トヨタ 新型スープラが復活|3リッター直6ターボに加え2種類の2リッターターボを用意
日本デビューは2019年春
トヨタは、北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で2019年1月14日(現地時間)、2シータースポーツカーの新型「スープラ」を世界初披露した。併せて、日本でのスープラ発売時期を2019年春頃だと発表した。
新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル。2007年にドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに2台のアルテッツァで初参戦してから現在まで、モータースポーツを通じて人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」に取り組んできたTOYOTA GAZOO Racing。これまでの取り組みで蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ、お客様に心から走りを楽しんでもらえるクルマ“GR Supra”として新たに誕生した。
今回発表された新型スープラは5代目にあたり、2002年に生産終了してから17年ぶりの復活となる。初代スープラが1978年に誕生(日本では当初“セリカXX”としてデビュー、3代目よりスープラ名に変わる)して以降、どの世代でも直列6気筒エンジンを積んだFR車であったことは共通し、新型でもこの2つを継承した。
加えて今回、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現させた。
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トヨタ自動車 豊田 章男社長のコメント
トヨタ自動車の豊田 章男社長は、マスターテストドライバーとしての顔を持つ。自身のスープラについての想いをこう語る。
「ニュルブルクリンクでの運転訓練で長い時間を一緒に過ごしたスープラは、自分にとって“特別な旧友”のような存在です。当時、ニュルブルクリンクで他のメーカーが発売前のプロトタイプカーを走らせている中、私たちは、既に生産を終了した古いスープラでしか走ることができず、とても悔しい想いをいたしました。スープラ復活を待ち望んでいたのは世界中の多くのファンだけでなく、私も“スープラを復活させたい”という想いを密かに持ち続けていました。新型GRスープラは、ニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたクルマです。走る楽しさ以上の経験を提供できるクルマになったと、自信を持ってお伝えします」
開発責任者 多田 哲哉氏のコメント
これまでトヨタ 86などを担当したことでも知られるチーフエンジニアの多田 哲哉氏は、新型スープラについて「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」と語る。
スープラの主な特徴
1.ピュアスポーツカーとしての基本素性を追求したパッケージ
・卓越したハンドリングや安定したコーナリング姿勢を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3要素を最重要ファクターと捉え、ピュアスポーツカーとしての理想を追求。
・ホイールベースは、2シーターに割り切ることで86よりも100mm短い2,470mmを実現。
・それにより、ホイールベースとトレッドの比は1.55という、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値を達成し、優れた回頭性に寄与。
・重心高にも徹底的にこだわり、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高を実現。
・コーナリング性能にとって重要な要素の1つである前後重量バランスについても、理想とされる50:50の配分を達成。
2.スポーツカーとしてのパッケージ・レイアウトの特徴を十分に活かしたデザイン
・デザインコンセプトは「Condensed Extreme L6 FR "TOYOTA" Sports」
(Condensedは「凝縮された」、Extremeは「過激な」の意)
<外装(エクステリア)>
■ショートホイールベースと大径タイヤによりタイヤの存在を強調するサイドビューパッケージ
■2シーターらしいタイトなキャビンと、ワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス
■直6 FR ロングノーズショートキャビンシルエット
<室内(インテリア)>
■上下に薄いインパネと高く幅の広いコンソールによる、典型的なFRスポーツカー空間
■シフトバイワイヤ式のシフトレバー、8.8インチTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイによる、運転席中心でタイトな新世代コクピットレイアウト
・上記スポーツカーとしてのパッケージ・レイアウトの特徴を十分に活かし、GRシリーズ初のグローバルモデルにふさわしいスポーツスタイルを目指した。
・空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフの採用(TOYOTA 2000GT)や、ランプを車両内側に寄せることでフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法(TOYOTA 2000GT、4代目スープラ)など、TOYOTAのスポーツカーの伝統を継承。
3.高次元の走りを実現する高剛性ボディ
アルミニウムと鉄を用いた骨格構造と、異なる素材同士の接合強度を追求したことで、86の約2.5倍ものボディ剛性を実現。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用したレクサスLFAをも上回る。
4.伝統を継承する直6ターボエンジンと、スポーティドライブを気軽に楽しむ直4ターボエンジン
・歴代スープラに採用されてきた直列6気筒エンジンの伝統を継承し、直6 3.0Lツインスクロールターボエンジンを搭載。最大トルク500N・mを、エンジン回転数1,600rpmという低回転で発生し、アクセルペダルの操作に応じた思い通りの加速が味わえる。
・直列4気筒エンジンは、チューニングの異なる2つの2.0Lツインスクロールターボエンジンを設定。最高出力190kW(258PS)というハイパフォーマンスを実現した、軽快なスポーツ走行を楽しめるエンジンと、145kW(197PS)を発揮する、街中から高速道路まで爽快なドライビングを気軽に味わえるエンジンを用意する。
5.精密な車両コントロールを可能にするサスペンション
・バネ下重量の低減、高い組み付け剛性、精緻な動きを追求して新設計されたサスペンションを搭載。(フロント : ダブルジョイントスプリングストラット式、リヤ : マルチリンク式)
・一部グレードにアダプティブバリアブルサスペンションシステムを搭載し、選択中のドライブモードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御することで、走りと乗り心地を高次元で両立させた。
6.旋回性能と安定性を高めるアクティブディファレンシャル
・VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で無段階に最適制御。
・コーナー進入時は旋回性能と安定性を高くバランスさせたロック率を選択し、アクセルを踏み込んでコーナーを脱出する際は、ロック率を高め最大限のトラクション性能を発揮。
7.世界の道で鍛えた運動性能
ユーザーが実際に走る環境を重視し、開発中は一般道で徹底的に走り込みを重ねた。
ニュルブルクリンクにおけるレーシングスピードでの走り込みはもちろん実施したが、欧州のカントリーロードやアウトバーン、北欧の氷雪路、米国のハイウェイ、日本のワインディングロードなど、世界中のあらゆる道を走り、日常的な乗り方でもクルマを操る楽しさを感じられるようにチューニングした。
[撮影:和田 清志・トヨタ自動車]
新型スープラ(日本仕様)主要諸元
「RZ」グレード
排気量:2,998cc/エンジンレイアウト:直列6気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:250kW(340ps)/5,000-6,500rpm/最大トルク:500N・m(51.0kgf・m)/1,600-4,500rpm/0-100km/h加速:4.3秒/車両重量(社内測定値):1,520kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,295mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)255/35R19(後)275/35R19/トレッド:(前)1,594mm(後)1,589mm
「SZ-R」グレード
排気量:1,998cc/エンジンレイアウト:直列4気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:190kW(258ps)/5,000-6,500rpm/最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/1,550-4,400rpm/0-100km/h加速:5.2秒/車両重量(社内測定値):1,450kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,290mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)255/40R18(後)275/40R18/トレッド:(前)1,594mm(後)1,589mm
「SZ」グレード
排気量:1,998cc/エンジンレイアウト:直列4気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:145kW(197ps)/4,500-6,500rpm/最大トルク:320N・m(32.6kgf・m)/1,450-4,200rpm/0-100km/h加速:6.5秒/車両重量(社内測定値):1,410kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,290mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)225/50R17(後)255/45R17/トレッド:(前)1,609mm(後)1,616mm
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