スバル STIコンプリートカー「WRX STI tS TYPE RA」[300台限定] 試乗レポート/マリオ高野(1/4)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:オートックワン編集部・スバルテクニカインターナショナル[STI]
魂を抜かれるほど感動する、空前の驚愕ハンドリング!
不肖マリオ高野、40年の人生で最大級の衝撃を受けました。ハタチで免許を取って以来、スバル車に魂を抜かれるほど感動したのはこれで何台目になるか数えきれませんが、その中でも1~2を争う超ド級の衝撃です。
そんな衝撃を与えてくれたスバル車の名は、「WRX STI tS TYPE RA」。
7月2日に発売され、瞬く間に限定300台のうち260台が売れてしまったSTIの最新コンプリートカーです。
悶絶ポイントはいくつもありますが、まず大特筆したいのが空前の驚愕ハンドリング。「超鋭敏なステアリングレスポンス」と「鉄壁の安定性」という、本来なら相反するはずのふたつの要素がありえないレベルで両立しているのです。その秘訣はステアリングのギア比が「11対1」という、市販車ではおそらく可変式を除いては世界唯一のクイックなレシオの採用で、これが威力満点の最終兵器として、異次元の操縦性を生み出しました。
峠の走りっぷりは、もはや「未知との遭遇」・・・
峠道のコーナーでは思いのままにグイグイと向きを変えてくれるのですが、まるでフロントにエンジンが搭載されていないMR車のように鼻先が軽く感じられるのです。さらにキツメのコーナーで追い込むと、普通ならフロント外側のタイヤに荷重が集中してギャギャギャ~とスキール音が鳴り響き、内側のタイヤの荷重が抜け気味となるはずもそれがなく、フルロールしても4輪の接地圧(荷重)が均一のまま旋回するイメージが伝わります。本当に4輪荷重が均一のまま旋回し続けることはさすがにありえないはずですが、従来のクルマと比べると4輪の接地圧の変動は圧倒的に少ないのでしょう。
車体はロールしているのに、フロントのサスペンションは左右で同じように伸び縮みしているような不思議な感覚も味わえました。ほとんど未知との遭遇です。
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