リコールはメーカーだけの責任ではない! 完成検査問題をより良くするための意識とは

リコール制度について

商品に何らかの危険が生じると考えられる場合、その商品を回収して、修理や交換を行う。クルマではこれが「リコール制度」として確立された。自動車メーカーが自主的に国土交通省へ届け出て、クルマを回収し修理を施す。この措置により、重大や故障や交通事故などに発展するのを防ぐ。

国土交通省はリコールの届け出を受けると、車両に生じた不具合情報の収集と分析、メーカーのリコール状況の調査などを行う。取り組みの仕方が不適切な時は、必要な指導や監査をすることもある。さらにメーカーが自主的にリコールを行わず、事故が発生した時は、勧告や命令をすることも可能だ。

リコールの届け出があった時は、ユーザーに通知して回収や修理を促すとともに、メーカーと国土交通省が情報を公開する。それにより安全性を高める。

>>ここ最近でリコールが発生したクルマたちを画像でチェック[11枚]

もっとも危険なのは“リコール隠し”

クルマは2~3万点の部品で成り立ち、制御も複雑だから、不具合の発生を皆無に抑えるのは難しい。そうなると安全を確保するには、不具合を迅速に発見して、危険が生じる前に回収や修理を施すことが大切になる。

最も危険なことは、不具合を発見したのに、国土交通省への届け出を行わない「リコール隠し」だ。リコールが隠されると、不具合の情報を共有できず、回収や修理も行われないからユーザーが危険な状態に陥ってしまう。

リコール隠しを防ぐのに必要な意識とは

このリコール隠しを防ぐには、「リコールを責めず寛容に対応すること」が求められる。リコールが生じたことを過剰に責めると、メーカーや担当者が萎縮して不具合を隠すことに繋がりかねない。

メーカーは極力リコールを生じさせないよう、安全に配慮した商品造りを行う。それでもなお不具合が生じた時は、もはや責められず、リコールを早急に行って危険な状態を回避する。誰もが最善の仕事をしている性善説に立ち、リコールが生じた時は淡々と対処すべきだ。

責めたくなってしまうのが“完成検査問題”

ただし数あるリコールの中には、「これは防げるでしょう」と思わず責めたくなる案件もある。

それが一連の完成検査問題だ。新車が工場で生産されると、必ず完成検査を受ける。本来なら社内で完成検査員に任命されている有資格者が完成検査の合否を判定するが、実際は無資格の人が完成検査を行ったり、検査方法に誤りがあった。

これがリコールの対象になっている。本来の完成検査を受けていないから、改善措置として、ディーラーに併設された指定整備工場などによって自動車検査員が改めて確認を行う。一般的なリコールは部品交換などの作業を伴うが、完成検査に関するリコールは確認作業だ。

完成検査問題、責めたくなるワケ

この完成検査問題に関して、責めたくなる理由は2つある。まずは一般的なリコールに見られる開発や生産行程の「過失」ではなく、資格のない人に検査をさせるなどの「不正」に基づくことだ。安全に配慮しながら生じた不具合とは意味が違う。

2つ目は完成検査問題が複数のメーカーで頻発していることだ。日産、スズキ、スバルが完成検査問題でリコールを行った。しかもひとつのメーカーが、複数回にわたり誤った完成検査をしていたこともあった。度重なる不正が生じたことになる。

リコールの責任はメーカーには限らない?

なお完成検査は「国の新規検査に代替するもの」だから、そこで生じた責任は国(国土交通省)にもおよぶ。つまりリコールの責任は、国、業界、メーカーのすべてが負うべきものだ。

基本的にリコール案件は、責めずに寛容に扱うべきだが、完成検査問題は根底にある安全を願う気持ちに背くものだった。それだけに見過ごせない課題になっている。

完成検査の方法が昔から変わらず、やりにくいなら、現代に合った方法に変更する必要もある。

[筆者:渡辺 陽一郎]

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

検索ワード

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる