スバル STIに新たな個性派の2台、WRX S4 tS/XV HYBRID tS 試乗(2/4)

スバル STIに新たな個性派の2台、WRX S4 tS/XV HYBRID tS 試乗
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シフトミスなどなしにスポーツドライビングに集中できる

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2リッターのターボエンジンは、最高出力300ps、最大トルク40.8kgf-mともはや十分以上の動力性能。CVTとの組み合わせによるフィーリングが気になる方も多いだろうが、スポーツリニアトロニックCVTは<SI-DRIVE>(Subaru Intelligent Drive)を”S♯モード”(Sport Sharp:スポーツシャープ)に入れて走れば、実にスポーティな感覚が味わえる。ここもS4同様。

>>[画像130枚!]スバルSTI tSモデル(WRX s4 tS/XV HYVBRID tS) フォトギャラリー

一方で普段は”Iモード”(Intelligent:インテリジェント)にしておけば燃費も考慮した制御をするため、ややかったるさはあるが性能の割に悪くない燃費も実現できる。このメリットもデカいだろう。

もちろんWRX STIのような、MTだからこそのエンジンを自在に操って走る感覚は薄い。しかしスポーツリニアトロニックのWRX S4 tSは、その気になればシフト操作もほぼ不要ながら、状況に合わせて制御を行なってくれて、さらにシフトミスはない。

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加えてMTの場合、ハンドル操作とシフト操作を行う必要があるので、スポーツ走行時には操作遅れをしてしまう方も意外に多いが、CVTならばステアリング操作に集中できるので、よほどドライビングに習熟した方でなければ、実はCVTの方が速く正確に走れるわけだ。

しかも今回S4 tSには、CVT用のオイルクーラーも備わっているため、サーキットを走ってもフェイルセーフ機構が早々に働きパドルによるMT操作がキャンセルされる、ということもないだろう。

ペースを上げても滑らかな乗り味は変わらない

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郊外を少し高いペースで走っても、先に感じたWRX S4 tSの滑らかな感触は失われない。

またペースが高まるとフラットな乗り味が顔を出し、かなり好印象を覚えた。これはやはりビルシュタインのDampMatic II(ダンプマチック・ツー)の効果といって良いだろう。合わせてフレキシブルタワーバーやドロースティフナーなどの補剛もあいまって、シャシーは確かに強靭ながらしなやかな感覚を生むものへと深化している。

またS4 tSではブレーキも強化されており、これも走りを味わう上で頼もしい要素のひとつとなるだろう。ノーマルのS4でサーキットを走ると、やはり若干ブレーキが頼りなく感じるが、このブレンボであれば安心して踏んでいけるだろう。もっとも公道における低速でのストップアンドゴーでは、やや鳴きが気になったが。

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スバル自慢の運転支援システム ”アイサイト”Ver3.も標準装備

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とはいえこれだけ本格的な走りを、2ペダルで堪能できるのは実に価値のあること。さらに良いのは、2ペダルモデルであるがゆえに、スバルのお家芸である”アイサイト”(Ver.3)を備えている点である。

スポーツモデルというと、どうしてもこうした運転支援技術の装着が遅れており、特に国産スポーツモデルはこの点で輸入スポーツモデルに水をあけられていた。しかしながらWRX S4 tSは300psを発生するスポーツセダンながらも、安全装備もトップクラスという非常に理想的な存在となっているのだ。

WRX S4 tSはきっと、国産スポーツカーのひとつの指標になる

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今回実際に走らせてみて、さすがSTIが手がけたことだけある・・・といえるだけの素晴らしい走りの質感があった点も大切ではあるが、それ以上にアイサイトを標準装備したことは意義のあることだといえるだろう。

そうした点においても、このWRX S4 tSは今後の国産スポーツカーのひとつの指標になるともいえる存在である。

>>スバルSTI tSモデル(WRX s4 tS/XV HYVBRID tS) フォトギャラリー[画像130枚!]

ちなみにS207はまさに“瞬殺”で完売してしまったが、このWRX S4 tSは来年2017年の3月17日までの期間受注販売となっているので、気になる方はディーラーにコンタクトされたし。

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

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