特別な内外装と買い得感に太鼓判! 新型ノート AUTECH CROSSOVER(オーテック クロスオーバー)に速攻試乗した

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日産のコンパクトカー、新型「ノート」(ノート e-POWER)に新たなラインナップ「ノート AUTECH CROSSOVER(オーテック クロスオーバー)」が加わった。モータージャーナリストの岡本 幸一郎氏が、流行りのSUVスタイルをまとったニューモデルに速攻試乗。特別感のある内外装や買い得な価格設定に「新型ノートでもっともお買い得なモデルかもしれない」と早くも太鼓判を押す岡本氏のファーストインプレッションをさっそくお伝えしよう。

目次[開く][閉じる]
  1. NISMO(ニスモ)と共に日産のスポーツカスタム部門を担う“AUTECH(オーテック)”ブランドから登場した新たな1台
  2. サゲよりアゲが難しい!? ローダウンではなくリフトアップさせるカスタムはAUTECHシリーズ初の取り組みだった
  3. ノート オーラやNISMO、ノート AUTECHなどのスペシャルモデルと比べ、新型ノート AUTECH クロスオーバー買い得感は一番だ

NISMO(ニスモ)と共に日産のスポーツカスタム部門を担う“AUTECH(オーテック)”ブランドから登場した新たな1台

登場して約1年の間、すでにいろいろなバリエーションが送り出された日産 新型ノート(ノート e-POWER)に、新型では初のクロスオーバータイプが加わった。それも日産のカタログモデルではなく、AUTECH(オーテック)ブランドとして、である。

「AUTECH」というのは、35周年を迎えた日産の関連会社であるオーテックジャパンによる日産のサブブランドで、兄弟ブランドの「NISMO(ニスモ)」がモータスポーツ由来の“ピュアスポーツ”を標榜するのに対し、AUTECHは日産直系のファクトリーカスタムのパイオニアとして、匠の技を駆使したクラフトマンシップや創造力による、“プレミアムスポーティ”をコンセプトとしており、2018年のセレナを皮切りに、これまで全8モデルが送り出されてきた。現行ノートについてもすでに「ノートAUTECH」が発売されている。

今回の「ノートAUTECHクロスオーバー」は、見てのとおり内外装が専用に仕立てられており、SUVの機能とスタイルに加えて、AUTECHブランドならではの上質感が与えられている点が競合車との違いとなる。

最低地上高を25mmアップし、タフなイメージで統一した

外観は車高(最低地上高)を25mm高くし、タフなイメージのホイールに大径タイヤを組み合わせ、ホイールアーチガーニッシュを配した足元や、フロントおよびサイドシルのプロテクター、ルーフモールなどを追加したことで、イメージが一変している。

ボディサイズは4045mm×1700mm×1545mmと、ノートAUTECHの4080mm×1695mm×1520mmに対してやや短く、わずかにワイドとなっている。車高が1550mmを超えていないので、機械式立体駐車場にも問題なく収まる。最低地上高は25mm増の145mmとなったことで、アウトドアレジャーに出かけて砂利道や雪道などを走る際にも下まわりをヒットする可能性が低まり安心して走れることも期待できる。

インテリアはオーテックジャパンの生まれの地である茅ヶ崎の海と空をイメージした青のアクセントやステッチが各部にあしらわれている。凝ったロゴの刺繍を施したレザレットのシートもクロスオーバー専用だ。

サゲよりアゲが難しい!? ローダウンではなくリフトアップさせるカスタムはAUTECHシリーズ初の取り組みだった

新型ノート AUTECH クロスオーバーのリフトアップされた車高についても触れておこう。

オーテックジャパンでは、AUTECHブランドを立ち上げる前からこれまで数々のコンバージョンモデルを手がけてきたが、ローダウンすることはあっても高くしたことはあまりなく、特にAUTECHとしては今回のクロスオーバーが初めてとなるが、実は高くするほうがよっぽど大変だったという。

車高を上げると重心高も上がり、サスペンションの動きも変わって、本来の性能を発揮できなくなる。そこを各部のチューニングで狙った方向性を追求したわけだが、具体的にはタイヤをベース車と同じ60偏平のままサイズを185から195とすることで大径幅広化し、専用のスプリングおよびショックアブソーバーを装着してふらつきと浮きロールを抑えた。さらに、安心感とどっしり感を担保すべく、パワーステアリングを専用特性とした。

重心の高さを感じさせない、新型ノート特有の小気味よい走りを継承

これらによる走りの仕上がりは、なかなか妙味だ。ノートの持ち前の小気味よい走り味を損なうことなく、大きくロールすることもなく、上手くまとまっていた。まだクローズドコースを試走したのみで、公道を走っていないので確認できていないが、おそらくベース車ではやや気になった跳ねも緩和されていそうな雰囲気を感じた。

e-POWERに関する変更はないのは、ノートAUTECHと同じ。ただし、わずかとはいえタイヤの外径が大きくなり、車両重量も微増したせいか、微妙に加速がおだやかになったように感じられたのだが、もともと俊敏で力強い「ひと踏み惚れ」が魅力のe-POWERの強みは損なわれることはない。

e-POWER 4WDもラインナップ! 舗装路でも選ぶ価値のある四駆だ

また新型ノート AUTECH クロスオーバーには、これまでのe-4WDとは別物で、リアに強力なモーターを配したe-POWER 4WDもラインアップされている。

2WDと4WDでは走りの性格がだいぶ異なり、2WDは軽快なドライブフィールが、4WDはハンドリングの洗練ぶりがそれぞれ際立っている。4WDは降雪地のユーザーに限らず、乾燥した舗装路を走るにも多くのメリットを感じさせる仕上がりであることもあらためて強調しておこう。

ノート オーラやNISMO、ノート AUTECHなどのスペシャルモデルと比べ、新型ノート AUTECH クロスオーバー買い得感は一番だ

新型ノート AUTECH クロスオーバーが3ナンバーの「オーラ」ではなく、ノートAUTECHと同じく標準のノートをベースとしているのは、オーラはあくまで日産の中での特別なモデルであり、違った方向性で特別感を訴求するAUTECHや同クロスオーバーとは、むしろ競合相手になるようにすら感じられる。

このクルマが日産のカタログモデルではなくAUTECHブランドから送り出されたのは、特別仕立ての内外装だけでなく、こうして車高を高めてもベース車と変わらない走りの完成度を担保するためでもある。

ノート AUTECHのわずか3万3000円高という割安な価格設定

価格は、新型ノート AUTECHがベース車の約30万円高のところ、ノート AUTECHクロスオーバーはさらに約3万円高の253万7000円~279万6200円と意外と控えめで、同等の仕様のオーラよりもやや安い。

こうして見ていくと、これまでAUTECH、オーラ、NISMOと付加価値を高めた新型ノートがいくつか出てきた中でも、コスパの高さと見栄えのよさはもちろん、わかりやすい特別感や所有する喜びなどを考えると、新型ノート AUTECH クロスオーバーがもっともお買い得なのではという気がしてきた。

[筆者:岡本 幸一郎/撮影:和田 清志・NISSAN]

>>SUVになった新型ノート! 買い得感ある特別な日産 新型ノート「AUTECH クロスオーバー」の内外装を写真でもっと見る[画像ギャラリー]

日産 新型NOTE AUTECH CROSSOVER(ノート オーテック クロスオーバー) 主要スペック(諸元)

ボディサイズ:全長4045mm×全幅1700mm×全高1545mm/ホイールベース:2580mm/最低地上高:(FF)145mm/(4WD)150mm/車両重量:1240kg(FF)/1360kg(4WD)/乗車定員:5名/エンジン種類:HR12DE型 直列3気筒 ガソリンDOHCエンジン/総排気量:1198cc/最高出力:82ps(60kW)/6000rpm/最大トルク:103Nm(10.5kgfm)/4800rpm/フロントモーター最高出力:116ps(85kW)/2900-10341rpm/フロントモーター最大トルク:280Nm(28.6kgfm)/0-2900rpm/(4WD)リアモーター最高出力:68ps(50kW)/4775-10024rpm/リアモーター最大トルク:100Nm(10.2kgfm)/0-4775rpm/動力源主電池:リチウムイオン電池/タイヤサイズ:195/60R16(前後)

※車両は持ち込み登録(AUTECH扱い)/エンジン&モータースペックなどはベース車「ノート X」「X FOUR」の数値を掲載

日産/ノート
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新車価格:
229.9万円269.1万円
中古価格:
18万円323万円

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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