次期エクストレイルやキックス、アリア導入で狙う日産の今後のSUV戦略とは?(1/2)

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新型キックスや電気自動車のアリア、そして次期エクストレイルなど、市場で人気のSUVモデルの拡充を含む商品ラインナップの刷新で狙う業績回復。さらには電気自動車の本格普及など、日産の今後の展望をカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎氏が徹底解説する!

目次[開く][閉じる]
  1. かつては国内販売台数ランキング2位だった日産も、今は5位まで後退
  2. 2023年度までに商品ラインナップを大刷新
  3. 電気自動車SUVのアリア、実際どこまで使えるのか?
  4. アリアで電気自動車の本格普及を図りたい日産
  5. 大本命、次期エクストレイルを徹底予想!

かつては国内販売台数ランキング2位だった日産も、今は5位まで後退

日産は2007年頃まで、メーカー別国内販売台数ランキングがトヨタに次ぐ2位だった。ところが2008年にリーマンショックによる世界的な経済不況が発生して、国内市場に対する取り組み方も激変。商品開発に影響が生じて、2011年以降の日産は、国内では新型車を1~2年に1車種しか発売していないほど。

日産の国内販売台数(暦年/軽自動車を含む)を見てみると、2007年は72万973台だったが、2010年は64万5320台、2015年は58万9046台、2019年は56万7617台と減少。12年の間に国内販売台数を21%も下げているのだ。

国内販売ランキング順位も、それまでの2位から、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位まで後退。現在は軽自動車が新車販売台数の40%近くを占めており、スズキとダイハツがシェアを拡大させている。2~5位の販売台数は接近しており、販売台数を21%落とすと順位も大幅に下がってしまうのだ。

当時の商品企画担当者に、国内で発売される新型車が減った理由を尋ねると「最近は市場の規模や将来性に応じて、新型車を投入するようになった。その結果、日本では新型車が減った」と回答。

つまり国内市場を客観的に捉えると、中国、北米、新興国と呼ばれるアセアン地域などに比べて、市場の規模と将来の伸び率が小さく、新型車が1~2年に1車種となってしまったのだ。

2023年度までに商品ラインナップを大刷新

日本のユーザーから見れば「日産はどこの国のメーカーなのか!?」という話だが、経営判断としては理解できる。

今では日産に限らずダイハツを除いた各メーカーともに、世界生産台数の80%以上が海外だ。日産も国内に相応に力を入れていた2007年の段階で、世界生産台数に占める海外比率は79%に達しており、2019年は89%まで高まっている。

しかしカルロスゴーン元会長が逮捕されると、日産内部から「国内市場をもっと大切にすべき」という声が聞かれるようになったのだ。

さらに2020年3月期の連結決算で、6712億円の最終赤字に。この時、業績を下げた理由のひとつに、設計の古い車種の増加が挙げられた。そこで日産は、2020~23年度にかけて、商品ラインアップを刷新すると発表。

2023年度までに、先ごろ発表されたアリアを含む電気自動車を国内にも2車種投入するなど、新型車を積極的に発売する方針だ。

この主力がSUVになる。日本では2020年6月に発売されたコンパクトサイズのキックスに加えて、電気自動車のアリア、エクストレイルもフルモデルチェンジを実施。このほかコンパクトカーのノート、スポーツカーのフェアレディZなど、長らくモデルチェンジをしてこなかったクルマたちを順次刷新する。

日産/キックス
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299.9万円367.1万円
中古価格:
29.8万円405.8万円
日産/エクストレイル
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中古価格:
17万円1,758.5万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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