トヨタが上位を独占! 8月の乗用車販売台数ランキングベスト3

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一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表した、2020年8月の国産乗用車販売ランキングでは、1位のトヨタ ヤリスに続き、2位トヨタ ライズ、3位トヨタ カローラとトヨタ車がトップ3を独占。しかも、この状況が3か月連続しているのだからシンプルに“スゴイ”結果と言えるだろう。そこにはユーザーの幅広いニーズを捉える、緻密かつ大胆な商品戦略が隠されている。

目次[開く][閉じる]
  1. 2020年1月からのランキングでは常にトヨタ車が1位
  2. ヤリス、ライズ、カローラ人気の秘密は特徴が別
  3. 老若男女幅広いニーズに応える商品力がカギ!他メーカーの台頭に期待

2020年1月からのランキングでは常にトヨタ車が1位

ヤリス、ライズ、カローラ、トヨタ3車種の勢いが止まらない。一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している乗用車販売ランキングにおいて、2020年6月から8月までの3か月間、トップ3を常にこの3車種が独占する状況が続いている。さらに、5月以前の月を見ても、1位はトヨタ車であり、月別の1位は、1月と2月がトヨタ ライズ、3月がトヨタ カローラ、4月と5月がトヨタヤリスとなっている。

なぜここまでこの3車種が好調なのかを探るため、それぞれの特徴や重視したポイントを改めて見てみると、この3車種で、多くの人が求めているニーズの大半をカバーしていることが見えてきた。

ヤリス、ライズ、カローラ人気の秘密は特徴が別

コンパクトカーであることにこだわったヤリス

2月の発売開始以降、常にトップ3に食い込むヤリスは、コンパクトカーであることにとことんこだわりつつ、質感を高めたことが多くの人に支持された。

全世界共通のネーミングになったヤリスは、先代に当たるヴィッツと比べて後席や荷室が狭い。これは同じトヨタのコンパクトカーパッソと比較しても顕著。パッソのホイールベースが2490mmで室内長を1975mm確保しているのに対し、ヤリスは2550mmと長いホイールベースでありながら、室内長は1845mmしかない。これまでコンパクトカーは、いかに室内を広くするかということに注目されてきたが、ヤリスはその定説を大きく覆したのだ。

一見すると危険な賭けにも見えるが、結果的にこの“割り切り”が大きな成功に繋がる。ホイールベースを伸ばしつつも、室内長を詰めたことで、乗員は必然的に車の中心付近に乗ることになる。剛性アップしたボディと相まって運転時の質感は向上し、さらに前後ガラスの傾斜を大きくしたことで、塊感のあるスポーティなフォルムも手に入れた。

もちろん、後席や荷室の狭さを考えれば、よりスペース効率に優れた車種の選択肢はある。ただ普段から1人乗りか、多くても2名乗車がメインで、後席を日常的に使わないユーザーにとっては最良の選択肢になり得るだろう。

SUVでありながら価格を抑えたライズ

日本だけでなく、SUVは世界的に人気のジャンルであり、かれこれ10年近くその人気は衰えていない。今や大衆車を得意とするメーカーから世界的なプレミアムカーブランドまで、ほぼすべてのメーカーがSUVをラインナップしていると言っても過言ではない。

そんな多くの人が求めるSUVだが、ひとつだけ懸念点を上げるとすれば、価格帯がほかのジャンルに比べ割高という印象を持たれてしまっていることだ。

その点、ライズは手頃感のある価格に抑えることで、これまでSUVに手を出せなかった層のニーズを見事にキャッチした。エントリーグレードであるX(2WD)は税込み167万9000円で、諸費用や最低限のオプションをつけても200万円前後に収まる。これはライバルとなるホンダ ヴェゼル(211万3426円)や、日産キックス(275万9900円)よりも明らかに安い。

さらに言えば、ダイハツのOEMであっても、トヨタブランドの信頼性という点で有利に働き、50代60代にも人気となっている。

もちろん、本格的な悪路走行をこなすような車種ではなく、あくまでシティー派SUVではある。そのため、毎週末山や海に出かけるユーザーには合わないかもしれないが、全体の購買層から見れば、山や海、しかも悪路に入り込むユーザーはごく少数だ。

ライズはそんな、普段の足として手軽にSUVに乗りたいという大多数の層に支持されているのだろう。

豊富なラインナップを揃えるカローラ

カローラと言えば日本を代表する大衆車のトップブランドで、常に販売台数の上位に位置していた。しかしハイブリッド専用車のプリウスが幅広い層から圧倒的な支持を集めると、カローラの販売台数を超え上位にランクインする時期が長く続いていた。

しかし2019年秋、カローラシリーズがフルモデルチェンジをすると、長く上位に居続いたプリウスとランキングが入れ替わる現象が起こった。それは2020年になっても変わらず、8月ではカローラの3位に対しプリウスは13位まで落ち込んでいる。

ここ数年でトヨタ車全般にハイブリッドが広く搭載され、近年はプリウスのアドバンテージがやや薄れつつあった。そんな中カローラがフルモデルチェンジし、現行型の4代目プリウスから初採用された新開発TNGA GA-Cプラットフォームを採用。走行性能を大幅に向上させた。さらにデザインも一新し商品力をアップさせ、保守的だった従来のカローラのイメージを払拭することに成功した。

加えて、新型からはトヨタカローラ店以外のチャンネルでもカローラを扱うようになり、販売力も格段に拡がっている。ハイブリッドとガソリンエンジンがあり、セダン・ワゴン・ハッチバックとバリエーションも豊富で、価格帯も200万円台を中心とするカローラシリーズは、販売現場でも売りやすい1台なのだ。これらの要素が重なって、ランキングの逆転現象が起こった。

老若男女幅広いニーズに応える商品力がカギ!他メーカーの台頭に期待

これまで、日本車には、壊れにくくかゆいところにも手が届く優等生という特徴があった。だが、先日発売されたばかりのGRヤリスを見ても、最近のトヨタがリリースする車の多くに、ある種の割り切りと強いこだわりが見て取れ、車種単位で見れば何でもお任せの優等生ではない車種が増えた。

現在販売台数でトップ3に君臨するヤリス、ライズ、カローラも、それぞれ何かを犠牲にしているという共通点がある。その結果、個々の商品力を強化し、そのジャンルを欲しいと思っているユーザーに刺さっているのだろう。

当然のことながら、企業規模という点で頭一つ飛び出しているトヨタだからできることかもしれない。だが、ライバルの国産メーカーに目をやれば、それぞれの得意ジャンルで魅力的な車種生み出す能力は持っているはず。

消費者から見れば、各メーカーが切磋琢磨することで、より魅力的で優秀な車が生まれることが一番望ましい。コロナ禍をはじめ苦しい状況にあるメーカーが多いとは思うが、ぜひ国産メーカーの奮起に期待し、再び国産車市場が今以上に盛り上がることに期待したい。

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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