ルノー ラグナ 試乗レポート

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クルマにも“旬”はございまして……。

フランスではこのクラスのトップセラーカーのひとつで、ヨーロッパ全体でも極めてメジャーな存在のルノーのミドルクラスカー『ラグナ』が、ようやく日本でも発売となった。ここで「ようやく」という言葉を用いたのは、実はこのクルマはヨーロッパでは2001年の春からセールスされているため。2年近くものタイムラグが生じてしまった理由を、ルノーでは「このクルマの売り物のひとつであるマルチファンクション・カード式キーシステムの、日本の電波法への適合に時間がかかったりしたため」と述べている。それにしても、今や自動車は“旬のモノ”のひとつ。いくら何でも、せめて数ヶ月の遅れ程度で上陸をして貰えないだろうか……。

ルノーらしい“顔”はラグナでも健在。

そんな日本のラグナは、一見セダン風に見える5ドア・ハッチバックボディと、ステーションワゴン・ボディという2タイプ。心臓部分は 207ps/28.5kgmというパワー/トルクを誇る電子制御スロットル付き3リッターV6の4バルブDOHC。トランスミッションは日本メーカー(アイシンAW)製の5速ATと、このあたりは日本ではひと足先の発売となったアヴァンタイムのそれと同様のスペックを並べることになる。

広報資料によれば“個性的な…”と紹介をされるラグナのエクステリア・デザイン。が、テストドライブを行ったクルマがどちらもグレー系の比較的地味なボディカラーをまとっていた事もあってか、ぼくの目にはその姿はむしろさほど強いオリジナリティを発散しているようには思えなかった。ただし、最新の“ルノー顔”でまとめられたフロントマスクだけは、少々クセが強いために好きキライがハッキリ分かれそうだ。

大人が楽に着座できる室内空間もさることながら、シートの出来は秀逸。

一方のインテリアは、流れるような曲面多用のダッシュボード回りや、そこに施されたシルク調(?)のシボをはじめとして、むしろエクステリアよりも特徴的なデザインの持ち主に思えた。室内空間は大人4人にとっては十二分で、ハッバック/ワゴン共にリアシートは足元の広さが印象的。ただし、左右ウインドウの倒れ込みは少々きつめ。このあたりには空力重視のスタイリングの持ち主という雰囲気も漂う。

驚いたのはハッチバック・モデルのラゲッジスペースの広大さだ。まるで「これではワゴンの立つ瀬がないのでは!?」というくらいに、それはドカンと広い。このあたりがヨーロッパ車の底力。日本車のように「4WD仕様が必須」とならないため、低くて深いフロアが作れるところも効いていそうだ。

日本の開発陣も一目置くという高いレベルの安全性に脱帽。

走りのテイストはジェントルだ。このクルマが、あくまでもファミリーユースを狙ったことを感じる乗り味と評しても良いだろう。ゆったりとした乗り味は、分厚いシートクッションによるところも大きそう。長距離/長時間をドライブしても疲れ知らずのシートは、フランス車の面目躍如でもある。

ちょっぴり違和感を抱いたのは50km/h程度までの低速域でのステアリング・フィール。EPS(電動パワーステ)採用車にありがちな路面とのコンタクト感に乏しく、中立付近の座り感が今ひとつのテイストは、このクルマでも完全に拭い去れてはいない。

ちなみに最新のルノー各車は、日本メーカーの安全技術担当者が一目を置くほどにセーフティ性能が高いことも特徴。ラグナも各種のテストで好成績をマークすると同時に、実は実際の衝突時の安全性も非常に高いと言われる一台なのである。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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