「スタッドレスタイヤだから」というマイナスがないのも素晴らしい。筆者が86で楽しい雪道ライフが送れているのはiceGUARD5 PLUSのおかげという部分も大きいと思う。
景品を賭けたジャンケン大会や講師陣からの挨拶もあった閉会式では、日下部氏から「皆さん楽しそうに走っていたことが印象的でした。今日得たことを公道で事故を起こさないように役立ててください(笑)。来年もぜひ、開催したいと思います」という言葉があった。
このイベントで筆者は大いに楽しみ、ドライビングスキルも向上した。しかし、ふだんから「とにかくクルマで走りまくりたい」とまでは考えていない筆者が、今回は寸暇惜しんでまで氷上走行を楽しめたことに、何より筆者自身が驚いていたことは紛れもない事実だ。
安全が確保された氷上走行というのは、それほどまでに楽しい。楽しみながらスキルを向上することの出来る舞台として、皆さんも機会があればぜひ参加することを大いに勧めさせて頂きたい。
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