プジョー 新型308 海外試乗レポート/飯田裕子(3/4)

  • 筆者: 飯田 裕子
  • カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社
プジョー 新型308 海外試乗レポート/飯田裕子
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ボディの一体感と身のこなしが頼もしい新型「308SW」

プジョー 新型308SW

新型308で最初に試乗をしたのはワゴンモデルの「308SW」だった。

新型308 SWのボディサイズは全長4,585mm×全幅1,804mm×全高1,471mm、ホイールベースは2,730mm。先代に対し全長は+70mm、全高はわずかに低くなり、ホイールベースに至っては120mm広がった。

またリアのオーバーハングは新型ハッチバックに対し220mm延び、そのラゲッジ容量は通常で660L、最大1,660Lとなりセグメント中、最大のスペースとなる。ラゲッジからレバーでリヤシートを倒す機能も新採用。

また、開口部とラゲッジフロアの高低差3.3センチというのはマーケット中最も低い数値で、荷物の出し入れのし易さをアピールしている。床にはアルミ製レールとメタルフックも用意され、ラゲッジフロア床下には不要なメタルフックやトノカバーをしまう専用スペースまで用意されている。

新型308 SWには細かいこだわりが感じられ、ついつい紹介したくなってしまう。

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では、いよいよ新型308 SWを走らせてみよう。

従来モデルのシートはクッション性とホールド感の絶妙なバランスが気に入っていたが、新型の座面は少しフラットな印象が強く、小径ステアリングの向こうにメーターを見るポジションに合わせたドラポジの雰囲気は、今までよりもカッチリ感が増す。

まずは2リッターディーゼル+6AT搭載モデルからだが、ドッシリと路面を捉えて足元は引き締められた印象が強い。ストローク感もあり、乗り心地は良い。ハッチバックよりも先にSWのステアリングを握ったせいもあるのか、これはハッチバックなのではと思ってしまうほどのボディの一体感と身のこなしぶりが頼もしい。

コーナーでハンドルを切れば余計なロールなど感じずにリアタイヤが踏ん張り、フロントタイヤが行きたい方向へとスムーズに進んでいく。

これならば、オットリ系ママがクルマの基本性能に頼って運転したとしても、リアシートのキッズたちの体や頭の振られ度合も少なく、傍目にもスイスイと運転している印象を持たれるだろう。小径ステアリングはパワーアシストもほどよく、小柄な女性でも扱いやすい。

そして6ATはシフトショックもなく「トン、トン」とスムースにシフトアップし、必要な場面では速やかに低いギヤへと変速する。たとえ少々野太い音を発するディーゼルであっても、シフトチェンジの存在をほとんど主張せず静かにシフトチェンジしてくれるので、走りもより滑らかに感じられる。

なのだけれど・・・、それ以上に驚いたのがガソリン車の「1.2リッター3気筒ターボエンジン」だった。

2リッターディーゼルを運転する私の前を走っていた1.2リッター3気筒ターボを搭載したSW。メリハリのあるフランスの一般道では、集落で速度を落としたあとの再加速はつきものだ。その際に、2リッターディーゼルが「置いていかれるー!」と思う瞬間がしばしばあったのだ。

同乗者と「アッチは6MTだからねー、にしても速いよね・・・(汗)」と車内で称賛するほどだった。

実際に運転してみてもターボエンジンであることを忘れるようなラグのない鋭い加速を、1速、2速、3速・・・と繋いでくれる。

加速性能の伸びシロもソコソコにある。耳を澄ませば3気筒らしい音も聞こえるけれど、基本的に音も振動も性能も3気筒であることを忘れるほど頼もしく、そして上手に仕上がっているようだ。すると6ATとの相性が気になるのだけれど、想像では良さそう。

プジョー 新型308SW

ところで、街中で自分の前を走る308SWが508SWと並んだ瞬間があった。

道も空も広いノルマンディでみた308SWの後姿は508SWに見劣りすることもほとんどなく、重厚で低く構えたその姿からは新しさと上質さに見とれるほどだった。

また、後席に座った際に私の後方にまで広がるガラスルーフから見上げた青くて広い空を、今度は日本でもう一度見上げて比べてみたいと思う。

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飯田 裕子
筆者飯田 裕子

OL時代に始めたレース活動をきっかけに、クルマへの興味/関心を深め、フリーの自動車ジャーナリストに転身。自動車雑誌への執筆や自動車系TV番組出演などから、活動の場を広げ、現在では女性誌および一般誌、新聞、Web、ラジオ番組でのパーソナリティ、TV、トークショーと活躍の場は幅広い。ドライビングインストラクターとしてのキャリアも長く、自動車メーカーをはじめ、一般企業、保険会社、警視庁などが主催するスクールでの指導にも定評あり。記事一覧を見る

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