ポルシェ 新型ボクスター 試乗レポート/九島辰也の“ポルシェは911だけじゃナイッ!!”(2/2)

ポルシェ 新型ボクスター 試乗レポート/九島辰也の“ポルシェは911だけじゃナイッ!!”
(左)ポルシェ 新型ボクスター/(右)ポルシェ 新型ボクスターS ポルシェ 新型ボクスター・ボクスターSと九島辰也氏 ポルシェ 新型ボクスターS フロントイメージ ポルシェ 新型ボクスターS リアイメージ ポルシェ 新型ボクスターS フロントイメージ ポルシェ 新型ボクスターS リアイメージ ポルシェ 新型ボクスターS 幌の開閉1 ポルシェ 新型ボクスターS 幌の開閉2 ポルシェ 新型ボクスターS 幌の開閉3 ポルシェ 新型ボクスターS 幌の開閉4 ポルシェ 新型ボクスターS アルミホイール 画像ギャラリーはこちら

幌のオープンは僅か9秒!さらに50km/h以下なら走行中でも開閉が可能

ポルシェ 新型ボクスターSと九島辰也氏

ボクスターの醍醐味はドライバーズシートからはじまる。タイト感のある2シーターはまさにスポーツカー。クルマ好きがイメージするその世界がある。振り返るとすぐそこがトランクリッドだ。

インパネ周りの意匠はまさにポルシェファミリー。パナメーラからはじまった細いセンターコンソールがこいつにも備わる。カレラGTからインスパイアされた新世代のデザインだ。

トップはスイッチひとつの全自動式。フルオープンになるまでわずか9秒しかかからない。信号待ちで十分行えるし、時速50キロ以下なら走行中も可能だ。この辺はヨーロッパメーカー各社のひとつの見解だろう。突然の雨でも路肩に止めずして閉めることができる。かなり実用的だ。

ターンパイクではややパワーが足りないが、ステアフィールは驚くほど“味”がある「ボクスター」

ポルシェ 新型ボクスター フロントイメージポルシェ 新型ボクスター リアイメージ

今回最初に試乗したボクスターは、左ハンドルのPDKであった。試乗コースは、箱根ターンパイクのアップダウンとなる。

走り出してすぐに感じるのはボディ剛性の高さだ。当然オープンエアで走り出したのだが、カッチリしたボディの動きはクローズドのケイマンと寸分も違わないと思えた。そして今回から採用された電動パワステが、気持ちよさを導き出す。

スッと切ったときのフィールは「これが電動パワステ?」と驚くほど味がある。しかも、低速でも高速域でもそうだ。このフィールとそれに追従するボディの一体感がまさにこのクルマの真骨頂。981型ではそれがさらに磨かれたといった印象だ。

乗り心地はフラットライドで、中速域まではラグジュアリーさも感じられた。引き締められているとはいえ、ガチガチな足ではないということだ。これならPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネージメント)なしで、十分な気がした。それに19インチの相性もワルくない。

ただ、唯一ターンパイク上りではもう少しパワーがあるとうれしい場面もあった。絶対的な出力は十分なのだが、クルマがクルマだけにさらなる刺激を欲する。まぁ、この手のクルマの宿命といえばそうだろう。

とはいえ、それ以外に欠点はなし。643万円にオプションを付ければ700万円を超えるが、2シーターライフが許されるのであればハッピーカーライフが送れるはずだ。

サーキットへ持ち込みたくなるほどのスタビリティの高さを見せる「ボクスターS」

ポルシェ 新型ボクスターS 試乗走行イメージ1

そして、次に乗った「ボクスターS」ではそのモアパワーを体験した。

エキゾーストノートもさらに高められ、出だしからドーンと加速するところは、さすが“S”。こちらはマニュアルシフトのためターンパイク下りを3速を中心にカチカチと動かしたが、結論からすると太いトルクがマニュアルの楽しみを邪魔する。6速のクロスレシオが広いバンドで速度に対応するためだ。

となると、ボクスターがマニュアル、ボクスターSはPDKの方がマッチングがいいかもしれない。

また、こいつはPASMを装備していたため、高速域では懐の深さを感じさせた。高速コーナーのふんばりはよく、高いスタビリティをチェックするにはサーキットへ持ち込みたくなるほどだ。それにしても20インチでこのしなやかさも感動モノである。

ボクスターとボクスターS。思いのほか、キャラクターも分けられているから興味深い。

ボクスターSはモンスターマシンの領域にある。逆に共通しているのは、単なるスポーツカーではなく、ラグジュアリーテイストも盛り込まれていること。この辺は最近のポルシェブランドの傾向だろう。

ボクスターはグレードを問わずオトナのスポーツカーに仕上がっている。

ポルシェ 新型ボクスターS インパネポルシェ 新型ボクスターS ドライバーズシートポルシェ 新型ボクスターS メーターポルシェ 新型ボクスターS インパネポルシェ 新型ボクスターS ドライバーズドアスイッチ

「ポルシェ ボクスター」主要諸元

全長×全幅×全高:4,374×1,801×1,282mm/ホイールベース:2,475mm/シリンダー数:6/排気量:2,706cc/エンジンレイアウト:ミッドシップエンジン/トランスミッション:6速マニュアル・7速PDK/最高出力(EEC):195kW(265ps)/最大トルク(EEC):280N・m/最高速度:264km/h [マニュアル]・262km/h [PDK]/0-100km/h加速:5.8 秒 [マニュアル]・5.7 秒(5.5秒 Sport +)[PDK]

価格:5,960,000円(税込)[マニュアル]・6,430,000円(税込)[PDK]

「ポルシェ ボクスターS」主要諸元

全長×全幅×全高:4,374×1,801×1,281mm/ホイールベース:2,475mm/シリンダー数:6/排気量:3,436cc/エンジンレイアウト:ミッドシップエンジン/トランスミッション:6速マニュアル・7速PDK/最高出力(EEC):232kW(315ps)/最大トルク(EEC):360N・m/最高速度:279km/h [マニュアル]・277km/h [PDK]/0-100km/h加速:5.1秒 [マニュアル]・5.0秒(4.8秒 Sport +)[PDK]

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九島 辰也
筆者九島 辰也

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX」副編集長、「アメリカンSUV」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON」副編集長なども経験。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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