マクラーレン MP4-12C 試乗レポート/九島辰也(1/2)
- 筆者: 九島 辰也
最後の大物がオリジナルマシンを携え動き出す
最近は、F12ベルリネッタにアヴァンタドール云々となにかと話題の多いスーパーカー市場だが、自動車業界最後の大物ともいうべきマクラーレンもついに動き出した。
あのロン•デニス率いる名門F1チームが久々のロードカーを送り出し、高い評価を得ている。
マクラーレンといえば、我々日本人にはホンダエンジンを搭載したフォーミュラマシンが印象深いが、ロードゴーイングマシンにもBMWとコラボしたマクラーレンF1やメルセデスとコラボしたマクラーレンSLRなどがある。どちらも“超”が付くスーパーカーなのはいわずもがな。
ゴードン•マレーがデザインしたマクラーレンF1のスタイリングは当然のことながら、エンジンルームに貼られた金箔をいまでも鮮明に記憶している。そのキラキラした光景にカメラマンと口を揃えて「マブしい!」と叫んだ。もちろん、『アラブ仕様』ということではなく断熱効果を図った装備である。
そのマクラーレンが今度はオリジナルのロードゴーイングマシンを誕生させた。ご存知マクラーレンMP4-12Cである。日本では昨年10月にプレス発表が行われ、東京、大阪に2件のディーラーがオープンしている。すでに国内登録も順次行われているようだ。
12Cの“C”の意味は?
そんな折の7月初旬、彼らが本社を構える英国ウォーキング近郊でテストドライブする機会を得た。しかもコースは英国BBCの人気番組「Top Gear」で有名な飛行場の一角を使ったショートサーキットである。
インストラクターはこのクルマでGT3に出場するレーシングドライバー。自らステアリングを握ってのデモ走行も用意されていた。
では、簡単にこのクルマのプロファイルをおさらいしておこう。
まず、フレームは一体型カーボンファイバーで成形されたキャビン部分と前後のアルミフレームからなる。目的は剛性の高さと軽量化の両立だ。長年フォーミュラマシンでカーボンシャシー構造を手がけてきた彼らにはなんら抵抗のないつくりである。
そしてエンジンは3.8リッターV8+ツインターボで、最高出力は600psを発揮する。ちなみに“12C”というネーミングは12気筒並みのパワーということだ。“C”はシリンダーという意味にもとれるが、カーボンを表しているそう。ギアボックスは7速デュアルクラッチ、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式を採用する。
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