ポルシェ新型911 カレラ/911 カレラS カブリオレ[991型 2016年モデル(ダウンサイジングターボ搭載)] 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:小林岳夫・Porsche Japan KK
ターボといっても「911ターボ」とは意味合いが異なる
ポルシェから911カレラ(991型)のシリーズにもフラット6ターボを導入することがアナウンスされたとき、多くのファンは複雑な気分になったことだろう。
自然吸気のままではさすがに高性能化と環境性能の追求をバランスさせるのが難しくなってきたことは理解できるものの、いわゆる“ポルシェ・ターボ”の流れを汲む911ターボのような超高性能のためのターボ化ではなく、あくまでも排気量を小さくして過給器でパワーとトルクを補いながら環境性能を向上させるダウンサイジング・テクノロジーの路線。それが911というスポーツカーを退屈なものにしてしまうのではないか、と考えた人も少なくなかったようだ。
2015年の秋に発表されたマイナーチェンジ版が搭載したパワーユニットは、排気量を2981ccへと縮小したフラット6ユニットに2基のターボチャージャーを備えたもの。ポルシェはそれをダウンサイジングとはいわず、ライトサイジング、つまりサイズの適正化であるとした。
カレラとカレラSは同排気量、別チューニング
従来どおり911カレラと911カレラS用の2種類のスペックが用意されるが、これまでと異なるのは両車ともに排気量は同一で、コンプレッサーのサイズや過給圧、エキゾーストシステム、エンジンマネージメントなどの違いでチューニングを変えて搭載していること。
カレラ用は370ps/6500rpmと450Nm(45.9kgm)/1700-5000rpm、カレラS用は420ps/6500rpmと500Nm(51.0kgm)/1700-5000rpm。それぞれ先代より20psと60Nmも増している。0-100km/h加速はカレラが4.2秒でカレラSが3.9秒(ともにPDK車)、最高速度はカレラが295km/hでカレラSが308km/h(ともにMT車)。
スペック的には退屈とは縁はなさそうで、申し分ないだろう。
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