即完売のWRX STI限定車をSTIパーツでさらにチューニング!新型フォレスターは走りが激変
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志
即座に売り切れたWRX STI タイプRA-RにSTIパーツを装着
スバル WRX STIをベースにした台数限定のコンプリートカーはS207もS208も大人気で、最新にしてスバルテクニカインターナショナル設立30周年記念モデルでもあるタイプRA-Rも、500台が発売当日に売り切れた。
歴代最強スペックを持ち、しかもストイックに走りを追求したスパルタンともいえるこのモデルが、熱いスバリスト達の支持を受けるのは当然だとすんなり納得できるが、同時にSTIが手掛けた最も新しいモデルであるだけに、パフォーマンスに関して不満などないだろうということも簡単に予想ができる。だって、僕なんてノーマルのWRX STIでも物足りなさを感じたことがないのだから。
今回の試乗車は、そのWRX STI タイプRA-Rにさらに“STIパフォーマンスパッケージ”などを装着し、さらに走りを磨いたものだった。
WRX STI タイプRA-R用STIパフォーマンスパッケージの内容は?
このSTIパフォーマンスパッケージとは、フロントアンダースポイラー(3万9000円/消費税抜・以下同)、サイドアンダースポイラー(5万5000円)、リアサイドアンダースポイラー(3万5000円)、リアアンダースポイラー(4万円)からなる“STIスタイル・パッケージ”と、フレキシブルタワーバー(3万円)、フレキシブルドロースティフナー(5万6000円)、フレキシブルサポートサブフレームリア(2万9000円)のSTIならではのフレキシブル系補剛パーツ3点からなる“コンプリートキット”をセットにしたもの。
それに加え空力系ではバンパーカナード(2万5000円)、スカートリップ(1万3000円/ブラック仕様は1万円)、ドライカーボンリアウイング(33万円)などが備わっている。
ドレスアップだけじゃない!ニュルで鍛え抜かれた機能パーツ
空力がどれくらい向上しているかを比較することは、標準のタイプRA-Rに試乗してないから、申し訳ないのだけど語れない。が、例えば3速全開から4速にシフトアップしながら曲がっていく速いコーナーでリアが安定を失わないのは、間違いなくウイングを中心としたエアロパーツ類がしっかりとダウンフォースを生み出していることの証だろう。
これら各パーツはちゃんと風洞試験をしているだけでなく、ニュルブルクリンクを走るなどして有効性を確認した後に販売に移されたもの。もちろん、軽量化のためにエアロパーツを装着していない標準のWRX STI タイプRA-Rをドレスアップするという役割もあるのだけど、本来の役割を全うする、きっちりと機能パーツなのだ。
そして、もっときっちりと機能パーツであるフレキシブル3点セット。真ん中にピロボールが入ることで路面のギャップなど上下方向の入力をいなし、左右方向の入力に対してはガッチリと支えるフレキシブルタワーバー。車体とフロントのクロスメンバーの間を適度なテンションで繋いでシャシーのしなりを抑えるフレキシブルドロースティフナー。車体とリアのクロスメンバーの間をゴムブッシュを介して左右分割でしなやかに繋ぐフレキシブルサポートサブフレームリア。いずれも地味ながら、車体やシャシーを強化しつつも逃がしたい余分な力をやんわりと逃がしてあげるような優れものだ。
つまり乗り心地を悪化させることなく、4つのタイヤやサスペンションが持っている性能をしっかりと活かしきる、つまりはハンドリングとコーナリング性能を引き上げてくれるパーツである。
パーツ効果絶大!コーナリング時に感じた安定感
これ、かなり効いてるんじゃないかと思う。乗り心地が硬いといえば確かに硬いのだけど、当たりがキツかったりして不快に感じられることはなく、しなやかさが残ってる印象だったし、これは空力パーツとの相乗効果でもあるのだろうけど4つのタイヤは常に路面にしっかり接地していて、コーナーでは“いったいどこまで攻めていけるわけ?”と感じちゃうぐらいの速度域まで持っていっても、破綻をきたすことなくノーズをグイグイと内側に向けて驚くほどの素早さで曲がっていく。
そんなときのギャップやうねりを踏みつけても、姿勢が乱れたりすることもない。標準型RA-Rについては信頼できる同業の人から“実際には挙動は安定してるんだけどドキッとするようなフィーリングを伝えてくるときがある”と聞かされていたけれど、今回試乗したWRX STI タイプRA-Rはそんなことは一度もなかった。乗り味キツイなぁと感じることも冷や汗をかくような想いをすることもなく、ただただ速く、ひたすら楽しいばかりだったのだ。
新型フォレスターのSTIフレキシブル系パーツは効き目大!
そのフレキシブル系パーツは、もう1台の試乗車である新型フォレスターにも装着されていた。フレキシブルタワーバー(3万円)とフレキシブルドロースティフナー(2万8000円)だ。
実はこのクルマにはフロントリップスポイラー、フロントサイドアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、エアロガーニッシュ、リアサイドアンダースポイラーで構成されるエアロパッケージ(16万5000円)も備わっていたが、その効き目に意識がいかなかったぐらい、フレキシブル系パーツの効き目に気持ちが向いてしまったほど。
こうしたSUVには、ストローク感たっぷりのフラットでしなやかな乗り味を期待する人も少なくないことだろうが、このクルマはオリジナルの足腰をそのまま活かしたまさしくそうした快適な乗り心地を満喫できる。これはとても重要。
そのうえでステアリングを操作したときのとても素直な操舵感、全く遅れがなく適度にシャープにクルマが向きを変える応答性、高速コーナリング時のサスペンションが持つ包容力をしっかり使い切れる“粘り腰”感、そうしたときに路面の荒れた場所に飛び込んでも乱れることなく駆け抜けていける安定性…といった、楽しさや気持ちよさをたっぷりと味わえるのだ。
それを簡単に言葉にしちゃうと“快適さはそのままにスポーティさを増した”みたいになるのだろう。ただし、それは正しいけれど、全てを言い表してるとはいえない。
増幅したスポーティさはクルマ好きのドライバーにとって、間違いなく大きな喜び。けれど、クルマの運転は月に何度かしかしない、なんて人にとっても大きなメリットがある。ただ乗り心地がしなやかなだけでリラックスできるのに、操作に対して正確に動いてくれると自信を持って走らせられるし、路面が生む外乱の影響を受けずに走れることは安心感にもつながる。腕のいい人にもそうでない人にも、このフレキシブル系パーツは効き目たっぷり、なのだと思う。
STIはフレキシブル系パーツについて、“体幹を鍛えると姿勢がよくなり身体を思いどおりに動かせる”という例を出して説明してくれたが、まさしくそれ。
でも僕達自身の体幹はかなり根性を入れて時間(と場合によっては結構なコスト)をかけないと鍛えられないけど、スバルのクルマはこれを装着するだけで一気に変わるのだ。しかも新型フォレスターならパーツ代は5万8000円ですむのだから、フォレスターユーザーに自信を持ってオススメしたい。
[Text:嶋田智之/Photo:和田清志]
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