日産ニューモビリティコンセプト試乗|可愛らしい見た目だけじゃなく走りも魅力的な街乗りEV

  • 筆者: 伊藤 梓
  • カメラマン:和田清志/日産自動車

話題のゼロ・エミッション小型モビリティに乗ってみた!

日産のオールラインナップ試乗会で、実は今回試乗した乗用車と同じくらい気になった小型EV「日産ニューモビリティコンセプト」。

これまでなかなか乗る機会がなかったので、今回東京ドイツ村の広い敷地内でじっくりと試乗させていただきました!

>>前回記事:“いまの日産のすべて”を体感しちゃおう|日産オールラインナップ試乗会で最新車種イッキ乗り!

超コンパクトサイズとデザインで近未を感じさせるワクワク感

日産ニューモビリティコンセプトは、小型EVのルノートゥイージーをベースとしたもの。200V電源を使用し約4時間充電することで(急速充電は不可)約100km走行できるそう。全長2340mm×全幅1230mm×全高1450mmの超コンパクトサイズにも関わらず、タンデムで2名乗車できるというスグレモノです! ヨーロッパでは各地でカーシェアなどでも活躍しているとか。

まず、日産ニューモビリティコンセプトの魅力は、パッと見て愛らしくてかっこいいデザイン。

早速ドアを開けてみると、なんと上に開くいわゆるガルウィングではありませんか。加えて、EVらしい近未来的なフォルムとつくりを見れば、走りだす前からワクワクしてしまいます。

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風を感じる後席はあくまで限定的なスペース

まずは編集長のトクダさんにハンドルを任せて、私は後ろに乗ってみることに。

よいしょと体を後席のシートに押し込めようとすると、これが結構きつい!「ポルシェ911などの2+2より狭い」といえばおわかりでしょうか?

足の間に前席のシートが来るので、体勢的には2輪のように“跨がる”感じ。乗り降りには苦労しますが、収まってしまえば自分専用の個室にすっぽり入っているような安心感があります。

いざ、しゅっぱーつ!

キーは昔ながらの差し込んで回すタイプで、高齢者の方が道端で乗っているシニアカーがちょっと頭をよぎったけれど、走り出してびっくり。二人乗りでも、ぐいぐい坂道を登っていきます。

馬力は10〜20psと決してハイパワーではありませんが、車重が500kg(ドア付き)ととても軽いのも、力強さを感じた理由のひとつなのでしょう。

もちろん、このクルマにはエアコンはついていませんが、後席にはドアから入り込む涼しい風が。「こんなところもエコですねぇ」と後ろからトクダ編集長に声をかけると、「いや、運転席は無風です……」と苦しい返答。真夏の利用には熱中症対策が必要かもしれませんね……。

編集長に大汗かかせるのは大変申し訳ないので、前後を入れ替わろうとしたのですが、なんとトクダさんは後席に入り込めず。あくまで後席は子どもや女性が乗ったり、荷物置きにしたりするスペースと考えた方がいいかもしれません。

想像以上のパワーと安定感のある乗り味

さてさて、後席の乗り心地に続いて、実際に運転してみるとどんな感じなのだろう、とアクセルペダルを踏み込んでみると、おおー!想像以上のパワー! 敷地内では速度制限があるのでスピードは出せませんでしたが、なんと最高速度は80km/hだそう。

「そんなにスピード出したら怖いでしょ?」と思われるかもしれませんが、乗っていて安定感があるので心配はいりません。さすがは元ルノー、サスペンションがあきらかにしっかりしているのが伝わってきます。

直進性はもちろん、ちょっとした地面の凹凸にも大きな突き上げは感じず、乗り心地もまろやか。

そして、コーナリングをしてみると「まさにルノー!」とうなるようなライントレース性能! シニアカーとか言ってすみませんでした……。こんな小さなモビリティにもメーカーの意思が感じられて嬉しくなった次第です。

一度はチャレンジして見る価値アリ!

日産ニューモビリティコンセプトは市販されていないので、なかなか触れる機会がないかもしれませんが、横浜のみなとみらい周辺では「チョイモビヨコハマ」として、カーシェアリングなども行われています。

専用の無料駐車場もあるようなので、ゆっくり横浜探索ができそうですね。

乗用車よりも、まわりの景色をゆっくりと眺められたり、その街の空気をたっぷり味わえるのも日産ニューモビリティコンセプトのいいところ。見かけたらみなさんも是非チャレンジしてみてください。

[TEXT:伊藤 梓/PHOTO:和田 清志・日産自動車]

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伊藤 梓
筆者伊藤 梓

グラフィックデザイナー時代にミニカーの商品を担当するようになってから、どっぷりと車に魅了されるように。「こんなに人を惹きつける車というものをもっとたくさんの方に知ってほしい」と、2014年に自動車雑誌の編集者へと転身。2018年に、活動の幅を広げるために独立した。これまでの経験を活かし、自動車関係のライターのほか、イラストレーターとしても活動中。記事一覧を見る

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